Q024:コットンウッドツリーの張り出した大枝が落ちた

投稿日:2001/09/17(Mon)

Q: 私米国永住者でございますが、今年6月私どもの所有しておりますアパートの庭に大きなCotton Wood Treeコットンウッドツリーがありまして、隣のアパートに張り出したその大枝が落ちて、真下に駐車していた車に損害を与えてしまいました。
 知人に聞くとこの木は外見が生きているようでも、中は腐って死んでる事があるとの事です。
そういう木はあるのですか?また、一番手入れのしやすい、剪定のあまりいらない木はどんな種類でしょう?
 日本国内の例でもいいです。ご意見お聞かせ下さい。宜しくお願い申し上げます。

A:ア、アメリカ、、、、ですかぁ?それはそれははるばるのお越しありがとうございます。
えっと、アメリカの木までは私も解らないので(大体、英語すら満足に理解していない)、的確なお答えはできないと思いますが、 一般論からお話しさせていただきます。
コットンウッドということは簡単に日本の類似樹を当てると「ポプラ」ということですかね。だとすると落葉広葉樹で材が柔らかく成長が早いということですから、耐朽性(腐りにくさ)が低く折れやすいですよね。柔らかい木は虫が入りやすく内部を穴だらけにすることもあります。しかし虫のせいだけではなく、幹や枝などが傷つけられるとそこから「腐朽菌」が侵入して木の内部を腐らせてしまうこともよくあります。

日本でも街路樹などが台風で根元から折れて、道路を遮断したり車を押しつぶしたりする事故がありますが、原因の多くは後者のほうです。根元の草刈りをするときに刈り払い機の刃で幹を傷つけてしまい、そこから腐朽菌が入り木を腐らすのです。枝の場合も同じです。知り合いの方の申されることは本当です。(詳しくは当ホームページの「CODIT論」を参照のこと)

で、手入れのしやすい木と言われても樹木名を英語でお教えするなんて私には出来ませんので、またまた大まかな話になりますが、材が腐りにくく剪定なしで樹形を保てると言えばやはり「針葉樹」でしょう。ただし、大木にはなります。
さもなくば株立ちで樹形を形成する木です。日本で言えばシャラとかヤマボウシとか。太くて丈が伸びた幹だけを根元からばっさり切るだけですから手入れは簡単です。脇に細い幹を残せばそれが次の代になっていき、それがまた大きくなったら次の細い幹に切り替えるという方法です。

 

Q023:ヤマボウシの葉が、下の方からだんだんと枯れ始めました

投稿日:2001/08/29(Wed)

Q:玄関横に坪庭があります。2畳ほどの広さで、屋根があるため、雨はかかりません。
 昨年の10月に新築し、ヤマボウシ(3メートル弱)を一本植えてあります。(根元には玉竜)
そのヤマボウシですが、今年は花が咲きませんでした。
 更に、8月に入り猛暑のもと、下の方からだんだんと葉が枯れ始め、今は、枝先の新芽の部分も、黄緑色にあせた感じで、パリパリカラカラです。
 水遣りが足りないのかと思い、夕方にたっぷりやったのがまずかったのでしょうか?
 木全体にかさかさが広がっていくようで心配です。

A:昨年の10月に植えたとすると春まではあまり水が必要じゃなかったんですね。でも2月は落葉樹が一番水を欲しがる時期なんです。芽は動いていなくても、地中では根っこが活動を始めますからね。たぶんこの大事な時期にあまり水をやらなかったのでしょうね。それに加えて今年の夏の日照り、、、。軒下で雨が当たらないとなれば条件は最悪です。よっぽど意識して水をやらないと水切れを起こすでしょう。

葉がしおれ始めた木は水を与えれば復活しますが、かさかさになり始めた木は助けるのが難しいです。今年の夏枯れていく街路樹などを見ても、徐々に枯れると言うよりも、ぎりぎりまで耐えたけどやっぱりだめで力尽きた瞬間に一気に枯れるという感じです。枯れ始める前に手を打たないとだめなのかもしれません。枯れ始めたらもう止められません。焼けた葉っぱはもう組織が壊れているわけですから、茶色くなった葉の一部が緑に戻るということはありません。次に出た葉が健全でいられるかどうかです。

しかし、木というものはよくできていて、水が足りないとなれば自ら葉を落として蒸散を抑え、次の新芽に望みを繋ぐなんて事もしたりしますから、残った小さな新芽がカリカリでなければまだ望みはあります。

夕方たっぷり水をやるのは全然まずくはありません。ただ、それが手遅れだったという可能性はあるかもしれません。
いずれにしても軒下に木を植えるというのは色々と問題を生じやすいものです。乾燥はハダニが好みますし、水切れもしやすいです。「夜露が当たらない」というのも木には相当なマイナス条件らしいですよ。事情が許せば場所を変えてやりたいものです。

 

Q022:頂いたミニバラ、多少剪定した方が良い?

投稿日:2001/08/31(Fri)

Q:頂いたミニバラ、シュートがやたら本体に対してのびてますが多少選定したほうがよいのでしょうか?
バラの花はいままで花をつけなかった新しい枝からでると聞き、剪定しないでいますが、なんとなくバランスがわるいのですが。

A:おっしゃる通り、沢山の花を咲かせたいのであればシュートは切らないのが正解です。
ただ、多少の花数を減らしても、コンパクトに育てたいとおっしゃるのであれば...

まず最初に、シュート以外の枝で、枯れてる枝や貧弱な枝を整理して風通しを良くして下さい。(ミニチュアローズは他のバラより多少、多めに枝を残して下さい。)
次に高さは現状の2/3程度まで切り戻して下さい。
(枝を切り戻す時は、刈り込みのように全部同じ高さで切るのではなく、一枝づつ元気の良い葉の上で切って下さい。)
なお、残した枝に小さな蕾がついていたら、心を鬼にして摘みとって下さい。

剪定後は1週間ごとに液肥を1ヶ月間ほど施して下さい。(3~4回ぐらい)

ミニチュアローズはバラの中では割合、手のかからない種類なので、風通しさえ良くしていれば特に問題はないと思いますが、鉢植えの場合は水やりと根詰まりに注意して下さい。

Q020:公園にあるスダジイが見るも無残な姿に剪定されています。

投稿日:2001/07/08(Sun)

Q:近所にある公園にスダジイが見るも無残に姿に剪定(と言うよりも枝という枝は伐採され唯の電柱のようになってしまった)され、びっくりを通り越して怒りが込み上げています。
そこでお聞きしたいのですが、殆どの枝を落とし、主幹を途中から水平に切り落とすと言った剪定の仕方などあるのでしょうか。またこのような剪定によって切り口から水分がしみ込み樹木は弱らないのでしょうか。

A:木の枝葉は単に光合成による養分補給だけでなく、日光から幹を守り、根元の乾燥を防ぐ日陰を作り、雨の滴を自分の根に集中させるなどなど、様々な理屈と必要性があって、そこにそう茂っているのです。人間が切り詰めることでそのバランスを崩し、木々に負担を掛けていることは言うまでもありません。切り方の大小を問わず、腐朽菌(CODIT論参照)の侵入を許し、ダメージを与えているのです。

だからといって、この狭い空間を木と人が共有していく為には、「剪定」という作業もしないわけにはいきません。私にとってはそれが生活の手段でもあるし、木がかわいそうだと切らないで居てもきっといつか邪魔になれば、根こそぎ引き抜かれるに決まってるから、そうならない為に大きさを維持していくのが植木屋の仕事だと思っています。

毎年手入れしている木と、何年も間を空けて久々に手を入れる木の剪定は基本的に異なります。木によっては大きさを維持しきれなくなった場合は、大胆に切り戻すことで「吹かし直し」ということをすることもあります。現場を見ていないのでその剪定が、「吹かし直し」の為なのか、或いはただ、「荒っぽいだけ」なのかは解りませんが、そういう切り方も無いとは言い切れません。

「吹かし直し」のための強剪定と、「荒っぽいだけ」の雑な剪定との見分け方は、切り口と幹巻きですね。前者の切り口は芽が吹くことを前提としているので切り口が荒れないように丁寧に切りますが、後者の場合は枝がばきっとちぎれてどさっと落ちるときに皮がむけたりします。大事に切っていれば皮をむいてしまったりはしません。  幹巻きは日光から幹の乾燥を防ぐ為に包帯のようなモノを巻くことですが、前者なら必ずコレは巻くでしょう。木を良くしたいのですから。後者ならこんな手間は掛けないでしょう。枯れて元々なんて気持ちでしょうから。

伊藤さんが激怒している状況からして、この現場は後者の可能性が高いですね、、、、。同業者として本当に心が痛みます。だけど、そういう剪定に至るには色々な事情があるであろう事も考えていただきたいのです。

植木屋側がどんなに理屈とプライドを持っていても、結局はお客様の要望に応えなければならないからです。お客様が「ぶっつり切れ」とおっしゃれば「いや、そんな切り方は、、、」と言える時もあるでしょうが、言えないときもあるのです。私らでもそういうことはあります。自分の意に反した仕事をしなければならない場面があります。

ウチの場合はほとんどがお客様から直接のご依頼ですから、あまり無茶なことを言われれば「他をあたってください!」と”ケツをまくる”事も出来ますが、元請け会社から仕事をもらっている業者さんの場合は、仕事を選ぶことができません。「そんな切り方はしたくない」と言えば「あ、そう、じゃ他でやってもらうよ」ということになり、結局その木は同じ運命をたどるでしょう。
職人にしても、自分では「こんな雑な仕事はしたくない」と思っていても、会社や親方から命令されればやらざるを得ないでしょう。そして、親方だって「もっと予算があれば俺だってこんな仕事はさせたくない」と思っているのかもしれないのです。

「この仕事は私の本意ではありません!お客さんがこうしろと言うから仕方なくやっています。」という看板を掲げて仕事したい時があります。「花びらが散らかるから花芽をみんな切っちゃって」とか、「格好はどうでも良いから高さを半分にしちゃって」とか言われて、道行く人に「なんだ、あの植木屋は」なんて言われそうな時です。車の看板だって隠したくなります。

私は、きっと何か事情があってそういう剪定になったのだと思いたいのです。よっぽど予算がなかったのか、発注者に知識と愛情が欠けていたのか、、、、と。
でも、現実問題、知識も技術もない人たちがいたずらに木をいじめている事実も、確かにあるのです。鋏とノコギリさえ持てば、誰にでも木は切れます。どう切ったところで、木が怒って追いかけてくるわけじゃなし、場合によっては「さっぱりした」とご近所から褒められちゃったりもしたりするのです。

”ばっさり”を喜ぶ人もいるし、心を痛める人もいる。切られることで喜ぶ木もあるし、泣いている木もある。何が正しいかではなく、現場の状況にいかに適合しているかが評価の基準になってしまう。電気工事なら配線を間違えれば電気がつかない、大工なら寸法を間違えれば家が傾く。実害のない植木屋はある意味”やりたい放題”、、、。早くて安ければなんでも良いと言われてしまえば、職人は技も知識も磨こうとはしない。

誰が植木屋をダメにしているのか。
お客様でもあり、自分たちでもあり。

 

Q021:毎朝夕水をやっていたのに、コニファーが一本枯れてしまいました。

投稿日:2001/08/29(Wed)

Q:6月に家の東側に小さな花壇、南側駐車場部分にレンガを積んで,やはり小さな花壇をつくりました。
そのときに東側にはコニファー3本、南側にはコニファー3本と樅ノ木1本植えてもらいました。
ところが毎朝夕水をやっていたにもかかわらず、コニファーが一本枯れてしまいました。つい先日植木屋さんに他の種類のコニファーと、取り替えてもらいましたが,今度は南側の樅ノ木(高さ120cm位)が、真中から下が枯れたように茶色になってきました。
このまま枯れてしまうのでしょうか?水はたくさんやっているつもりですが・・・・
根元にはポーチユラカを花壇いっぱいうえています。手入れの仕方など教えてください。

A:コニファーとは針葉樹(主に洋種の)の総称なので具体的に何の木かわかりませんが、このたぐいは活着率がそれほど良い方ではないと私は思っています。移植も難しい方の部類にはいると思います。ですから、露地植えの材料を掘ってきたような木だと全部が活着するとは限りません。モミノキも根があまりうまく取れないので、堀り上げがまずいと根付きません。ただ、針葉樹は一般に樹液が濃いので根の状態が悪くてもすぐには症状が現れず、しばらくは根からの水分ではなく自体の樹液でもってしまうような所があります。
お話の様子から判断すると、もともと材料の根の状態があまりよくなかったのではないでしょうか?ポットで育てたようなコニファー苗なら地に下ろしてもまず失敗はありませんが、根巻き材で根が包んであったとしたら「堀り上げもの」ですから、根の切り所が悪かったか運搬中に根鉢が痛んだ可能性も考えられます。もしそうだったとしたらいくら水を与えても助けられません。

植えてから3ヶ月以内で木が枯れたら、材料としての品質が悪かったと考えるのが自然です。根巻きしてある材料(木)は、ちゃんとしたものなら1~2ヶ月は地上に置きっぱなしでも水だけやっていれば大丈夫なものです。半年も経ってから具合が悪くなるのは植え方や支柱の不備などが原因のことが多いです。

水は毎日やる必要はありません。問題は回数ではなく量です。根鉢の底まで水がちゃんと到達しているかどうかです。やる回数は減らして、その代わりやるときはたっぷりやるのがBESTです。毎日ちょこちょこの水やりは、絶対によくありません!だって木は自然界で生きているんですよ。毎日ちょこっとずつ雨が降る街なんて無いでしょ?  レンガ積みの小さな花壇に木が植わっているのなら、ある意味では大きな鉢に植わっているようなものですから、庭の露地よりも多少水切れが早いし、コニファーは日本の従来の木に比べると成長が早い分、水も多く欲しがるのは事実ですが、毎日は必要ありません。マルチングをしてやるだけでも乾燥は防げますし。

あまり過保護に水を与えると木は怠けて自力で水を探さなくなります。いつでも水が貰えるとなれば自分で根を張ろうとはせずひ弱な木になってしまいます。だからちょっと水が切れると枯れてしまうのです。植えた直後は手術後の病人と同じですから水やりも支柱も必要ですが、ある程度導いたら少しほったらかして自力で育つことを教えてやらなければなりません。子供を育てるのと同じですよ。

話が逸れましたが、状況からして枯れ始めた木はもう助からないと思います。たぶん、材料の善し悪しの問題だとは思いますが、稀に病気が原因で枯れることもあります。枯れた木の根本付近の土を手にとって匂いを嗅いでみてください。もしカビ臭いようだったら「白絹病」などの恐れもありますのでご近所の植木屋さんに相談してみてください。

Q019:ネジバナを鉢植えにしたい

投稿日:2001/06/25(Mon)

Q:ネジバナを鉢植えにしたいのですが、一番よい方法を教えてください 

A:別名モジズリですね。

植え付けの適期は3~4月と9~10月頃です。
以下の方法で試して下さい。

1.鉢
2・3本の植え付けは深めで通気性のある山野草用の3号鉢ぐらいです。

2.用土
硬質鹿沼土5に軽石砂5を混ぜて使用

3.肥料
植え付け後に有機性固形肥料を少量、鉢のまわりに置く

4.置き場所
年間を通して陽当たりが良く、風通しの良い雨の当たらない場所に置く

5.水やり
表土が乾いたらあげる

Q018:庭のもみじの木に穴が開いて、困っている。

投稿日:2001/06/05(Tue)

Q:私のおばが、「庭のもみじの木に穴が開いて、どんどん大きくなっていて、困っている」というのです。
 何かいい方法はないでしょうか。アドバイスをいただけたらとても嬉しいです

A:脱脂綿にディプテレックスを10倍位に薄めた液(原液でも可)をしみ込ませて穴に詰めるか、スポイトなどで薬液を注入し、パテや接ぎロウで穴を塞いで密閉します。幹の元の方だけでなく枝にも穴があれば同様に処置し、薬剤のガスでテッポウムシ類をやっつけます。
その後も広がってしまった穴をさらにダンゴムシやらナメクジやらアリが広げてしまうこともありますので接ぎロウなどで塞いでおくのがよいでしょう。

Q017:蘇鉄がピンチです。

投稿日:2001/05/05(Sat)

Q:蘇鉄がピンチです。
 我が家の蘇鉄は15年立派に育ってきていましたが、昨年夏前頃から葉の先端部が黄色に変色し始め今ではほとんどの葉が同様になっています。
 夏場の水やり、冬場の寒さ対策もやっていますが、状況は悪くなるばかりのようです。
 元の緑の葉に戻してやりたいので、良い方法がありましたら教えていただきと思いメールさせていただきました。場所は大阪です。

 A:ソテツ(蘇鉄)というのは、その名が示すように「鉄によって蘇る」と言われています。弱ったソテツに鉄釘を打ち込むと元気になるようです。
ソテツは休眠してしまうこともよくあります。死んでしまったのかな?と思っていると1年位経ってからふいに蘇ることがあったりもします。
でも、幹自体がブワブワに柔らかくなってしまうと、私の経験ではアウトです。

具体的な治療法についてはソテツの専門家に問い合わせてみてください。

Q016:幼木のレッドロビンに何かやるべきことはあるのでしょうか?

投稿日:2001/05/03(Thu)

Q:念願かなって購入した新居の庭先にはレッドロビンが植えられています。
ただ、幼木(って表現でいいのかな?)でまだ木の間もスカスカで、高さもありません。
この様なときに何かやるべきことはあるのでしょうか?

 折角、目隠し用に植樹してあるので、ちゃんとした垣根にしたいと思うのですが、何分にもずぶの素人な者で・・・。

A:レッドロビンは成長が早い木なので心配せずとも2年も経てば立派な生垣になるはずです。

やるべきことというか今のうちにチェックしておくべき事。まず、その苗木がどういう状態で植えられているかをチェックします。苗木はポットに入ったまま植えられていますか?ポットの種類にもよりますが、自然に土中分解していくタイプでなさそうならポットの側面に切り込みを入れて植えてあるかを調べてください。量産多売の建て売り住宅の植栽などには植木屋が手間を惜しんでポットに切り込みを入れずにそのまま植え込んであるものがあったりします。レッドロビンなら成長力があるので、ポットの壁をもろともせず根を生やしたりしますが、モノによっては窮屈な状態で根詰まりしたりする場合があります。根が伸張していける状態かどうかチェックしてみてください。
土はどんな状態ですか?植栽時にちゃんと良質土を客土して植えてあれば問題ありませんが、そうでないようなら根を傷めない範囲で周りの土を少し取り替えるか土壌改良材や腐葉土などを足すなどしておいてください。ただし、間違っても今ある土の上に良質土を盛ることは絶対にしないでください。根っこの上っ面が地面のレベルと同じである状態は必ず守ってください。根の上に土が被ってしまうようなら悪い土を取り除いてから土を取り替えてください。もし、現状がすでに「深植え」の状態だったら早急に根の上の土を取り除いてください。
次にチェックするのは支柱です。支柱がいい加減だとせっかく新しい根が伸びても風で木が揺らされるたびにプチッと切れてしまい、成長が遅れます。しかし、レッドロビンは太るのも早いので、結束した縄が幹に食い込まないように時々様子を見て食い込みそうになったら結び直してください。
最初に見ておくべき事はこの3点くらいでしょうか。肥料は今は必要ありません。今年の暮れから2月頃までの間にやればよいでしょう。消毒は必要かもしれません。最近は「褐斑病」の被害が多いので殺菌剤の散布は早め早めにしなければなりません。(詳しくは「今時期の作業」を参照のこと)。毛虫も付くかもしれませんがコレは予防は出来ないので食われた時に対処すればよいでしょう。

剪定については地元の植木屋さんに相談してください。基本的には切れば切るほど枝が密になって混んだ生垣になるわけですが、混みすぎると今度は枝を間引くのに往生します。下枝は必要性が無い限り切らないこと。上の方を強めに下を軽めに剪定すると密度が均一にバランスよく仕立てられます。

Q015:8m四方の庭の真ん中に、カツラかケヤキをドーンと植えられないか

投稿日:2001/04/22(Sun)

Q:現在新築の自宅の庭に植える樹を探しているものです。
 以前から、カツラとケヤキの樹形が気に入っています。
 庭のまん中にどちらかの樹をドーン植えられないものかと思っていますが、かなり大きくなるということで悩んでいます。
  庭の広さは8m四方なのですが、15m~25mになるような樹を植えていいのもでしょうか?
  また、剪定だけで樹の自然の姿を変えずに高さをコントロールできるのでしょうか?
  それと、カツラやケヤキで5m程度の高さの樹はどのくらいの値段がするのでしょう?

 A:その広さならどちらを植えても大丈夫でしょう。カツラの方がケヤキよりも葉張りは少ないと思いますが。剪定だけで自然樹形を変えずにというのはどういう意味でしょうか。剪定をすれば当然自然樹形は失われます。特に枝先の切りつめは禁物です。上手に枝抜きをすれば人工的ではあるけれど自然樹形を意識しているという仕立てにはなりますが、理解と技術のある植木屋さんを選定しないと痛い目を見ます。本当の意味で自然樹形を保ちたいなら「どこまででも好きなだけ大きくなれ!あとは俺がなんとかしてやるから!」くらいの気持ちで植えないと実現しません。

株立ちの木を植えるとその意味ではやりやすいかもしれません。大きく太くなった幹を根元から切って、若い幹に更新していくやり方ができるからです。5本立ちくらいの株であれば大きくなりすぎた幹を切除しても残りの幹が風情を保ってくれるでしょう。未練がましく幹の途中から切らずに元で切ってくださいね。時が経てば株元から吹いた若幹がやがて立派な幹となり、その時大きくなりすぎた幹を切除するというやり方なら常に大きさを維持しながら自然樹形を保てるわけです。ヤマボウシなどはこの方法に適していますがケヤキの株立ちもなかなかいいもんですよ。

値段ですが、幹の太さによってずいぶん違うので一言では言えませんが、10万~20万位の予算で見込めばなんとかなるでしょう。「植え込み代を含めて30万以内で」と植木屋さんにお願いすれば、たぶん引き受けてもらえると思います。ただし、大きい木ですから搬入と植え込みの難易によって金額は相当上下するでしょう。ケヤキの株立ちとなるともう少し予算が必要かもしれません。