投稿日:2012/09/24(Mon)
Q:先日、庭をみていて気づいたのですが、シュウメイギクが毎年枯れていく場所を掘り起こしてみると、根っこが白いカビのようなもので覆われていました。白絹病か白紋羽病のようです。
感染範囲は畳一枚分程の広さです。取り残しの汚染根っこはあるかもしれませんが、感染株と30cmの深さの土をできる限り取り除いて、ベンレートの1000倍液をまきました。
感染土壌の1m先に木がありますので、そちらのほうに感染してしまうと厄介なことになりそうで心配です。
家のものにきくとそのあたりの土は使い古しの植木鉢の土を地にまいたみたいでそれがひとつの原因かもと思いました。
(水はけの悪そうな土のようです)
一度発生すると、同一場所で発生が続くみたいなので、どうすればよいでしょうか。
何かよい対処法、薬剤等がございましたらアドバイスいただけますでしょうか。
それとその場所は水はけが悪いので50cmの深さで耕して、ネニサンソと燻炭をいれて土壌改良したかったのですがやめたほうがいいですかね。有機物はやはり、発生原因になりそうなので。宜しくお願いいたします。
A:白絹病と白紋羽病の見分けは難しいのですが、ベンレートには白絹病の適応がありますので処置は間違えではないと思います。30センチの深さの土を除去したのも正解です。これらの菌は酸素がないと生きられないので5㎝以上下には居ませんが、根っこの取り残しがあれば繁殖しますのでこの処置も正解だと思います。
その他の対処法としては、キノコ菌を食べるトリコデルマ菌を投入するという方法があります。この菌を取り寄せても良いですが、そこまでしなくても木酢液を撒くとトリコデルマ菌を残して他の菌をやっつけてくれるので手軽です。
ただし、トリコデルマ菌はその性質上キノコ栽培には弊害をもたらしますので周囲の環境に応じて検討が必要です。
その他、リン酸石膏と炭を撒くのも効果的です。
ネニサンソと燻炭をいれて土壌改良することには何の問題もありません。有機質の扱いでは無いと思います。堆肥や腐葉土は使わない方が良いでしょうが。
ただし水はけの問題は50センチより下層に原因があるのかもしれないので、この対処によって解決するかどうかは定かではありません。
投稿日:2012/08/31(Fri)
Q:実のつく木の肥料は灰でもいいと何かで読んだのですが、籾殻くんたんでもいいんですか。
野焼きとかも、土に栄養を与えるのが目的でおこなっているのかなともふとおもいました。
A:「籾殻くん炭」は有効だと思います。
ただ、肥料と言うより土壌改良材として認識なさった方が良いかと思います。
水はけや通気性の改善、菌根菌を増やす、酸性土壌を中和、病気にかかりにくくする、などなど様々な効用があります。
肥料分(リン酸やカリほか)が無いわけではありませんが、肥料は別に補った方が良いでしょう。
投稿日:2012/08/28(Tue)
Q:1.モチノキ(幹直径30cm)の内部に「うろ」ができているようで、剪定して枯れた太い枝からアリが出てきたのですが、どう対処すればよろしいでしょうか。
アリ退治にはスミチオン1000倍に希釈したものがよいと思い、ペットボトルにいれて流しこもうと考えているのですが、どうでしょうか。
2.「うろ」についてですが、剪定(葉と枝)と同時に根っこも切断して上下のバランスを整えないとできるということを耳にしました。
休眠期ではないときにモミジやモチノキの根切りしても大丈夫でしょうか。モミジは盆前に毎年葉刈りして、モチノキは年に2回剪定しています。
A:まず1.についてお答えします。
アリ自体は木を枯らす原因ではありませんのでアリ退治に執着する必要は無いのですが、心情的には理解出来ますので助言いたします。
スミチオンにはアリに対する適用が表示されていませんので厳密に言うとアリ専用の例えばアリアトールとかを使用した方が正しいでしょう。ただし、経験上から申し上げるとスミチオンなどでも使えないことはありません。
でも1000倍の薬液を穴から流し込んでも全部のアリに薬液がかかる確率は低いので、もっと濃いめにして(私なら100倍くらいにして)流し込み、パテや粘土で穴にフタをして内部にガスを充満させた方が行き渡ります。流し込む穴より上部の幹にも穴があれば塞ぎ、下部から薬液が流れ出る部分があればそこもフタをします。シンクイムシなどはこのような方法で退治します。
あくまでもアリを退治する必要があるならばの話ですし、教科書的な答えではありません。
2.について
うろは上と下のバランスを整えないとできるという説は聞いたことがありませんし、経験的にも納得しがたい話です。
うろが出来る原因は前述のシンクイムシなどが元になることもありますが、多くの場合は枝折れや剪定によって生じた傷から木材腐朽菌が入り込むことによって発生します。根を切らないとうろが出来るというのは間違っていると思います。
うろを作りたくなければ木を自由に健全に生かしてあげればよいのですが、住宅事情などからして伸ばし放題というわけにも行きませんのでやむなく剪定するわけですが、正しい時期に正しい位置で木に負担を掛けない剪定を心がけたいものです。
(コジット論参照)
剪定されたがっている木なんて恐らくいませんし、根っこを切って欲しいと思っている木も居ません。特に夏場から秋にかけては木はたくさん光合成をして来年の発芽の為の養分を生成し蓄積したい時期ですから根も葉も失いたくないはずです。
(まあ人間はそれを逆手にとって木をいじめることで木の生長を抑制し我が庭にとどめておこうとするわけで、そのお陰で我々植木屋が食っていけるわけですが、、、。)
で、お答えとしては
うろ対策のために根を切る必要性は無いし、時期が悪くあまりにも木がかわいそうなので根を切るのはやめておきましょう。
必要があるときに、木と折り合いを付けながら剪定も根切りもさせてもらいましょう。
移植に備えるときや、細根を増やして肥料分を吸収させたいとき、木をコンパクトに保ちたいときなどに休眠期が終わる直前を狙って根切りはしてください。
投稿日:2012/09/22(Sat)
Q:一週間前に庭のジューンベリーを自分で移植しました。
移植時に2本株立を1本にしましたが、葉を落とす様な処置はしませんでした。
3日後くらいから葉が黄変し始め、全体が黄色くなったので遅れ馳せながら本日、葉を落としました。
これから更にやれる処置はあるでしょうか?
A:木が自分から葉っぱを落とすようならたぶん活着します。
移植を失敗して枯れるときは、葉がしおれて付いたままの状態から枯れるものです。
葉が自然に落ちるということは秋の落葉と同じで、次の芽を準備して先代の葉を落としているということですからまず大丈夫と思ってください。
移植するときは切った根っこの分と釣り合うだけの枝葉を剪定しなさい と教本には書いてあることが多いですが、どの位落とせばいいかなんて素人には(というか人間には)分かりっこありません。やみくもに剪定せず植え替えた直後の植物の様子をよく見て、しおれてきた葉っぱがあったらむしってやってください。(ただし葉柄の元にある小さな芽を欠かないように。)自力で落とし始めている葉をわざわざ人間がむしり取る必要はありません。
木は自分で考えて、必要なら残すし不要なら落とすでしょう。
これからの処置としては、、、
根付くまでは肥料は与えない方が良いです。
あと、画像を見ると支柱が心許ないので改善できればしてください。移植でも新規植え付けでも一番大事なのは「支柱」です。どんなに元気な木でも風で木が揺れてせっかく伸び始めた根っこが切られてしまえばなかなか成長出来ません。
投稿日:2011/06/16(Thu)
Q:小さな庭に2m位の枝垂桜がありまして、春にはきれいに咲いていましたが、隣家に伸びた枝に毛虫が出るということで、業者へ剪定を依頼しました。ところが、外注の方(植木屋さんではないとのことでした)が、丸刈り状態にしてしまい画像のような状態になってしまいました。
新芽が芽吹いてきているとのことですが、来春もきれいに花をつけてくれるでしょうか?
また、なにか処置をした方が良いのでしょうか?
A:お話しの様子から想像するに、新芽が吹いてきているなら枯れ死してしまうことはないと思いますが、「きれいに」咲くのは難しいでしょう。まったく咲かないということも無いですが。
処置すべきことは、、、太い枝を切ったのならば切り口から腐朽菌が入らないよう癒合材などの塗布が必要ですが、もう日が経っているようですから今となっては無意味(手遅れ)ですね。木の回復力に望みをつなぐしかありません。
そもそも枝垂れ系の木はウメにしろサクラにしろ広い場所を必要としますから、高さ2Mですでにお隣に侵入してしまうようなら植え場所を変えるか植えること自体をあきらめた方が良いと私は思います。
高さも枝張りもこれからもっと大きくなる木ですし、また大きく育てなければ枝垂れ系本来の美しい花の咲き方は実現できません。
もし移植するなら葉の無い時期(2月が適期)に。
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人の命を預かるような仕事ではないので、ハサミとノコギリをぶら下げれば誰でも「植木屋」になってしまいますが、腕を信頼できるかどうかのひとつの指針として「造園技能士」という国家資格を取得しているかどうかが判断のポイントです。
1級を持っていればまず間違いありませんが、2級でも大丈夫です。資格を持っていなくても腕の良い職人はたくさん居ますが、初めて頼む時はこれが確認できると安心ですよね。剪定技術だけで言えば「街路樹剪定士」の資格もちゃんと実技を経ていますから信頼できます。
似たような資格で「造園施工管理技士」という国家資格もありますが、こちらはペーパーテストだけですので剪定や造園の技術があるかどうかの指針にはなりません。(私の個人的な意見です。)造園に関する知識があることは確かですが。
言うまでもありませんが、依頼した会社に技能士が居ても実際の作業に当たってくれる人がそれを持っているかどうかが重要です。ただし資格を持っていなくても実務経験が2,3年あればあなたの写真のような仕事をする植木屋はまず居ないと思います。
投稿日:2012/06/04(Mon)
Q:当方では家の周囲が槇の生垣で、7月頃に剪定した大量の剪定葉を10年以上以前から腐葉土にして利用していましたが、2年ほど前から腐葉土内にシロアリが発生するようになりました。
シロアリ混在のまま庭土にすきこんでは住居に悪影響が出そうで心配です。発生しない方法と、発生してしまった腐葉土は破棄するしかないのか教えてください。
A:常緑樹の腐葉土は落葉樹に比べると完熟までに時間が掛かるので不向きです。作れないことはありませんが、今回のように積み置きの段階でシロアリが発生するのはとても深刻な問題です。
もともと家にシロアリを発生させない予防策の第一は「住宅の周辺の地面に木材を集積しない」ことですから、2年も前から腐葉土に発生が見られたとすれば、住宅への被害も疑うべきです。
その腐葉土を使うか使わないかより以前に、お宅のシロアリ被害を調査した方が良いのではないでしょうか?
シロアリ混在のまま庭土に鋤混むのはやめた方がよいです。発生させないためには積み置きしないこと、葉だけを使用して枝を除去すれば発生しにくいかもしれません。
投稿日:2011/05/01(Sun)
Q :当方は来シーズンの冬より、薪ストーブを使用する者です。
しかしながら薪の入手が困難なので、
貴社が伐採して処分する不用な広葉樹等がありましたら譲って頂けたらと連絡させていただきました。
もしございましたら当方独自でその場所まで取りに行きたいと思っています。誠に勝手ながらのメールで失礼いたします。
A:以前お庭をやらせて戴いたお客様がやはり薪ストーブをお使いで、
今年置ききれないほどの量の薪材を提供いたしました。
一応その方が先客なので薪材が発生したときはまずそちらに声を掛けますが、間に合っているということであればあなたにお知らせいたします。
別途メールを差し上げますので引き取り方法などをご相談しましょう。
薪ストーブは暖かさが全然違うそうですね。
投稿日:2010/11/26(Fri)
Q000:グランドカバーにおたふく南天を50本程度寄せ植えしております。今は真っ赤な紅葉を楽しませて頂いておりますが、
5、6年前に植えて一度も剪定しておりません。植えた当時は高さ30cm程度でしたが今では幹が50cmに伸びてその上に葉が付いている状態です。
これを植えた当時(30cm)程度に低くしたいのですが剪定の方法がわかりません。
幹を地面から15cm位のところで切り詰めてもよろしいのでしようか?
剪定の方法と時期やその後の管理方法をご教示ください。
また、切り取った枝は挿し木出来ると聞いたことが有りました。
挑戦してみたいと思っています。何かコツと言うかアドバイスがありましたら宜しくお願いします。
A:オタフクナンテンは本当に手が掛かりませんよね。とはいっても5、6年もすれば丈が高くなります。
剪定の方法は、普通の南天と基本的には同じです。背が高くなりすぎた幹は地際で切るか、下の方の脇枝に切り戻します。
下から数本生えている他の幹の状態によって、何本もあって茂っている場合は前者、本数が淋しい場合は後者を選択します。
幹を寸胴に葉や芽の無いところで切ることは絶対にしません。
健全な株ならば若い幹が何本もあるでしょうから、古株の幹は地際で切って更新した方が良いでしょう。幹の途中で切ると南天の持ち味である「あたまがふわっと」した感じが無くなってごつくなってしまいます。
若い幹が少なくて古株を無くしてしまうと淋しくなるようでしたら、揃えたい高さより低い位置まで切り戻しておきます。そうすればひと芽吹いて伸びてきた先端が輪郭に揃いますのでふわっとした感じを乱しません。
50株もあると1本1本の古くて高い幹をたぐって切り戻すのはかなり骨だと思いますが、成長の遅い樹種ほど丁寧な扱いが必要です。萌芽力の強い生垣を刈り込むような勢いで手を付けないことが肝要です。
また、何でもそうですが普段より強く切り戻したい作業は早春に行った方が木を傷めません。
これから寒さに向かい乾燥する今時期より、3月頃芽が吹き始める直前にしたほうが切り口が痛みにくく暖かさに向かうことでダメージを軽減できます。年末に向けてお庭をさっぱりしたい気持ちは十分理解できますが、人間の都合でなく木の都合を代弁させてもらうとそういうことになります。
挿し木は比較的簡単ですが、時期的には「暖かさに向かう時」つまり2~4月頃が良いでしょう。
投稿日:2010/08/04(Wed)
Q:昨年4月に一目惚れした、かつらの木を植えました。
南側で一日中陽が当たっているところです。
去年は朝晩水やりをするようにしましたが、暑かった為か3本中(株立ち)一本の木の葉が秋でも無いのに、黄色く変色して、かなり焦りました。
それでも今年の春、元気に綺麗な葉を出してくれたので安心していたのですが、ここに来て下の方の葉の先端が赤く変色しているもの、葉の先端だけ枯れているものがでてきました。
水やりは、夕立がある時は次の日の夕方に、夕立が無い日は夕方するようにしています。
水不足、照り返しが原因かもと思い、移植も考えました。しかし我が家の庭は一日中日が当たっているような所しかありません。建物から離せば、少しは良いのでしょうか?
なんとか、少しでも元気に出来る可能性がありましたら、よろしくお願いします。
A:変色が植えて初めての夏だけであれば、環境の変化でカツラが疲れてしまった為とも考えられますが、2年連続で変色、枝先の枯れが出ている様子なので、物理的な問題が生じていると思います。
おっしゃる通り、水渇れや日照が1番に考えられます。
カツラは本来、肥沃で湿潤性のある土地を好みます。
(ちなみに、湿り気を好むと言っても、水が停滞しているような土地はどんな樹木も根腐れしてしまいます。)
まずは水遣りについての問題点をクリアーしてみて下さい。コメントに夕立のある時は散水は次の日にとありますが、散水の量は十分あげられているのかどうか心配です。
急激な降雨は意外と土中にはたいしてしみ込まず、表面を流れていく事が多いので、降り続く時間の考慮も大切です。
ダッと降ってサッとあがるような夕立でしたら、木にとっての水遣りには不十分です。
乾いた土は、私たちが想像する以上に水を吸収(保持)しますから、一度今まで通りの水遣りをしてみて、根のない部分の土を掘ってみることをお勧めします。掘ってみたら表面の5~10㎝程度しかぬれておらず、その下の土は乾燥した状態のままという事が確認できたりします。
想像して頂きたいのです、木は地面を境に対照が理想です。
地上部の幹、枝、葉。それと同様、地中に根を張りたいのだと・・・。
植えて1年の木ですから、現在はさほど根は伸びて無いでしょうが、はたして1年で伸びた根の先まで水が届いているでしょうか?
水が届いていないから枝先が枯れているかも知れません。
表面部分にしか水が無い状態だと上部の根だけが発達して、活動が少ない下部の根を木自身が不必要と見なし、枯らしたりします。
すると、その根と対照の枝も枯れます。
そういう状態の木は、地植えなのにチョットした乾燥にも弱く、風によって倒れてしまう事になります。
以上の事を考えると、ゆっくりチョロチョロ、時間をかけて少量の水(表面を流れない程度)をあげるのが理想です。
でも、植えたばかりの木では無いので、毎日あげる必要はありません。
いつでも水がある状態だと、木も横着して根を伸ばしません。
あげるときにはタップリ、でもあげない日もある・・・すると、木は自分で水を探しに根を伸ばしていきます。(肥料も同様で、少なめの肥料を根の先端より更に少し先の方にあげると肥料を求めて根を伸ばします。)
根がしっかり張れれば、地上部もきっと元気になるでしょう。
長くなりましたが、ご理解頂けましたでしょうか?
カツラが元気になって、秋には甘い香りでお出迎えしてくれることを願っています。
投稿日:2010/03/13(Sat)
Q:自宅にあるフジが日当たりが悪く、また通り道で邪魔にされ、毎年伸びてくると枝を切られてしまい大きくなれずにいます。
なので今度思い切って植え替えようと思っています。
色々調べていくと「フジは移植が難しい」とか「追い堀りで根を切らないように」と書いているのですが、実際の方法が分からないのです。
どういう風に掘っていくといいのでしょうか?何かこつがあれば教えてください。ちなみに、大きさは17cm(根元直径)位でした。
A:とにかく根気よくたぐっていくしかありません。
普通のお庭ですと色々な障害物もありますのでそれらを避けながらですから大仕事になるでしょう。
ひたすら根の伸びている方向へ掘り進めるしかありません。
これ以上先は無理と思ったらそこで切るしかありません。
あとは木の生命力を信じて任せるしかありません。
掘り上げた根は乾燥させないようにして早めに定植してください。
植え込みの際にメネデールやHB101などの活力剤を一緒に潅水すると良いでしょう。