Q066:庭の山茶花が春頃から葉が黄色になり、それから枯れてしまいました。

投稿日:2005/11/03(Thu)

Q:66    アパートの一階に住んでいます。庭に山茶花の樹が植えられているのですが、今年の春頃にそのうちの一本の葉がだんだん黄緑になり、それから枯れてしまいました。
原因が分からないので、残りの樹で同じような事が起こったときに対処できるようになりたいと思います。良い手立てを教えてください。

それから、樹の根元に新しく芽を出した小さな山茶花を見つけました。育ててみたいのですが、気をつけないといけないポイントなど有りますでしょうか。

A:枯れた原因は特定できませんが、黄緑色になるということはチッソ分が供給されていないからだと思うので根に障害があったというのがひとつ考えられることです。病斑などが無かったとすると生理障害と考えられます。根詰まりしているか、局部的に水切れしたか、あるいは逆に根腐れしたかです。
もし、植木の周りの草刈りを機械で刈っているとすればその刃で幹を傷つけ、そこから腐朽菌が入ったとも考えられます。

枯れそうになった木を救うのは簡単なことではありません。弱った木に今更肥料を与えても遅いし、薬を掛けたところで「治る」ワケではありません。
日頃から施肥をしたり根の周りの物理的条件を良好にしてやったりして木の力を付けておくことが肝心です。木が健康なら多少の病気やキズには負けません。

実生(種から生えた苗)のサザンカは小さいうちに一度掘り上げて、真下に長く延びている根を切ってやった方が将来的には良い木になります。最初に下に伸びる直根は木を支えるためのもので、これを放置すると背ばかりが伸びて側根も発達しないので良い木になりません。下を切られると横に根を伸ばすので細根が充実し、枝葉も密になるのです。時期的にはもっとも安全なのは5月頃だと思います。鉢に上げて盆栽仕立てなんていうのもオツですよ。

Q065:垣根にヒバが植えてあります。ドンドン枯れます。

投稿日:2005/11/10(Thu)

Q:65-1   垣根にヒバが植えてあります。ドンドン枯れます。
 西側の垣根が枯れ始め10本くらい並んでいたヒバが1/3くらいしか残っていなくて他は皆茶色になってしまいました。東側の垣根のヒバも枯れています。水は十分だと思います。このままでは全滅です。日当たり風通し水はけは良いです。
どうしたらよいか教えてください。

A:植えてからどのくらい経っていますか?

枯れた木を抜いてみましたか?抜いたときに簡単に抜けてしまったか、根ががっちり張っていたか教えてください。また、その時の土の臭いを教えてください。

 

Q:65-2  
先ほど抜いてみましたが、がっちりしていてなかなか抜けません。
 土の臭いは特に変わった臭いはしません。
 植えたのは全部の庭木が2年半ほど前です。他の庭木も葉が黄色になっていて元気がありません。肥料はやった事がありません。

A:さて、なかなか抜けないということは結局抜けたんでしょうか、それとも途中で諦めたのでしょうか?
私が何を見て頂こうとしていたかというと、ひとつには「それらの木は”深植え”されていなかったか」です。深植えされた木は抜こうとして掘ったとき、幹の際をいくら掘っても幹が地中に続いている(埋まっている)状態です。正しく植えられた木は幹の際にスコップを突き立てるとすぐに横に張っている根に当たるはずです。
たまたま今日も現場で元気のないヒバの抜き取りをやっていたら強烈な深植えになっていました。(あとで画像掲示板を参照してください)
深植え弊害については「能書き」でも再三述べていますが、要するに「酸欠」や「根腐れ」の原因になるということです。ただ、いくら深植えでも2~3年で枯れてしまうというのはちょっと早すぎる気もします。普通は10年くらい経ってから具合が悪くなります。

ということは他の原因でしょうか?
土の臭いを嗅いでくださいと申し上げたのは二つ目の”疑い”です。土中には様々な雑菌があって、カビやウィルスが根に災いをもたらすことがあります。私がまず疑ったのは「白絹病」でした。表土に糸くずのような白いカビが現れ、臭いがカビ臭いのです。これにとりつかれるとかなり広範囲で木が枯れることがあります。
大量に土を入れ替えるか土壌消毒(簡単ではありません)をしない限り、何を植えてもダメになります。

最初にお話をうかがったとき、私は以上の2点を疑っていたのですがもしかしたらどちらもハズレかもしれません。肥料不足でも枯れる所までは行かないのが普通です。

ちょっと行き詰まりました、、、。あとは、もっとも考えにくいことですが庭に除草剤をまいたとか、消毒のつもりで誤って除草剤を散布してしまったとか、、(信じられない話ですが以前うかがったお客様が、モグリの植木屋に間違って除草剤を散布されてしまって何本もの木がだめになったという話を聞いたことがあります。)
あと、たまにあるのが、悪質なペンキ屋さんが塗料の残りや洗いシンナーを庭に埋めたりしたのが原因で木が枯れることもあります。オイルをまかれても木は枯れます。
私には何らかの原因で土壌が汚染されていると思えるのですが、、、すみません、結論は出ません。

どうしたらよいかと言われても原因がわからなければ手の打ちようがありません。  ただ確実に言えることは、枯れた木は何をしようと生き返らないということと、極端に元気のない木に肥料を与えるのは逆効果ということです。せいぜい活力剤をあげることくらいでしょうか。

Q064:法面に張った西洋芝の水やり方法

Q:64    親の家の周りの土手に張り芝を張りました。ケンタッキーブルーグラスという西洋芝です。土手は30度程の法面で法の長さは2m程長さは10m程です。
  毎日夜1回水遣りをしてもすぐに流れてしまって根の部分にまで水が行き難いようでだんだん色が白くなってきました。
  とにかく水をやらないと根付かないと思いますが、こういう場合良い水遣りの方法があるでしょうか。
  素人考えですがホークかローンスパイクのようなもので穴を開けてそこに水を吹き付けるのはどうかとも考えているのですが・・・。
  どうかプロのお考えをお聞きできれば助かります。

A:これはまた手間のかかる芝を植えられましたね。西洋芝の管理法については私はあまり得意では無いので別途お調べください。

効率の良い散水法ですが、いっぺんに撒くと流れてしまうなら、手っ取り早いのは「ソークホース」をつないでじわっと時間をかけて散水する方法でしょうか。例えば(株)タカショーの灌水システム などを参照してください。(※2017/07/02 リンク修正)
スプリンクラーというわけにもいかないでしょうが、ミニスプリンクラーというのも状況によっては使えます。同ページ内にあります。

法肩にホースを敷けば徐々に下にしみこむように思います。タイマーも電池式で1万円前後で買えますから西洋芝のように水やりが頻繁に必要なモノには必要かもしれません。少ない水量で時間をかけてとなるとやはり人間にはじれったくて疲れますから。

Q063:ハナミズキの水やりのコツを教えてください

投稿日:2005/06/01(Wed)

Q:63   去年の冬に高さ4メートル位のハナミズキを庭に植えました。地質は若干の粘土土です。
 一年目ですので水やりは欠かせないと思うのですが、去年にモクレンを移植して、水やりを頻繁に行いすぎたため、根ぐさりして枯れてしまいました。
ハナミズキの水やりのコツでも教えてもらえれば幸いです。

A:水やりのコツは「乾いたらたっぷりやる」「毎日ちょっとずつは一番ダメ」です。
根腐れしやすいかどうかは植えるときにどのような客土をしたかによります。粘土質なのを承知でそのままの土で植え込んだとは思えませんが、土壌改良材を使わず黒土だけで客土したとかでしたら問題が起こるかもしれませんね。

モクレンは移植が難しい方なので根腐れだけが原因ではないかもしれません

Q062:最近になって、つつじが枯れ始めてきました

投稿日::2005/07/27(Wed)

Q:62   両親が世話していた実家の庭を,今年春から引き継いだのですが,最近になって,つつじ(正式名不明m(__)m)が枯れ始めてきました。虫や病気を調べると,どうも幹に侵食してきた苔が原因らしいのですが,どうやって対処すればいいのか苦慮しています。
もっと早くに庭管理の仕方を素直に教えてもらってればと,今更ながら後悔しています…
分かりづらい文に,情報も少ないですが,どうか知恵を貸していただけないでしょうか。

A:苔自体が木を枯らすということはないと思います。逆に枯れそうに弱った木だから、あるいは成長が遅くなったから苔が生えるのだと思います。
そもそも成育盛んな木には苔は生えません。樹皮が活発に太り毎年一皮剥けていくのなら苔が生える間はありません。日当たり等の条件もありましょうが、樹皮の成長が遅くなれば苔は生えやすくなります。

成長が遅くなる原因は様々ありますが、病害虫によって木がいじめられて弱る場合もありますし、強剪定によって弱る場合もあります。また寿命ということもあります。ツツジの場合は土質によっては根が張れず根詰まりしてくると弱ってきます。

弱ってきたから苔が生えるのであって、苔が生えたから弱ったわけではありません。サルノコシカケなどのキノコが幹に生えることがありますが、これもキノコによって木がやられているわけではなく、すでに菌に冒されてしまっている木だからキノコが生えるのです。

対処法としては株の一部を掘り取って鹿沼土などに植え替えるとか、挿し木で子孫を準備するとか、要するに老株を更新することを考えることでしょう。
その株全体を復活させることが出来るかどうかは見てみないとわかりませんが、ご老体に鞭打って延命させることだけでなく自然の流れの中で生きようとしている要素だけを取り出して次へつないでいく生かし方もあるのでは。

Q061:我が庭にあるクロガネモチについて教えてください

投稿日::2005/07/25(Mon)

Q:61   我が庭にあるくろがねもちの木について教えてください.
 幹周り90cmはあります。毎年秋につんつるてんに剪定されてきました.くろがねもちはこうするものでしょうか?たまに真っ赤な実をいっぱい着けた木をみると、我が家の木もあんなんならいいのになぁといつもおもいます。それとも我が家の木は別の種類で、赤い実がならない木なのでしょうか?

A:クロガネモチの剪定を”つんつるてん”にすべきかどうかは、木のオーナーと剪定する植木屋との間で決めるべき事ですからどちらが良いということはありません。

あなたがその切り方が気に入らないならその植木屋さんにその旨を伝えるべきです。植木屋さんにもたぶんそのワケがあるはずですから、たとえば成長を抑えたいのか、日当たりを重視するのか、見栄え第一なのか、防犯上なのか、様々な課題と希望を折り合わせてより良い方向性を見つけてください。

クロガネモチもモチノキも雌雄異株ですので雄なら実はなりません。クロガネモチは大抵接ぎ木によって実が成るものだけが植木として流通している場合が多いのでほとんどが成りますが、モチノキは実の成らないものもよく見かけます。お宅の木がクロガネなのか、ただのモチノキなのか、雄なのか雌なのか、それはお宅の植木屋さんに聞いてください。

クロガネモチの剪定時期は意外と難しいものです。5~6月頃花が咲いて11月頃実が熟して2月頃まで付いていたりしますから、言い換えれば1年のうちでいつ切っても花や実に影響してしまうということです。花の前や花時期に切ってしまえば秋の実を減らすことになり、秋に切ればもちろん実が減り、春先に切っても花芽を落とすことになります。

ですから普通は結構遠慮がちに手加減しながら剪定する部類の木なので”つんつるてん”にするのはよほどの理由があると思われます。植木屋さんの言い分を聞いてみて納得できなければ希望をおっしゃれば良いと思います。

どんな木でもそうですが「何もしない」のが一番花も咲くし実も成るのです。要は何を優先するかです。

Q060:松の樹冠の大きさ 理想型な目安とかありますでしょうか

投稿日::2005/07/08(Fri)

Q:60   松の樹冠の大きさ 理想型というか標準というか、何か目安とかありますでしょうか。

 海外勤務で3年放置した樹を、昨年は積もった葉っぱを取り除いて枯れてしまった枝を落とし(涙)、とりあえず下から青空が見える程度に1mほど切り戻して、この春はそのままミドリだけつんで様子を見ているのですが、どうやら樹形を整えても大丈夫そうなので、来春までに手を入れていこうと思うのですが。

 松の木の黄金律とか、ありますでしょうか?

A:理想型ですか、、、とにかく「頭でっかち」はいただけません。ツゲでもマツでも素人の方が趣味で手入れしている木を見るとほとんどがこの状態です。
それでなくとも樹勢はてっぺんが一番強いので、頭を遠慮がちに刈り込みや剪定していると「頭でっかち」になってしまいます。少なくとも2段目の枝の輪郭よりも頭が出ないようすべきです。大きくて濃い頭は以下の枝の生長を阻害します。

頭は芽吹き力も強いので下の枝よりも強めに。脇芽があればすかさずそこで切り戻しておくことが大事です。
切り戻しが甘いと玉の厚みが増し、ぼてっとした重たい感じになりますので輪郭も小さく厚みも薄くを心がければよいと思います。

枝打ちは基本的に言えば車枝(一つの段から四方に枝が張っている状態)を整理していきます。仕立てが出来上がっている木ならばそのまま玉を手入れすればよいのですが、これから幹に曲がりを付けたりする段階ならば、ジグザグに曲がった幹の外側の枝を残します。つまり「く」の字に曲がっているところは左側に出た枝を残して右側に出ている枝があれば切除します。

紙に絵を描いてみるといいと思いますが、まず頭の部分に横広の楕円を描きます。その楕円の真下のところから下に向かってジグザグに稲光のような線を描きます。稲光のように下に向かうに連れて各線が長くなる感じです。
次に先ほど申し上げたように「く」に曲がっているところは左側に、「逆く」の角は右側に短い横棒を引いてその先に楕円を描きます。楕円は下の段に行くほど大きくなります。輪郭の先端をつなぐと三角形になると思います。
これでなんとなく仕立て風になるのですがちょっともの足りません。枝が左右に振っているだけで平面的だからです。幹の曲がりが見えすぎて趣がありません。
頭の下の段から1,2,、、、と下の段に数字を付けたとして、2と3の間のジグザグの線上に(角ではない)楕円を描いてみます。同様に4と5の間にも幹のライン上に楕円を描きます。こうしてみると少し奥行きが出て幹も適度に見え隠れするでしょう。
これを基本としてバリエーションを加えれば理想の形が見つかるのではないでしょうか?ひとつの簡単な例ですが。

仕立物を作る場合バチを当てたり紐で引っぱったりして枝を下げますが、これは見栄えだけではなく脇芽を多く吹かせるためにとても有効な手段なのです。
形を作るためにも脇芽を吹かして玉をコンパクトにまとめるためにも枝が固くならないうちから枝を引き下げておくと良いでしょう。

Q059:山茶花の葉が丸くなり、葉が黒っぽい緑になっている

投稿日::2005/05/30(Mon)

Q:59   庭木の山茶花(高さ90cm、植えて8年位)の葉が丸くなり(数字の6みたい)、葉が黒っぽい緑になっているのが3本ほど(全体で40本あります)あるのですが、何か病気なのでしょうか?。水は同じようにやっているのですが?。 

A:確信は無いのですが、見たところ病気でも虫でもなく生理現象のように思えます。経験上問題が見あたらないのにサザンカの元気がない場合、一番多かった原因は「根詰まり」でした。

サザンカの根は多くの細根で出来ているタイプです。サツキやツツジなどに似ています。こういう細根性の木は自分の根鉢とその外側の土質が違うと新しい根が外に伸びていかず、自分の根鉢の中で絡み合って根詰まりしてしまうことがあります。ちょうど鉢植えにした木が何年かすると根詰まりして、鉢から抜くとカチカチになっているように、地植えでもサザンカはそうなるのです。

掘り上げてみると、根鉢が固くなっていて新しい根はいくらも外に出ていないのです。そういう状態になるといくら水や養分を与えても吸い取ることが出来ず衰弱していきます。写真だけで判断するのは危険ですが私にはそんな状態に思えてなりません。

試しに少し根の周りを掘ってみて頂けませんか?ぐるりではなく一部でも結構です。もし白根があまり出ていなくて古根が固まっているようでしたら良く切れるハサミで古根を少し切り詰めてから周辺の土を鹿沼土か赤玉土で埋め戻して様子を見てください。時間はかかりますが樹勢が有る木なら元気になっていくと思います。

掘ってみて細い白根が柔らかく八方に張り出しているようなら私の見込み違いです。

Q058:あおはだ、あおだものねじめに、何か植栽をしたい

投稿日::2005/02/04(Fri)

Q:58   あおはだ、あおだもなどの株立ちの落葉樹を植えるのですが、ねじめに何か低木か、地被植物(コケも考えていますが)の植栽をあえてやろうとすれば、和風庭園の場合、どのようなものが使えるでしょうか?玉リュウ、リュウの髭は除外します。

 日当たりのあまり良くない陰地です。

A:うんと小振りのササなどは似合うと思いますが、他に挙げればクラマシダ、セキショウ、フッキソウ、ヤブラン、ヤブコウジ、ホトトギスなどでしょうか。ちょっと洋風ですがアジュガは日陰に強いです。

Q057:寒さがこたえる今の時期の剪定(東京)

投稿日::2005/01/21(Fri)

Q:57   今の時期の剪定ですが(東京です)、「能書き」のコーナーで剪定の時期を拝見いたしましたが、きんもくせいなどは、あまり良くないように(木にとっては寒さがこたえる、、)かかれて降りました。しかし、、しいて剪定をしようとすると、どのような点に気をつけて剪定をしたら良いでしょうか?

A:要は庭木の身になって考えてあげれば良いだけです。寒空に裸は寒かろうなぁと思えばあまり強くは剪定できないはずです。理屈を言えば寒さだけでなく乾燥も強敵なので切り口の面積が大きいと乾燥によって春の萌芽が危うくなるわけです。だから太いところでブツブツと切る強剪定は可哀想なわけです。
ばってん北の国の木(主に針葉樹類)は2月頃の剪定が一番よいと言われています。寒さにも強いし樹液も濃いから乾燥にも負けないんでしょうね。