Q052:ヒイラギにオルトラン水和剤を散布したが、去年辺りから効かなくなった

投稿日:2009/05/08(Fri)

Q:52   数年前にヒイラギの若葉に虫がつき植木屋さんに聞いたところはもぐりばえではないかと言われ浸透移行性の薬剤(オルトラン水和剤)を散布しました。
 初めのうちは効果があったのですが去年あたりから効かなくなってしまいました。
 今は、葉の裏側の薄皮の中に黄色い5mm位の幼虫がいっぱいつき葉が枯れ落ちてしまいました。

 薬剤も毎年同じ物を使用しているとだんだん効果がなくなると聞きます。
 効果のある薬剤がありましたら教えて頂きたく思います。

A:私が思うにはハモグリバエではなくテントウミノハムシではないでしょうか?サイトで検索して幼虫の形状などを比べてみてください。

スミチオンでも効くという話もありますが、やはり浸透移行性のオルトランが良いだろうと私も思いますが、おっしゃるように敵に抵抗力が付いてきたとも考えられるので「モスピラン液剤」を使ったらいかがでしょうか?効能書きには「アブラムシをはじめケムシ類まで幅広く退治し、しかも効果は約2週間持続し、予防薬としても使用できる浸透移行性の殺虫剤です。従来とは全く異なる殺虫作用で抵抗性のついた害虫にもすぐれた効果を発揮します。」とうたってあります。

Q051:ここ数年、万年青がスリップスにやられ放題

投稿日:2009/03/28(Sat)

Q:51   ここ数年、横浜の実家に地植している万年青がスリップスにやられ放題。でも他の虫達のことを考えると、なるべく農薬は使いたくないし・・・とボチボチ押さえ続けてきたのですが、

そういえば今の時期に(スリップスが、ちゃっかり群生している)新芽が伸びてくる部分にセルコートをぶっかければ、アブラムシにかけるのと同じような効果が期待できるかも、と思いつきました。期待できるでしょうか。

A:スリップス(別名:アザミウマ)ももう出ていますか?早いですね。夏の虫のイメージですが。
「セルコート」や「粘着くん」などは確かに有用昆虫や人体に影響が少ないので安心して使えますが、スリップスに効果があるかどうかはわかりません。少なくとも適用表示はされていません。

もちろんスリップスに直接確実に掛けることができれば効果はあるはずですが、花の中や葉の付け根などの見つけにくい場所にいる虫ですからアブラムシのように簡単にはいかないでしょうね。薬剤を使う場合でもこういう薬の掛かりにくい吸汁性の虫には浸透移行性の薬剤を用いますから。
でもokudaさんのようにアザミウマが潜んでいる場所を理解してその虫自体に確実に掛けようという意識でやれば良い結果が得られるような気がします。
ぜひチャレンジして逆に結果を教えてくださいな。(ちょっと”ムシがいい”か?)

Q050:イヌマキの新芽が委縮しているのに気付きました

投稿日:2008/11/16(Sun)

Q:50   仕立てたイヌマキの剪定を毎年6月頃と11月頃に行っていますが、11月剪定時に6月剪定後の新芽が萎縮しているのに気付きました。
すす病は発生していますがアブラムシのせいでしょうか、それとも土壌成分でしょうか。若干樹勢も良くないようです。

A:最近は温暖化のせいかアブラムシが春先以外でも通年見られるようになりました。新芽が萎縮するのはその影響が大だと思います。
樹液を吸われてもダメージを受けにくくするために油粕を主体とした寒肥を1~2月に施してください。

Q049:松の葉がすかっり赤茶けてしまい、枯れてしまったかに見えます

投稿日:2008/08/28(Thu)

Q:49   実家のビルの屋上に、今年80になる父の祖父の時代から育ててきた松の植木が何鉢かあります。

 先々週のお盆の前後、父が体調を崩してしまい、1週間以上水遣りができなかったためか、葉がすっかり赤茶けてしまい、枯れてしまったかに見えます。

これまで病気をおして育ててきた父も、もうこれは無理だろうといって、処分せざるをえないと言っています。

 私は植木はまったくの素人です。ただ、葉っぱは赤茶けているものの触ってもぱらぱら落ちないし、幹もぱきぱきと折れてしまう状況ではないので、なんとか持ち直してもらえるのではないかと希望を持っているのですが。

 葉は落ちなくても、やはり父の言うように枯れてしまっているのでしょうか。もしくは、水浸しにするなどで助ける手はあるのでしょうか。何十年も生きてきた松に申し訳なく思います。

A:植物というのは「沈黙の臓器=肝臓」のようにぎりぎりまで耐え抜いて限界が来てから症状を現すような所があって、目に見えて衰弱がわかるような段階ではもう手遅れという場合が多いのです。
たぶんその赤茶けたマツの復活は難しいと思います。今はまだ水気があるように思えるでしょうが、それはマツの樹液がヤニで満たされているため症状の見え方がワンテンポ遅れているだけなのです。他の木に比べてヤニ質の針葉樹は切り取られてから枯れるまでの時間が長いのです。根のないクリスマスツリーしかり正月の松飾りしかり、、、。

一万分の1の望みがあるとしたら地に下ろしてやるのが一番早いかもしれません。鉢ごと水につけたあとの話ですが、鉢から外して地面に直接植え替える。地面が無いなら大きめの箱などに清潔な用土を入れて(なるべく鉢植えの土に近いもの)植え替えてください。
もはや水や養分を吸収する力も弱っていると思いますので肥料は入れません。で、近くに松林はありますか?何年も松の枯葉が堆積しているような場所からその古い松葉に付いている白い菌糸状のものを持ってきて欲しいのです。そこには松の「菌根菌」がいるはずです。他の木の枯葉では駄目です。
「ヒトにはヒトの乳酸菌」なんていうコマーシャルがありますが「松には松の菌根菌」でなければ駄目らしいです。細かいことは興味がおありならまた説明しますが、とにかくこの「菌根菌」が枯れそうな松を救う最後の手段かもしれません。

地に下ろした根鉢の上に菌根菌付きの松の古葉を敷いてたっぷりの水を遣ってください。半日くらい浸けておくくらいでも構いません。「松は水を嫌う」などと言う人もいますが弱っている松にはたっぷりの水が効果的です。(庭木の場合もそうです。)

たぶんあなたのその松は手遅れですが、ワラにもすがる思いならお試しを。

Q048:昨年植えた株立ち(寄せ植え)のヤマボウシの元気がありません

投稿日:2008/07/01(Tue)

Q:48-1   昨年植えた株立ち(寄せ植え)のヤマボウシの元気がありません。黄色に変色した葉っぱがちらほら見えて、枯れ枝も増えたように感じます。花も咲きませんでした。
 最近木の側に立って感じたのですが、植えた場所が風の通り道になっていて他はあまり風が吹いていなくても、そこだけ風が強いのです。関係あるでしょうか?また何か風対策はあるでしょうか?
 他に気になる点としては去年はアブラムシが大発生し、今年も発生していたのでオルトランを撒きました。

A:黄変した葉に黒い斑点があれば「炭疽病」の可能性があります。ベンレートなどでの殺菌が必要です。アブラムシが大量に出ていたとすれば「スス病」も発生している可能性がありますのでこれにもベンレートが効きます。(ただし病気の拡大を防ぐだけで、病斑が取れるわけではありません。)アブラムシはいろいろな病気を伝搬しますのであなどれません。オルトランは散布したのでしょうか?それとも粒剤を地面に撒いたのでしょうか?草花などの鉢植え程度なら顆粒を地面に撒いて木に吸わせる方法でも効果がありますが、庭木サイズになるとこの方法では間に合いません。水和剤を散布した方が良いです。

風が成長に与える影響としては、新芽が出る時期に強風にあおられて新芽が痛んで枯れたり、小枝が折れて枯れたりと言うことはありますが、木全体が枯れてしまうほど木はヤワではないはずです。

支柱はちゃんと掛けてありますか?通常は竹3本と根杭を八つ掛けという形に掛けて木を支えたり、鳥居型の丸太で街路樹のような支柱を立てたりします。株立ちと言うことでしたら普通は前者を使うでしょう。
支柱は植えたばかりの木には必ず据えなくてはいけません。株立ちの美しい幹立ちを阻害したりして見栄えは良いとは言えませんが、根付くまでは我慢してください。支柱がしてあるならばちょっと揺すってみてください。ぐらつくようでは支柱の意味がありません。飾りではありませんので。

想像してみてください。植え付けられたとき木の根は根巻材に包まれています。数ヶ月経つと根巻きを突き破って新しい小さな根っこが庭の土の方へ伸びてきます。新しい土に根を差し込んだとたんに木が風で揺らされたらその若い根はプチッと切れてしまいますよね。新しい根を出すたびに揺らされて根が切られていてはいつまでたっても根が張れません。それを助けるために支柱をするわけです。少なくとも2年間くらいは掛けておきたいものです。

花が咲かないことは今はあまり気にしないでください。移植によって根を切られてそこへ運ばれてきたわけですから、木にとっては今は一生懸命根を張ってその地に根付くことが優先課題です。根が勢いよく伸びているときは花は付きにくいものです。若木に花が咲かないのもそういう理由です。成長が優先されているときは花はあまり咲きません。年をとって木が充実してくれば次のこと(つまり花を咲かせて実を付けて次代を残す)に移行してきます。人生と同じようなものです。

今は根鉢が揺らされないよう風に負けない支柱をチェックして、木が根付くことを助けてあげてください。風の抵抗を軽減するために枝葉を抜きたいところですが、葉数を減らすと逆効果ですので強い剪定はせず樹勢を付けることが先決です。

一つの葉っぱには1本の根が繋がっています。漠然とたくさんの根がたくさんの葉の面倒を見ているのではなく、1対1の関係です。1枚の葉が落ちるということはそれに対応する1本の小さな根がダメになったという事になります。もちろん病気や害虫によって葉がやられることもありますが、目に見えない地中に目を向けてやることが木を育てる上でとても大事なことです。「深植えされて根が酸欠で苦しんでいないだろうか」「揺らされて新しい根が切れていないだろうか」「根が伸びる十分なスペースが地中にあるだろうか」「水は根の底の部分にまでちゃんと行き渡っているだろうか」などなど。

地上部の病害虫などは見ればすぐ対応も出来ますが、地中の問題は見えないだけに文字通り”根が深い”。トラブルの多くは根っこに問題がある場合がほとんどなんです。

 

Q:48-2   まるで家の庭を見て回答頂いている様に的を突いていてびっくりです。

①オルトラン
 ご指摘のとおり粒剤を撒いただけです。
それでも一応木の下半分のアブラムシはいなくなりました。
 上半分は家のキンチョールを吹いたところ一時は居なくなりましたが、また少しつき始めているようです。
 木のすぐ側に菜園があるので、薬の散布は少し気が引けます。

②支柱
ご指摘のとおり支柱はしていませんでした。
 自分で出来るか心配ですが、とりあえずやってみます。
 株は7本あるので、全部固定できなくてもいいのでしょうか?

A:①薬剤の散布がお嫌でしたらアルミホイルなどを枝間にぶら下げて反射光を嫌うアブラムシを減らすことも出来ます。また、テントウムシが増えてくれればアブラムシを捕食してくれるでしょう。

②素人の方がご自分でなさるのは無理だと思います。プロでさえも結構いい加減な「効かない支柱」をする人もいます。目的を意識して仕事してくれる植木屋さんに依頼してください。支柱の竹を刺す地面が狭い場合は鳥居型やワイヤーで3方から引っ張る方法などもあります。株立ちの場合は2本程度の太い幹を対象に支柱すれば大丈夫です。全部固定する必要はありません。

その他の対処法としては樹勢を回復するために活力剤をあげたり、マニアックなところでは菌根菌を撒くなどの方法もあります。

Q047:桃の一部の葉がくちゅくちゅっとしわがよって落ちてきます

投稿日:2008/06/07(Sat)

Q:47   ほうき桃の葉が青々と茂ってきたのですが。一部の葉がくちゅくちゅっとしわがよって落ちてきます。
 何かの病気だとは思いますが、何の薬を散布すれば良いのか、教えてください。

A:桃の葉がくちゅくちゅになるのはふたつの原因が考えられます。縮んだ葉を無理矢理こじあけて中に小さい虫が発見できればアブラムシが虫こぶ(ちゅうえい)を作っていると考えられますのでオルトランなどの殺虫剤で対応します。
ご質問では縮れた葉が落ちると書いてありますので「縮葉病」の可能性が高いです。縮葉病は早い時期の対応が必要なので今の時期ではほとんどの殺菌剤は効き目がないと思います。病気に冒された葉を取って処分するしかありません。気温が高くなってくると次第におさまってきます。「縮葉病」の対応策としては2月頃に石灰硫黄合剤を幹にまんべんなく散布しておくことでかなり防げます。

Q046:山茶花の幼葉全部に小さな斑点模様が目立ちます

投稿日:2008/05/05(Mon)

Q:46   山茶花の垣根に新芽が伸びてきています。
その40本の内の1本の幼葉全部に小さな斑点模様が目立ちます。(斑が入ったように見えます。そうでない木とは明らかに違いがあります)
その他、去年の葉が斑模様にうす茶色になりパラパラと落ちる木も何本かあります。(部分的に)
 幼葉の斑点が病気であるとすればやがてパラパラと落ちてしまうのでしょうか。
 新芽に斑点がある木だけではなく他のほとんどの木に見られます。部分的に枯れて葉のないところがあります。2週間位前からみの虫を300匹程つぶしました。
 近所にレッドロビンの生垣の家が4~5軒ありますが、もはや全滅状態ですので、我が家の山茶花も、もしやと案じています。
 以前の家の山茶花を挿し木で育て 17年前今の家に植えたものでとても愛着のある垣根で毎年きれいな花を咲かせてくれています。 

(1枚目)これが落葉前の古葉(奥の方の葉)です。触れるとパラパラ落ちます。

(2枚目)20cm程伸びている新芽の全部に斑点があります。(1本の木のみ他の数十本には見られない)
 枯れているようではなく色素がうすい感じです。

A:古葉に関して言えば、ほとんどの常緑樹は新芽が固まり出すと古葉は役目を終えて落葉します。世代交代ですから心配することは無いのですが・・・。

2枚目はどうもウィルス系の「モザイク病」に見えるのですが、、、。
アブラムシが伝搬する病気で治療法はありません。だとすればこの株は抜き取って処分するしか無くなります。しかしそのような思い切った決断をこの写真一枚で言い渡すにはちと自信がありません。

ウィルス系の病気は治らないとはいえ、他の病気かもしれませんから殺菌剤を散布しておけばひとまず安心でしょう。
落葉前の落ちる葉についても、もしかしたら炭疽病かもしれないので殺菌しておくに越したことはありませんね。

余談ですが、いわゆる「斑入り」の品種などは元はと言えばこういったウィルスによる突然変異したものを培養してきたものですから、それほど気味悪がる事はありません。人に移るようなウィルスとはまったく別物です。

Q045:梅の木に赤褐色で光沢のある半球形のカイガラムシが発生しました

投稿日:2008/04/29(Tue)

Q:45   庭の梅の木に赤褐色で光沢のある半球形のカイガラムシが発生しました。
こそげ落とす以外には対処方法はないのでしょうか?
そのまま放置した場合はどうなるのでしょうか?

A:この時期によく見られるタマカタカイガラムシですね、たぶん。おっしゃるようにこそぎ落とすのが一番効果的ですが、数があって大変ならば殺虫剤に頼るしかないでしょう。スプラサイド乳剤40というのがカイガラムシによく効くようです。遅くとも実の収穫14日前までに1000~1500倍液を散布してください。あるいはカルホス乳剤が良いでしょう。
放置すると卵を産み繁殖して毎年出るようになってしまいます。スス病も併発し、ひどい場合は枝を枯らします。木自体が枯死するほどではありませんが、見た目も気持ち悪いので早めに対処したいものです。

Q044:庭植えのさつきの葉が所々黄色くなってきました

投稿日:2008/03/21(Fri)

Q:44-1   庭植えのさつきの葉が所々黄色くなってきました。水気はあるので、枯れたのではないようです。冬の間は特に目立ち、春になってもあまり回復しません。さつきは20年前に寄せ植えしたものです。何か管理上必要な事がありましたらば、御教え頂きたくメールさせて頂きました。

A:これだけの情報ではお答えしにくいのでいくつかの点を明確にして下さい。まず、
(1)「所々黄色い」というのは一枚の葉の所々なのか全体の所々なのか。
(2)葉の全体がうっすらと黄色いだけなのか、褐色の斑点などが生じていて黄色くなっているのか。
(3)「春になっても回復しない」というのは現時点の話なのか、毎年そうなのか。
(4)ツツジではなくサツキなのか。

常緑樹は新芽が出る頃になると去年までの葉は役目を終えて散る準備を始めます。すなわち養分が行き渡らなくなって色が抜け新芽が吹けばやがて落葉します。(常緑樹は落葉しないというわけではありません。)ですからこの時期の古い葉は皆元気がないものです。
こういった通常の生理現象による黄変の場合もありますし、養分の一部が欠如している(鉄分などの微量要素も含め)場合もあります。また、古くなった木などは根詰まりによって十分に養分が取れなくなっているという場合もあります。

 

Q:44-2   黄色くなっているのは、寄せ植えした中の1株ごとだと思われます。密になっているのではっきりとはいえませんが、10cm~30cmの範囲で数箇所あります。黄色いのは葉全体です。3年前から症状が現れ始め、新芽の時期でも治りません。
 植木はサツキです。

A:そういう状況だとすると生理障害しか考えつきませんね。病斑が無く黄色い、他の株にうつっていないことから病気ではないと判断されます。虫の影響を考えるとしてもシンクイムシが入っている可能性くらいしか思い当たりません。

生理障害の中でも肥料不足などは考えにくい(他の株がまともなら)ので、一番考えられるのは根の障害です。根詰まりや根腐れ、深植えなどがそうです。3年の間枯れることはなく色が悪いだけなら根詰まりのほうが可能性は高いです。対処法としては具合の悪い株を一度掘り取って(当然根を切ることになります)、その穴の周囲を少し広げてから(隣の株に影響がない範囲で)良質土(鹿沼土など)で客土しながら植え直してみてはどうでしょうか?

掘り上げたときに根が互いに絡み合って固くなっているようなら「根詰まり」ですし、元来あるべき位置より上に根が生えて二段根になっているようでしたら、「深植え」による酸欠で元気がなかったのかもしれません。前者の場合は株に元気が残っているなら少し根をほぐしてから植え直せば新しい根が出て回復するかもしれません。後者の場合は今までよりも深く植えないように気をつけて下さい。下段の根が機能していないようなら少し削ってから植えても構いません。

掘り上げる作業が大変なようでしたら、元気のない株の根の周囲をスコップで刺してやるだけでもいいです。活力剤を添加した水やりをしてください。それで様子を見ましょう としか今は申せません。

Q043:我が家のさるすべりですが、アブラムシ類にやられすす病とで真っ黒です

投稿日:2007/12/23(Sun)

Q:43-1   我が家のさるすべりですが、かなり大きな木を移植して30年近くなります。ここ7~8年前からアブラムシ類にやられすす病とで真っ黒です。何回も薬剤を変えて駆除に挑戦してますが4~5日後にはまた害虫がびっしりと葉の裏に付いてます。
  さらに心配してるのは、葉が薄く真夏に黄色くなって葉を落としてしまいます。その後、再度若葉が出て来ますが小さい葉です。害虫の影響ではないと思い根元を掘ってみましたら、40cmくらいから非常に土が硬くツルハシでなければ掘れません。木が大きくなって根が張れなくなっているのかなと思いますが改良なんて出来るのでしょうか。大切にしているので枯らしたくありません。

A:おっしゃるように根が張れずに樹勢が弱ったところに再三害虫に樹液を吸われて参っているのでしょうね。土壌改良は出来ます。幹周の3~4倍あたりの円周を掘って土を入れ替えるなり土壌改良材を混ぜて埋め戻すなりすれば良いのですが、古い木ゆえいっぺんに作業せず今回は半周だけやって来年残りをやりましょう。

幅4~50センチ、深さ60センチくらいに溝を掘りますが、この時根にも当たるでしょうから太い「力根」以外は溝の壁に沿って切断して構いません。ただし切り口はナイフで切ったようにスパッとキレイに切ってください。ちぎったようになっていると腐れます。根切りした部分から新しい根が出てくれば枝も更新されて元気になる場合もあります。
土は既存の物の上質な部分は再利用し、粘土質や固い土は処分して新しい土を客土します。土壌改良材は腐葉土や堆肥とAGロックやネニサンソなどを20%程度加えると効果的です。古い土と新しい土と改良材同士はあまりきちんと混ざらない方が根が自分が行きたい土を選べるので良いとされています。ざっくりと混ぜましょう。微生物の力を借りて土壌改良する商品も色々ありますので調べてみてください。肥料(特に化学肥料)は混ぜない方が無難です。緩効性の固形有機肥料やパイル肥を埋め戻した後に与えればよいでしょう。
埋め戻しが終わったら灌水しますが、この時にメネデールやHB101などの活力剤を混ぜてやります。ダボダボになるまでたっぷり水を入れて棒で少し突いてください。この時期でしたら午後の灌水は凍結の恐れがあるので午前中にお願いします。
根切り、土壌改良の時季としては関東以南なら今頃でも良いですが、根が動き出す直前1月後半から2月中旬頃が良いと思います。

消毒は1~2月に3~4回、石灰硫黄合剤を散布(あるいは塗りつけ)してください。葉のない時期なら7~10倍の濃いものが使えます。カイガラムシや病気の予防にも効果的です。
シンクイムシが幹や枝に入っている可能性も大いにありますので地際や幹の途中に穴が空いていないかチェックして、穴があれば薬液を入れてパテなどでふさいでください。来年アブラムシが再来するでしょうが早めに対処してください。アルミ箔の小片を枝にぶら下げておくとアブラムシが寄りにくいという説があります。反射光を嫌うそうです。

あなたのように木の「根」に目をむけてくださる方がおられるととても嬉しいです。どうか頑張ってサルスベリを助けてあげてください。

************************* サルスベリのその後 ***********************

投稿日:2008/08/10(Sun)

Q:43-2   前回、サルスベリの葉が夏場に落葉するとのことで相談頂いたものです。早速本年(2008年)の2月頃に穴を掘って堆肥と腐葉土を入れ、HB101を混ぜた水をたっぷり施しました。石灰硫黄合剤も7~8倍溶液を刷毛で2回塗りつけ2回噴霧しました。
  結果、まずまず(まだ完全ではありませんが)の葉と花の状態で落葉はしそうにはありません。ただ、枝の2割程度は葉が出てこず枯れているようです。また、すす病は以前よりましですが発生していますし、昨年に比べてアブラムシはめっきり減りましたがハダニは減っていないようです。
  殺虫剤は蝉やらてんとう虫が気になってやれていません。
  さて、これからですが葉が出てこない枝は切り取って良いのでしょうか。それと、来年はどうしたら良いですか。この2月に掘れなかったところは庭石やら他の樹木があって掘れません。(周囲の半分は掘れない状態です。)

A:頑張っていらっしゃいますね。

今までの作業には問題はないと思います。掘れない部分は無理にやらなくて良いでしょう。2月に有機質の肥料と石灰硫黄合剤の散布を続けてください。
スス病が未だに出ているということは、やはりアブラムシやカイガラムシの駆除が十分でないと言うことです。ハダニはサルスベリにはあまり付かないと思います。細かいカイガラムシもいますのでそれではないでしょうか?

葉が出てこない枝は表皮を削ってみて枯れ木のように茶色ければ切除して構いません。枯れ枝からは絶対に芽は吹きません。緑色ならそのまま様子を見てください。

セミのようにアブラムシの何倍も体が大きい虫にはアブラムシ用の薬は効きません。子供が1錠しか飲めない薬を大人が3錠飲んでも平気なのと同じです。体の割合に対して毒性がどのくらいあるかと言うことですからアブラムシにとっての致死量でも体が何倍も大きい虫にとっては殺傷能力はありません。テントウムシも成虫にはたぶん効かないでしょう。ただ幼虫だとダメージはあるかもしれませんね。実際、薬剤散布によって天敵まで一緒に殺してしまっているということは確かにあるようです。難しいですね。
優先順位をどう付けるかという問題にぶつかってしまいますが、スス病を無くすにはとにかくアブラムシやカイガラムシをやっつけるしかありません。古木の命とテントウムシの命の天秤ですね。