Q020:乱張りについて、平石の端を曲線で切るのはグラインダーで切るのか

投稿日:2005/06/20(Mon)

Q:20   私の住んでいる方では敷石の乱張りというと普通不定形の平らな石を合端処理せずに組み合わせているようなのですが、日本の庭の写真を見ると各石の端がきれいに切ってあり、目地の幅がほぼ一定にそろっています。(下のリンクは比較のための例です。)
http://www.tuinen-tuinontwerp.nl/Tuinen/tuin10/flagstone-me.html(2012/3/11現在リンク先なし)
 平石の端を曲線で切るのはグラインダーか何かで切るのでしょうか?

A:最近流行の洋風石(アインストーン、ジュラストーンなど)はあまり合端を揃えないラフな感じの方が”らしく”見えるということはあると思います。
日本で従来行われてきた鉄平石などの乱貼りは合端を整え目地幅を出来るだけ細くするのが技術的にも評価され、見栄えも美しいモノだったのです。

日本の鉄平石張りを得意としてきた職人達は洋風石の登場にちょっととまどったことは確かです。目地幅を揃えようものなら「それじゃあ和風になっちゃう」となじられたからです。「ラフに、ザッとで」なんて言われると技術力を誇りにしてきた職人は固まってしまう。
逆に高い技術力のない職人や駆け出しの小僧は流行に乗って仕事を取るチャンスにもなったわけです。よほど仕上げが汚いとかセンスが最悪でない限り、ちょっと技術力が足りないくらいの方が”それらしく”見え、施主や元請けに喜ばれたのです。

リンクを貼って頂いた和風の鉄平石延べ段は私が18年前に貼ったものですが、確かに合端にこだわっていたようです。この石は諏訪鉄平の擦り石(大きな回転ドラムに入れて石の角をすり落としたもの)なのでグラインダーなどでカットするとその切り口は明らかに他のものと違って見えてしまいますので、出来るだけ切らないで合端の合う石を根気よく探して組み合わせます。やむを得ず刃を入れる場合は面取りして様子を揃えます。
いわゆる普通の鉄平石や丹波石はコヤスケというトンカチの小さいもののような道具で割りながら合端を合わせます。私は鉄道のレールの切れっ端を台にしてその上で割っています。最近の施工例の中で私が石を割っている写真がありますが http://www.k-tk.co.jp/koji/koji06/izumi_tuno/tuno.html ジュラストーンも鉄平石と同じような要領で割ることが出来ます。よほど難しいラインや失敗が許されない場面でない限りグラインダーは使いません。自然石の味わいを失わせない努力をします。
ご質問の曲線の場合、グラインダーを使う場合もありますが、機械で切るとどうしても不自然な切り口になってしまうので石の自然な曲線をそのまま生かす努力をします。要するに必要最低限だけグラインダーを使います。

最初の話に戻りますが、「目地幅にあまりこだわらずにラフに貼る」ということに関してですが、最近は拡大解釈がさらに拡大していって「合端無視!」なんていう技法もまかり通っているようです。それこそ合端処理など一切しないで手当たり次第にただちりばめただけ、なんていう感じの目を覆いたくなるような現場を見ます。
お客様がその仕上がりを美しいと評価するのなら何も言えませんが、その仕事をした職人(?)が仕上がりに何のこだわりもなくただ早く、儲け優先でやっつけ仕事をしているのだとしたらゆゆしきことです。
鉄平石のように厳しく貼る必要は無いかもしれませんが、美しいモノを追求しなくなったら職人は終わりです。技術力も向上しないし優秀な若手も育ちません。
お客様が出来映えよりも安さを追求し、職人(や親方)がこだわりよりも儲けを優先すれば大事なモノが失われていきます。どちらの側にも美しさへの執着と厳しさが必要だと思います。

、、、なんて 偉そうなことを言ってしまいました、すみません。

Q019:池を作る時の水漏防止シートはどこのメーカーが良いか

投稿日:2005/06/13(Mon)

Q:19   池を作りたい、それもビオトープにしてできればヤンマとかよびたいなあと思うのですが、聞きかじりですが池の水漏防止シートには粘土が付着させてあるベントナイトシートが良いそうですが、何と言うメーカーの何がよいのか教えてください。
またそれはかなり重たいのでしょうか、女手でも手に負える工事でしょうか? 

A:ベントナイトシートでの施工例が少ないのでどのメーカーが良いと言えるほど経験がありません、すみません。小規模なものならホームセンターで売ってる成形池をベースにしても十分かと思います。小規模なビオトープを本格的な施工法で作るとメンテナンスがかえって大変だったりします。

池の大きさにもよりますし、あなたの体力にもよりますので施工可能かどうかもお答えできません。基本的に男に出来て女に出来ない事なんてほとんど無いと私は思いますが。

 

追記(2017/09/08):(株)タカショーのプールライナー、ストリームライナー(PVC樹脂)、EPDMポンドライナー(エチレンプロピレンゴム)やグローベン(株)のポンドシートなどが一般的です。防水シートに砂利を接着した製品などもありますので比較的手軽に自作の池が作れると思います。

Q018:法面に張った芝に水遣りをしてもすぐに流れてしまい、根の部分まで届きにくい

投稿日:2005/06/17(Fri)

Q:18   家の周りの土手に張り芝を張りました。ケンタッキーブルーグラスという西洋芝です。土手は30度程の法面で法の長さは2m程長さは10m程です。
 毎日夜1回水遣りをしてもすぐに流れてしまって根の部分にまで水が行き難いようでだんだん色が白くなってきました。
とにかく水をやらないと根付かないと思いますが、こういう場合良い水遣りの方法があるでしょうか。
 素人考えですがホークかローンスパイクのようなもので穴を開けてそこに水を吹き付けるのはどうかとも考えているのですが・・・。
どうかプロのお考えをお聞きできれば助かります。

A:これはまた手間のかかる芝を植えられましたね。西洋芝の管理法については下記のホームページが詳しいと思います。
http://www2.sanmedia.or.jp/herb/sibahu/seiyousiba.htm 【リンク切れ2012/3/11現在】

効率の良い散水法ですが、いっぺんに撒くと流れてしまうなら、手っ取り早いのは「ソークホース」をつないでじわっと時間をかけて散水する方法でしょうか。例えばhttp://www.diy-town.co.jp/garden/mizu_kansui3.html【リンク切れ2012/3/11現在】などを参照してください。
スプリンクラーというわけにもいかないでしょうが、ミニスプリンクラーというのも状況によっては使えます。同ページ内にあります。
法肩にホースを敷けば徐々に下にしみこむように思います。タイマーも電池式で1万円前後で買えますから西洋芝のように水やりが頻繁に必要なモノには必要かもしれません。少ない水量で時間をかけてとなるとやはり人間にはじれったくて疲れますから。

Q017:ウッドチップは虫が発生したり、悪臭がしたりしますか?

投稿日:2005/03/04(Fri)

Q:17   花壇(16㎡)で雑草が生えて困るとの相談を受けました。
 敷地内でビリジャリを敷いている場所があるので、花壇はウッドチップ舗装を提案しようと思います。
しかし、虫が発生したり、悪臭がしたりするのでやめた方が良いとの話を聞きました。
 木下さんのHPには、ウッドチップ舗装の施工写真がありますが、このような問題はないのでしょうか?

A:土のマルチング材として色々な商品があるでしょうが、私のマルチング材の使用前のチェック法として、まず匂いを嗅ぐようにしています。
カビ臭、染料臭、油臭、などを確認します。

カビ臭についてはキノコ菌や白絹病のチェックで、対処方としては黒いビニール袋に密閉して数日天日で殺菌消毒をし、菌を死滅させます。染料臭、油臭については基本的に使用しません。

以前、弊社で造園したお宅で、木の元気が無いので見に来て下さいと依頼されてお伺いしましたら、木の根元にお客様がご自身でウッドチップのマルチングをなさっていました。
ウッドチップの染料が地中に流れ出していたようで、少し離れた場所でも染料の匂いが鼻につきました。
即刻このマルチング材をはがすようにお願いしましたが、以降は徐々に元気を取り戻しているようです。

人間の体に良くない物は植物にとっても絶対良いはずが無いと思います。匂いを嗅いで体が受け付けない物はなるべく使用したくないのが私の本心です。

マルチング材の使用方法としては極力薄く敷くことです。
薄く敷くことで、菌や虫の繁殖を抑える為です。(樹木医さんの受け売りですが・・・)

自然が相手なので”絶対”と言うことは無いと思っています。
虫の大量発生は困るでしょうが、多少の虫がいると言うことは樹木にとっても良い環境・良い土壌(食物連鎖の形成ができている)と言うことをお客様にご理解頂くように努めています。

16㎡では結構広いですから、面積自体をうまく減らすのも考えてみては?
例えば中島のように石貼りのテラスなどを設けてそこをコンテナ用のスペースにしたり作業場にしたりして除草面積を減らしつつポイントを作るのも手です。

Q016:カイヅカイブキのしごき方で竹べらを使った方法をご存知でしょうか?

投稿日:2005/03/02(Wed)

Q:16-1   カイヅカイブキのしごき方で竹べらを使った方法があると聞いているんですが、ご存知でしょうか?
植木についてまじめに返答していただけそうなので、質問してみました。

A:ごめんなさい、皆目なんのことやらわからないのです。カイヅカイブキのしごきって何ですか?
「しごき」といえばこちらでは表面のデコボコを平滑にするためにごく薄い仕上げ材を塗ることであったりするのですが、そちらで言うところの「しごき」とはどういう作業のことなのですか?

 

Q:16-2   マツの古葉取り(もみあげ)みたいな方法らしいのですが、その発言者の言葉を聞き違えていたかもしれません。

A:カイヅカイブキはちゃんと手入れしようとすれば結構手間のかかる木ですよね。ウチは刈り込むのがイヤだから木鋏で透かしたりしますから長い生垣だとそれだけで一日かかったりします。

時間も予算も無くて、しょうがないから今回は飛びを飛ばすだけ なんて時でも古葉だけはきちんと落とすようにはしています。古葉を払ってやるだけでも結構すっきりキレイになります。

手間が掛けられないからといって刈り込みで表面だけなめて、掃除もそこそこに終わりにしてしまうよりも、古葉を取り除いて陽を入れてやるほうが次の手入れの時に有効だと思います。同じ限られた時間なら私は後者を選びます。枝先を切るのはいつでも出来ますが、枯れ込んでしまった枝は元には戻りませんから古葉を積もらせっぱなしにするのはいけません。

ちなみにウチで古葉を払うと言えば、もっぱら軍手した手をつっこんでひたすらモミモミするしかありません。

「庭師の知恵袋」は昔読んだのにちっとも覚えていませんでした。竹べらと親指の腹に芽先をはさんでちぎるのでしょうね。私はやったことも見たこともありませんが。
ただ、お客さんにコニファーの手入れについて聞かれると、ハサミを使わず、こまめに指先でつまんで芽先をちぎってやっているだけで結構形が維持できることは話しています。

そもそも「しごく」という言葉を私は把握していなかったようで、辞書を引けば「扱く(しごく)」:(一方の手でにぎり, 片方の)手で強くこするようにして引くこと と書いてありました。もう一つの意味の〈激しく鍛える〉しか、私の脳にはインプットされていませんでした。(部活でしごかれた思い出がトラウマのようになっているのでしょうか?(笑)
不勉強でなんともお恥ずかしい、、、。方言か何かだと思っていました。

Q015:どうして、神社にはキンモクセイが植えられてるんですか?

投稿日:2005/02/03(Thu)

Q:15   キンモクセイについてんなんですが。。。
どうして、神社にはキンモクセイが植えられてるんですか?
 早めにレスお願いします(´з`)よろしくお願いします

A:どの神社にも必ずあるのかは知りませんが、確かにキンモクセイの大木などは神社にありますね。三嶋大社のも元気はないけど大きいことは大きい。
もともと金だの銀だのが名前に付くととにかく「縁起が良い」とされるわけで地方によっては、秋にたくさんの花を咲かせるこの木を「秋の実り」とだぶらせて神木と崇めたりするわけです。

「縁起が良いから」植えているということでどうでしょうか?
他にも神社に多い木としては、オガタマノキ、ホンサカキ、ナギなどがあります。これらは神聖な木、魂の木として使われているのだと思います。

余談ですが、キンモクセイは大昔に中国から渡ってきたのですが、オスの木しか入らなかったので日本にはほとんど雌木が無いそうです。私も長年植木屋をやっていますが実のなるキンモクセイをお客さんの庭で見たのは3回だけです。

Q014:RIK-CADを薦められて購入するか検討中

投稿日:2005/02/03(Thu)

Q:14   埼玉で植木屋をしているものです。
 最近、日建学院にRIK-CADを薦められて購入するか検討中です。
そんななか、木下さんのHPにたどりつき、すごい植木屋さんがいると思って一通り拝見しました。
 木下さんもCADも使っているようなので、何を使っていてどういう所がいいのか?また、選ぶときのポイントなどお聞かせ願えればと思って投稿しました。

A:私はRIK-CADを使っています。これの前身であるSUCCESSから使っていますが、導入時には「オーセブン」とどちらにしようか迷いました。どちらにもそれぞれに良いところがあるようですが、私は結局担当者の人柄に好意を持ったというのが購入の動機となりました。
どんな商品でもそうですが機能的、品質的、価格的にはそれほどの違いは無いものです。そういうものの中からどれかを選ぶとすれば結局は「人から買う」というもっとも基本的な部分に行き着くような気がします。私のモノの買い方はいつもそんな風です。

私を担当してくれたその人はもう退社してしまいましたが、その上司には今でも懇意にしてもらっています。結局は人として付き合えるかどうかが長く使っていく上で大事な事です。アフターフォローということも含めて売りっぱなしでなく常に面倒を見てくれるかどうかが採用の基準である事は言うまでもありません。
なおかつ、オブジェクト類(エクステリア素材など)が常に新鮮で、スピーディーに配布されるかという事が図面を描く上で重要です。エクステリアメーカーの商品はめまぐるしく変わっていきますのでそれにCADが追随できなければ正確な図面は望めません。
しかしバージョンアップや素材の更新などがそのつど有料であったら変化に付いていくのが億劫になるでしょう。RIKはその点は満足のいく対応をしています。ただ、バージョンアップのたびにバグが出たり(じきに修正プログラムが出ますが)、操作そのものが変わってしまって一時扱いにくくなったりするのでこちらも柔軟性がかなり必要に思えます。

もう一点大事な事は他の人とデータの共有が出来るかどうかということです。最近は色々な形式で読み込んだり、またどんな人にも見れるデータ形式でメール出来たりするようになりましたが、出始めの頃は不自由しました。お客様と図面でやりとりする際にこのことは大変重要な要素になります。いかに軽く見やすい図面を送れるかということです。

私がCADを導入した頃に比べればRICは数倍も巨大な組織になってしまいました。大企業がよくやる「大幅なモデルチェンジ」が今は不安の種ではあります。売り手と買い手の距離も親密度も希薄になっていくような気がします。昔はアットホームであったかい会社だったなどと懐かしんだところでせんなきこと。車にしても愛着を持って同じ車を長く乗り続けたいと思っても、モデルは変わる部品は無くなる、ユーザーの願い通りにはメーカーは待ってくれないという時代です。メーカーの戦略に乗っていかなければ今持っている道具を使い続けていけないという悲しい現実の中で、ため息をつきながらも付いていかなければならないという悔しさも無くはありませんが、CADは放り出してしまうにはあまりに元手のかかるしろものではあります。
ずっと付いていかなければ使えなくなってしまうものだからこそ「人から買う」という精神的な部分がないと辛くなると思うのです。

もっと機能的な部分の話とかを望んでおられたのかもしれませんが、さっきも書いたようにそれはメーカーによって一長一短ですので自分で実際に触って確かめるしかありません。高い買い物ですから納得するまでデモを見るなり(できれば実際に数機種を操作してみて)してください。高い買い物だからかもしれませんが私はこのCADにして後悔はしていません。

Q012:樹脂接着砂利というのは自分でも簡単に施工は出来ますか?

投稿日:2004/10/30(Sat)

Q:12   樹脂接着砂利というのは自分でも簡単に施工は出来ますか?
どこで購入できますか?
 施工の仕方を簡単で構わないので教えていただければ幸いです。

A:これは難しい質問です。簡単に出来るかどうかは個人の技量によって違うので、誰にでも出来るかと言われればNOとしか言えません。たとえば50センチ四方の浅い箱の内側に底から3センチ上に直線をぐるりと引き、箱の中に砂を入れコテでその線に沿ってならしてみてください。内側4辺に印があるわけですから普通に考えれば砂は水平にならせるはずです。ならし終わったら30センチ長さの水平器を色々な向きに置いてみてください。どこに置いてもほぼ水平なら合格です。中央がタイコにふくらんでいたりへこんだりしているようでは実地は無理です。これが1M四方のレベルで平らにならせればほぼプロの領域と言えます。

樹脂接着砂利は基本的にはコンクリートのような平滑な下地が必要です。材料を大量に使って砕石下地の上に施工することも出来ますが、通常はコンクリート下地の上に1~2センチ厚で施工します。

下地作りがきちんと出来るかどうかで出来映えが大きく左右されます。仕上げ材を平らに塗りつけることよりもむしろ下地をちゃんと作ることの方が難しいとも言えます。車庫などの土間コンクリートが腕のあるプロによって準備されているとすれば、樹脂砂利はその上に塗るだけですから簡単です。

下地のコンクリートがあるとするならばまずはキレイに洗浄してください。打って間もない土間なら表面のホコリを払うだけで構いませんが、古い土間なら洗浄に時間を掛けてください。水洗いしなければならないレベルの汚れでしたらこの日の仕上げは諦めて水洗いに専念してください。下地が濡れていると樹脂接着工法は行えませんので、十分下地が乾燥してから後日仕上げをすることになります。

下地がきれいになり十分に乾燥していたらまずプライマーを塗ります。これは下地と接着砂利をなじませ強固に貼り付けるための作業です。プライマーは別に用意されているものもあるし練り混ぜに使う樹脂の一部を取り出して使うタイプもあり、メーカーによって違いますし、プライマーを必要としないものもあります。

作業はスピーディーに行わなければなりません。できれば一人助手がいたほうが良いでしょう。施工する広さにもよりますが5平米以上あったらまず素人が一人では無理だと思います。

プライマーを塗っている間に材料を練り合わせます。樹脂は2液性の場合と1液性の場合がありこれもメーカーによって違います。どちらがよいかは私には解りませんがそれぞれに言い分はあるようです。私は試しに使ってみた1液性がたまたまハズレだったせいもあり2液性を愛用しています。A,Bを一緒にして缶の中でよく混ぜ合わせたら砂利と混ぜ合わせます。砂利は十分に乾燥した専用の砂利を使用してください。濡れた砂利を使うと失敗します。完全乾燥の砂利は普通の砂利よりも当然高いですが、これは絶対ケチってはいけません。

どろどろの樹脂とさらさらの砂利を混ぜ合わせて均一にベタベタな材料にするわけですが、左官用の舟で練っても良いですし深くて大きなバケツに入れて攪拌機で混ぜても良いですが、要は手早く均一に材料を作るということです。じきに硬化が始まるので時間が経てば経つほど塗りにくくなります。

プライマーを塗った下地の上に材料を乗せてコテで素早く塗りつければ完了です。滑り止めしたい場合には5号程度の珪砂を樹脂が乾かないうちに撒いておきます。樹脂は他のものに付くと取れないので十分養生をしておいてから作業に掛かってください。使った道具はシンナーとボロ布でよく洗っておかないと次に使えなくなります。シンナーの種類は使う材料によって違うのでメーカーに問い合わせてください。私がよく使っている2液性の樹脂接着ですと翌日にはもう乗れますので一晩だけ夜露や雨を養生すれば大丈夫です。

この材料がどこで購入できるかはネットで調べてみてください。ホームセンターでもあるかもしれませんが知りません。
シンナーを扱うことになるので気分が悪くならないよう気を付けてください。夏場に大面積となると我々でも吐いたりしてしまいます。また、樹脂は人によってはかぶれたりしますので事前に準備や調査が必要ですね。

やってみせれば簡単なことなんですが口で説明するのは面倒です。理解して頂けましたかねぇ、、、。

言い忘れましたが樹脂接着砂利の施工の後雨に降られるとえらいことになりますので夜露や雨の養生は十分に行ってください。というか降りそうなときは施工しないのが無難です。下地も完全乾燥が条件ですから最低4日は晴天が続かないと施工は出来ません。

Q011:煙草の匂い除けの植木を探してこのHPにたどり着きました

投稿日:2003/06/29(Sun)

Q:11   煙草の匂い除けの植木を探してこのHPにたどり着きました。
お隣(新築)の換気扇がうちに面しており、頻繁に煙草の匂いが漂ってきます(家は夏場はだいたい窓を開けています)。
 匂いを除けるために植木を植えようと思っておりますが、どのようなものが適していますでしょうか?
 場所は裏庭で狭く、日当たりはあまりよくありません。
アドバイス頂ければ幸いです。

A:私も喫煙しますので耳の痛い話ですが、「匂い除けの木」というのは思いつきません。想像するに葉が細かくてフィルター効果があるような木が良いのでしょうからやはりヒバ類などの針葉樹でしょうか?冗談っぽいですがニオイヒバなんてのがあります。葉をちぎると良い香りがするのですが、日本では古くから手洗い近くに植えていたと聞いたことがありますが真意の程はわかりません。日陰でも大丈夫ですが換気扇の高さまである木となると葉張りも大きく邪魔にはなるでしょうね。フェンスのようなものを上斜め向きに取り付けて排気を空に逃がすというのはどうでしょう?

あと思いついたんですけど、エアーカーテンってのはどうでしょうか?普通は上から下に送風するのですが、もしかしたら下から上に吹き上げられるのもあるかもしれないな なんて勝手に想像しています。それなら幅も取らないし目に見えないカーテンですから目障りにもならないかも、、、。

Q010:下がコンクリートで水が抜けなくて、根腐れ起こして枯れないかが心配です

投稿日:2003/05/11(Sun)

Q:10-1   札幌市に住む者です。造園について独学でいろいろ学んでいる造園愛好家です。植栽の施工方法についていろいろ捜しているうちに貴ホームページに巡り会いました。多彩な情報を親切に提供されているのには驚きと共に嬉しいかぎりです。
  さて、質問なのですが、マンションの植木マス(幅1m、長さ8m、深さ80cm、マスはベランダの外部にあり雨露がまともに浴びる場所です)に植栽をしたいと思っています。
 植える予定の樹木は自然形のオンコ(高さ1m) 、ヤマツツジ(高さ50cm) 、サツキの寄植え(高さ20センチを幅2メートル位) 、ナツツバキ(高さ1.5メートル)。
このマンションは建ってから5年になるのですが当初植えられていた紅葉やサツキはことごとく枯れています。
 土に問題があると思って下まで掘ったところ黒土が40cm程あり、その下が砕石が転圧された状態で入っていて、さらにその下がコンクリートのベースでした。また、このコンクリートマスには水の抜け穴がありません。
  それで私が考えた事は古土、砕石を全部出して下40cmを礫の層にし、その上40cmを黒土にしてみるのはどうかと考えました。
ただ、下がコンクリートで水が抜けないので水がどんどん溜まり、やがて根腐れ起こして枯れないかが心配です。
  質問の第1点は私が心配している根腐れは生じる恐れがあるでしょうか。それとも私がしようとしている方法でも良いでしょうか。
  また、本には暗渠を設けると良いとか書いてありますが、この場合そこまで必要でしょうか。さらに、また別の何か良い方法があるでしょうか。
  第二点は用いる土です。黒土だけを用いる予定なのですが本によると腐葉土、ピートモス、堆肥などを混入すると良いと書いてあります。
ただ、植付けの際そのようなものを下手に混入すると根やけなどの害が生じて枯らしてしまうこともあると聞いたこともあります。ただできるだけ良い土に植えたいと思ういますが、何が安心して使える良い物で、何が必要なのか良く分かりません。実際、黒土だけでよろしいものでしょうか、それともこれだけは入れておいたものが良いという物があるでしょうか。
 上記の2点について教えていただけないでしょうか。日々本業を果たしながら、さらに余分の労を果たされお忙しい事と察します。もし可能でしたら、アドバイスいただければ幸いです。

A:深さ80㎝のうちの土が半分、砕石層が半分、、、、まあ植物がぎりぎり生きていける環境ではあるかもしれません。ただ、底が抜けていないというのは大きな問題です。停滞した水が腐ったりするでしょうし、新しい酸素が供給されにくいからです。
根には水と同じくらい酸素も必要です。通常水が根の間を通り抜けたところに新しい酸素が入り込むわけですから根の下の地面は抜けていなくてはなりません。植木鉢に穴が空いているのと同じです。

お話しではマスの底は抜かずに土を入れ替えるおつもりのようですから一つ提案をいたします。底の部分は単なる礫ではなく「ホワイトローム(黒曜石パーライト:東邦レオ㈱)」を敷き詰めて、その層に密着させる形で「DOパイプ(酸素管:東邦レオ)」を数カ所に立ち上げてください。これで土中の通気性が確保され、根腐れ予防になります。

用土は黒土単用ではなくA・Gロック(硬質流紋岩発泡物:東邦レオ)を20%程度混ぜると保水性と透水性を同時に改善できます。
ピートモスは酸性が強いので植える植物によっては向かないことがありますがサツキなら入れても良いでしょう。腐葉土も黒土の透水性、保水性を補う意味で混入しても構いませんが有機質は虫を呼ぶことも考慮して使った方がよいでしょう。畑ならいざ知らずマンションとなれば隣人等にも配慮が必要かもしれませんから。黒土にA・Gロックを混ぜるだけで充分だと私は思います。底が抜けていないということを考えるとたい肥なども入れない方が無難だと思います。植栽マス内の酸素が有機質の分解のために使われると植物の酸素取り分が減るような気がするのです。

以上「東邦レオ(株)」の宣伝みたいになってしまいましたが、私の経験上ここは結構「優れもの」を扱っていますよ。弊社ではほとんどの植栽工事で上記の土壌改良材を使用しています。HPもあると思いますから探ってみてはいかがでしょう。

 

Q:10-2    先日は具体的な施工方法について教えていただきありがとうございました。植栽において排水の大切さを思い知らされ、早速東邦レオのホームページから必要な資材について情報を得てこれから実際にやってみたいと思います。
  また、充実したホームページを維持するために心身両面で多大なご苦労があることも知る事ができました。造園関係のホームページで木下様のような理論と技術面で信頼の置ける充実したものはなかなか他にはないと感じますので私のような造園愛好家のような者のためにもどうぞこれからも充実した情報を提供してくださるようお願い致します。

  ところで、先日の質問に加えてさらに質問させていただきたいと思います。教えていただいたことに従って、これからホワイトロームの層を下に20cm程敷き詰めてDCパイプを立ち上げる事によって通気性を確保したいと思うのですが、

  1.ホワイトロームの層に当然水が溜まると思いますが、その水もこのDCパイプを通して自然に蒸発などの形で排出されるのでしょうか。それとも定期的にポンプのようなものでくみ出す必要があるのでしょうか。

  2.また、この施工法においてこの点だけは注意しなくてはならないというキーポイントがあるでしょうか。

  3.さらに、施工後にこのパイプを管理する面で必要な事があるでしょうか。

  度重なる質問でお手数をお掛けしますが教えていただければ嬉しく思います。

A:1.停滞している水でも蒸発と毛管現象により排出されます。

2.DOパイプは下部がホワイトローム層に埋まっていて、上部が地面より少し出ていなくては意味がありません。そして地上部の先端には別売りのキャップ(プラスチックの植木鉢のような形状、黒色)をかぶせて排出口を確保することが重要です。

3.特にメンテナンスは必要ありませんが前述の排出口を塞がないように気を付けることくらいでしょうか。

東邦レオに資料請求してカタログをいただくと良いですよ。「緑の仕事」というカタログですが、土壌改良材の具体的な使用法や衰弱した木の治療法などが書かれていて、あなたのような熱心な方には役に立つと思います。成功を祈ります