投稿日::2005/07/27(Wed)
Q:62 両親が世話していた実家の庭を,今年春から引き継いだのですが,最近になって,つつじ(正式名不明m(__)m)が枯れ始めてきました。虫や病気を調べると,どうも幹に侵食してきた苔が原因らしいのですが,どうやって対処すればいいのか苦慮しています。
もっと早くに庭管理の仕方を素直に教えてもらってればと,今更ながら後悔しています…
分かりづらい文に,情報も少ないですが,どうか知恵を貸していただけないでしょうか。
A:苔自体が木を枯らすということはないと思います。逆に枯れそうに弱った木だから、あるいは成長が遅くなったから苔が生えるのだと思います。
そもそも成育盛んな木には苔は生えません。樹皮が活発に太り毎年一皮剥けていくのなら苔が生える間はありません。日当たり等の条件もありましょうが、樹皮の成長が遅くなれば苔は生えやすくなります。
成長が遅くなる原因は様々ありますが、病害虫によって木がいじめられて弱る場合もありますし、強剪定によって弱る場合もあります。また寿命ということもあります。ツツジの場合は土質によっては根が張れず根詰まりしてくると弱ってきます。
弱ってきたから苔が生えるのであって、苔が生えたから弱ったわけではありません。サルノコシカケなどのキノコが幹に生えることがありますが、これもキノコによって木がやられているわけではなく、すでに菌に冒されてしまっている木だからキノコが生えるのです。
対処法としては株の一部を掘り取って鹿沼土などに植え替えるとか、挿し木で子孫を準備するとか、要するに老株を更新することを考えることでしょう。
その株全体を復活させることが出来るかどうかは見てみないとわかりませんが、ご老体に鞭打って延命させることだけでなく自然の流れの中で生きようとしている要素だけを取り出して次へつないでいく生かし方もあるのでは。
投稿日:2005/06/01(Wed)
Q:63 去年の冬に高さ4メートル位のハナミズキを庭に植えました。地質は若干の粘土土です。
一年目ですので水やりは欠かせないと思うのですが、去年にモクレンを移植して、水やりを頻繁に行いすぎたため、根ぐさりして枯れてしまいました。
ハナミズキの水やりのコツでも教えてもらえれば幸いです。
A:水やりのコツは「乾いたらたっぷりやる」「毎日ちょっとずつは一番ダメ」です。
根腐れしやすいかどうかは植えるときにどのような客土をしたかによります。粘土質なのを承知でそのままの土で植え込んだとは思えませんが、土壌改良材を使わず黒土だけで客土したとかでしたら問題が起こるかもしれませんね。
モクレンは移植が難しい方なので根腐れだけが原因ではないかもしれません
Q:64 親の家の周りの土手に張り芝を張りました。ケンタッキーブルーグラスという西洋芝です。土手は30度程の法面で法の長さは2m程長さは10m程です。
毎日夜1回水遣りをしてもすぐに流れてしまって根の部分にまで水が行き難いようでだんだん色が白くなってきました。
とにかく水をやらないと根付かないと思いますが、こういう場合良い水遣りの方法があるでしょうか。
素人考えですがホークかローンスパイクのようなもので穴を開けてそこに水を吹き付けるのはどうかとも考えているのですが・・・。
どうかプロのお考えをお聞きできれば助かります。
A:これはまた手間のかかる芝を植えられましたね。西洋芝の管理法については私はあまり得意では無いので別途お調べください。
効率の良い散水法ですが、いっぺんに撒くと流れてしまうなら、手っ取り早いのは「ソークホース」をつないでじわっと時間をかけて散水する方法でしょうか。例えば(株)タカショーの灌水システム などを参照してください。(※2017/07/02 リンク修正)
スプリンクラーというわけにもいかないでしょうが、ミニスプリンクラーというのも状況によっては使えます。同ページ内にあります。
法肩にホースを敷けば徐々に下にしみこむように思います。タイマーも電池式で1万円前後で買えますから西洋芝のように水やりが頻繁に必要なモノには必要かもしれません。少ない水量で時間をかけてとなるとやはり人間にはじれったくて疲れますから。
投稿日:2005/11/10(Thu)
Q:65-1 垣根にヒバが植えてあります。ドンドン枯れます。
西側の垣根が枯れ始め10本くらい並んでいたヒバが1/3くらいしか残っていなくて他は皆茶色になってしまいました。東側の垣根のヒバも枯れています。水は十分だと思います。このままでは全滅です。日当たり風通し水はけは良いです。
どうしたらよいか教えてください。
A:植えてからどのくらい経っていますか?
枯れた木を抜いてみましたか?抜いたときに簡単に抜けてしまったか、根ががっちり張っていたか教えてください。また、その時の土の臭いを教えてください。
Q:65-2
先ほど抜いてみましたが、がっちりしていてなかなか抜けません。
土の臭いは特に変わった臭いはしません。
植えたのは全部の庭木が2年半ほど前です。他の庭木も葉が黄色になっていて元気がありません。肥料はやった事がありません。
A:さて、なかなか抜けないということは結局抜けたんでしょうか、それとも途中で諦めたのでしょうか?
私が何を見て頂こうとしていたかというと、ひとつには「それらの木は”深植え”されていなかったか」です。深植えされた木は抜こうとして掘ったとき、幹の際をいくら掘っても幹が地中に続いている(埋まっている)状態です。正しく植えられた木は幹の際にスコップを突き立てるとすぐに横に張っている根に当たるはずです。
たまたま今日も現場で元気のないヒバの抜き取りをやっていたら強烈な深植えになっていました。(あとで画像掲示板を参照してください)
深植え弊害については「能書き」でも再三述べていますが、要するに「酸欠」や「根腐れ」の原因になるということです。ただ、いくら深植えでも2~3年で枯れてしまうというのはちょっと早すぎる気もします。普通は10年くらい経ってから具合が悪くなります。
ということは他の原因でしょうか?
土の臭いを嗅いでくださいと申し上げたのは二つ目の”疑い”です。土中には様々な雑菌があって、カビやウィルスが根に災いをもたらすことがあります。私がまず疑ったのは「白絹病」でした。表土に糸くずのような白いカビが現れ、臭いがカビ臭いのです。これにとりつかれるとかなり広範囲で木が枯れることがあります。
大量に土を入れ替えるか土壌消毒(簡単ではありません)をしない限り、何を植えてもダメになります。
最初にお話をうかがったとき、私は以上の2点を疑っていたのですがもしかしたらどちらもハズレかもしれません。肥料不足でも枯れる所までは行かないのが普通です。
ちょっと行き詰まりました、、、。あとは、もっとも考えにくいことですが庭に除草剤をまいたとか、消毒のつもりで誤って除草剤を散布してしまったとか、、(信じられない話ですが以前うかがったお客様が、モグリの植木屋に間違って除草剤を散布されてしまって何本もの木がだめになったという話を聞いたことがあります。)
あと、たまにあるのが、悪質なペンキ屋さんが塗料の残りや洗いシンナーを庭に埋めたりしたのが原因で木が枯れることもあります。オイルをまかれても木は枯れます。
私には何らかの原因で土壌が汚染されていると思えるのですが、、、すみません、結論は出ません。
どうしたらよいかと言われても原因がわからなければ手の打ちようがありません。 ただ確実に言えることは、枯れた木は何をしようと生き返らないということと、極端に元気のない木に肥料を与えるのは逆効果ということです。せいぜい活力剤をあげることくらいでしょうか。
投稿日:2005/11/03(Thu)
Q:66 アパートの一階に住んでいます。庭に山茶花の樹が植えられているのですが、今年の春頃にそのうちの一本の葉がだんだん黄緑になり、それから枯れてしまいました。
原因が分からないので、残りの樹で同じような事が起こったときに対処できるようになりたいと思います。良い手立てを教えてください。
それから、樹の根元に新しく芽を出した小さな山茶花を見つけました。育ててみたいのですが、気をつけないといけないポイントなど有りますでしょうか。
A:枯れた原因は特定できませんが、黄緑色になるということはチッソ分が供給されていないからだと思うので根に障害があったというのがひとつ考えられることです。病斑などが無かったとすると生理障害と考えられます。根詰まりしているか、局部的に水切れしたか、あるいは逆に根腐れしたかです。
もし、植木の周りの草刈りを機械で刈っているとすればその刃で幹を傷つけ、そこから腐朽菌が入ったとも考えられます。
枯れそうになった木を救うのは簡単なことではありません。弱った木に今更肥料を与えても遅いし、薬を掛けたところで「治る」ワケではありません。
日頃から施肥をしたり根の周りの物理的条件を良好にしてやったりして木の力を付けておくことが肝心です。木が健康なら多少の病気やキズには負けません。
実生(種から生えた苗)のサザンカは小さいうちに一度掘り上げて、真下に長く延びている根を切ってやった方が将来的には良い木になります。最初に下に伸びる直根は木を支えるためのもので、これを放置すると背ばかりが伸びて側根も発達しないので良い木になりません。下を切られると横に根を伸ばすので細根が充実し、枝葉も密になるのです。時期的にはもっとも安全なのは5月頃だと思います。鉢に上げて盆栽仕立てなんていうのもオツですよ。
投稿日:2006/01/15(Sun)
Q:67 もう少し暖かくなってきたらマンリョウを植え替えたいと思っているのですが、横浜あたりですと、何月頃が適期でしょうか。
あと手元にある船越亮二さんの著書には「植え替えは必ず地上部を切って行う」と書いてあるのですが、やはり切らないとダメでしょうか。実がなっているのを何本か鉢植えにもしてみたいと思っているのですが、欲張りは良くないですかね?
A:さて、ご質問の件ですが確かにマンリョウは移植を嫌うようです。ウチでも改造園の時など一時的に既存の下草などを移植したりしますが、マンリョウはダメになるものも半分くらいあります。
チンチョウゲと同じように若い株ならそれほど難しくありませんので、移植するなら年数を食わないうちにやった方がよいのでしょう。株を生かすことを優先するなら地上部を切るのも一つの手でしょうが、緊急性が無いのなら5月に「取り木」に挑戦してみるのも良いのでは?幹の部分を「環状剥皮」して水苔を巻いて発根させてから切り取るゴムノキなどにやるアレです。失敗してもダメモトですしうまくすれば上も下も活かせるってワケです。欲張りすぎですかね?
移植の時期は4月~6月くらいが良いと思いますが2、3月に軽く根切りだけしておくと活着率が高まります。挿し木や取り木は5月くらいでしょうか。最近の気象は変化が大きすぎて指針になりませんが。
Q:68 5年前に植えた玉造りのキンキャラです。直径60センチ、高さ50センチの大きさです。自宅敷地内で移動したいのですが、移動時期は何月頃が最適でしょうか。
また、その時に注意することがありましたらば、合わせてお願い致します。よろしくお願い致します。
A:移植の適期は4月~7月と9~10月ですが、できれば2~3月に根回し(根切り)をしておいてください。今年根回しをして翌年に移植した方がより安全です。(枯らしたくないならば必ず根回しをして1年待ってください。)
注意点は根を切る時は良く切れるハサミできちんと切り直すことです。スコップで切っただけだとちぎられたような切り口になり腐れが入りやすく、細根の発根も遅れます。
もう一つ、根鉢の土はなるべく落とさないように、できれば根巻きをしてから移動してください。
移植そのものに言えることは「移植はできるだけしない」ことだと私は思っています。移植によって木はかなりダメージを受け必ず寿命を縮めます。場合によっては枯れてしまうリスクも背負うわけです。やむを得ない事情なら仕方ありませんが、木の健康を考えず人間の都合だけで安易に移植するのはなるべく避けたいものです。
移植の際は根を切った分、地上部も剪定・刈り込みをするのが普通です。ただし、切りすぎないようにお願いします。状況が許せば(すぐに萎れるなどの症状がなければ)切らないで済めばそれに超したことはありません。
以前私は、移植の際はできるだけ地上部を剪定した方がよいと思っていました。その方が木に負担が無く活着しやすいだろうと勝手に思っていました。間違いに気付いたのは植木屋を始めて10年も経ってからです。お恥ずかしい話ですが。
当たり前の話ですが木にとって枝葉は重要な要素です。発根に必要な植物ホルモンやビタミン類を生産するのにたくさんの葉が必要です。ましてや移植によって新しい根を出さねばならない状況にあって葉が少ないのは致命傷です。
根を切った分、上も減らしてやろうというのは人間の勝手な想像であって、切られた根に対応する葉がどれかなんてわかるはずがありません。切られた根に対応していた葉は木が自分で枯らすそうですからおせっかいもほどほどにしなければなりませんね。
移植してから萎れだした葉を刈り取る程度で良いのでしょう。そういう意味でも一発で移植するより事前の根回しが重要なんですね。
投稿日:2006/03/04(Sat)
Q:69 植物が枯れる原因として、ねこ、いぬのおしっこはあげられるのでしょうか?
道路際に植えられているタマリュウがたまに黄色く変色しているのは動物のおしっこではないかと思っておりますが、中低木も枯れてしまうのでしょうか?
A:中低木まで枯らすかどうかはわかりませんが、草花や芝などは十分枯らす力を持っています。特にネコのはキツい、、、。
ただ、彼らの肩を持つわけではありませんが、枯れる原因は糞尿のせいだけではありませんので他の原因も色々検討する必要はあります。あくまでも原因のひとつに過ぎません。
例えばタマリュウなどは強いようでも雪を載せっぱなしにしておいたりすると結構痛みますし、霜柱で持ち上げられて枯れたりもします。草花や芝でもそうです。
おしっこを現行犯でつきとめたなら、水をたっぷり撒いて薄めるしかありませんね。
投稿日:2006/03/07(Tue)
Q:70 カツラの木を庭に植えようと思っています。
ただ、うちの庭は南向きで前は道路、日差しをさえぎるものが全くありません。このような環境でも大丈夫でしょうか?葉やけをするのでは?と心配しています。(ちなみにヤマボウシは葉のふちが茶色になってしまいます)
水遣りはなるべくするようにしています。庭土は粘土質です。
カツラは水を好むと聞いたのですが、夏の水遣りも多めがいいのでしょうか?
ヤマボウシの葉が茶色にのは、葉やけなのでしょうか?それとも水不足?
ヤマボウシは日が当たりすぎる環境は適していないのでしょうか?
スペースはあり、緑陰のつくれる木を植えたいと思っています。洋風の庭なので「ニセアカシア」も候補ですが、根が浅く台風対策に不安があるのと、ひこばえが出てくると聞いたので思案中です。
何かおすすめの木があれば教えてください。関西地方です。
A:カツラ!いいですねえ、私も大好きな木です。若葉の色といい、風になびく枝の柔らかさといい、秋も楽しめて幹も美しい、、、素敵な木です。
確かにカツラは水湿の林によく生えている木です。京都の桂川付近とか、、、。とはいえ土質によっては水のやりすぎはかえって毒ですから「水を好む」ことを意識しながら様子を見るという程度でしょう。
ヤマボウシの葉がいつ頃どんな風に茶色いのかによって判断は異なりますが、落葉期より少し前に病斑のようなものが出てばらばらと葉が落ちるなら「炭疽病」の疑いがあります。
風でこすれて葉先が茶色くなることもありますので、モノを見ないとわかりません。ご心配でしたら写真に撮って「画像掲示板」の方でご質問ください。
カツラにまつわる話は多く、検索してみるとおもしろいかもしれません。落葉期に甘い香りを放つのも不思議といえば不思議です スペースがあるなら是非植えて頂きたいです。洋風の庭にも合いますし、ニセアカシアより私はカツラをお薦めします。
葉は確かにずっと無傷でいることは出来ませんが、成木になればそれほど気にならないはずです。強剪定を避け、出来るだけ自然樹形を保てば幹焼けや葉焼けはしないはずです。
ミモザアカシアなども相変わらず人気ですが、成長が早すぎてもてあましている方も多く、ゴールドクレストに似た厄介者にもなりかねません。ノビノビと大きく育って空を真っ黄色に染める姿は圧巻ですが。
カツラのファンとしては他の木は薦めたくないなあ、、、。
投稿日:2006/04/12(Wed)
Q:71 我が家にある古木の散し玉仕立てのモチノキを一度丸坊主にして玉を小さく作り直したいのですが、今の時期に坊主にして大丈夫でしょうか?
A:新芽が出る直前が理想的ですが、樹勢があれば今でもぎりぎり大丈夫でしょう。
「丸坊主」はあまりお薦めしませんが、、、。なるべく小枝や小さくても芽が当たっている所で切ってください。