2001/10/15(Mon)
Q:初夏の頃、五葉松の様子がおかしいので見ると葉の密集したところに虫が巣を作っていました。(何箇所も)
慌ててスミチオンを散布して退治しました。
葉元の枯れも治まったように思えたのですが、最近になってまた、葉元が黄色くなってます。
A:五葉松は黒松などに比べると古葉(去年以前の葉っぱ)が露骨に赤くなります。
それだけを見ると枯れてきたようにも見えなくはありません。
元来、五葉松は「もみあげ」も黒松よりは手加減して行いますし、枝先の切り戻しも少し軽めにします。
あまりガラガラに透いた五葉松は「らしくない」という事もありますが、
切り戻しを強くすると古葉が赤くなるこの時期にそれが目立って見苦しくなるからだと思います。
春から夏の手入れの時に、切り戻し後の枝先に去年の葉だけが残っている状態にしてしまうと、
秋になって古葉が枯れるときにそれが表面で起こるので枯葉が目立ち、「元気がない」などと思われたりします。
もちろん、虫や病気の場合もありますが。
夏場に虫にやられたということは、木としてはだいぶ透けた状態になっていたわけでしょう。
そこへきて古葉が枯れると目立ちますよね。枝先がこんもりしている状態なら中の方の枯葉は目立ちませんから
去年まではそれほど気にならなかったのではないでしょうか?
どう見ても虫のせいでは無いようなら、そういう可能性もあるのではないでしょうか。
単なる木の生理現象が今までになく表面化してしまったということで、異常ではないと思うのです。
もちろん推測の域を越えませんが。
投稿日:2001/07/04(Wed)
Q:ヒメシャラと生け垣のトキワマンサクに蜘蛛の巣に似たものが多少ついています。
葉というより枝につきます。
白い、柔らかい、ツブツブではなく綿の繊維を巻きつけた感じ。
これっていったい???
A:それはたぶんアオバハゴロモの幼虫の巣じゃないでしょうか?
アオバハゴロモについては、最近リンクのページに「タケダ園芸」さんのサイトを追加しましたので、
そこの「病害虫ガイド」で検索してみてください。割と簡単に知りたいことが手に入りますよ。
投稿日:2001/05/25(Fri)
Q:モッコクくんが大ピンチに陥っていました。
葉と葉が重なった部分にキャビア..といえば聞こえがいいけれど
実はキャビアのニセモノよりさらに小さくて黒くて丸い卵状のものがベッタリとはりついていました。
まさしく葉と卵のサンドイッチ状態です。
こいつの正体を知りたくて雑誌など開いてみましたが
虫の写真は載っていても卵の写真は載ってないので正体も不明です。
<卵だと思うのですが>
A:それは多分「ハマキムシ」だと思います。
キャビア状のものは卵ではなくフンかもしれません。
やられた葉は取れば解決です。殺虫剤を撒くよりも捕殺は安全で確実な方法です。
今の時期(5月)なら葉っぱをちぎられようが切られようが次の新芽が吹いてきますので
木が枯れることはありません。
投稿日:2001/05/25(Fri)
Q:先週いただいたバラの鉢植えの固いつぼみがいきなりばらばらとたくさん落ちちゃったんです。
土が乾いてはいないし、雨にも当たらないようにしたのに。
なぜなんでしょうか?ちなみに鉢はプラスチックです。
A:バラクキバチという虫が蕾のついた枝の5~10㎝下に卵を産みつけるので
茎から蕾が折れるということはありますが...
この虫にやられた場合は折れた所から15cmくらい下まで切り戻して、切った枝は焼き捨ててください。
今時、燃やすのは難しいかもしれませんので、
ゴミ収集日の朝に切って、清掃車に即刻持っていってもらって下さい。
新芽をアッという間に食い尽くす、チュウレンジバチにも要注意です。
頭が黒くて体が緑色の幼虫です。
蕾が落ちた原因ではないと思いますが、店売りの鉢のまま、プラスチックの鉢では、なおいけません。
鉢から取りだしてみれば分かると思いますが、鉢の形になったむき出しの根がでてくると思います。
バラは有機質にとんだ土で、のびのびと深く根を伸ばして良い花を咲かせます。
鉢植えのまま楽しみたいという場合は、直径20㎝以上の素焼きの深鉢に、
骨粉や乾燥牛糞、油粕、完熟たい肥をすき混んだ土を入れ、
接ぎ木の場合はつぎ目が土と同じ高さかやや土中に埋まるぐらいに植え替えます。
水は鉢底から流れ出すぐらいたっぷりとあげ、4~5日は絶対に乾燥させないようにします。
置き場所は陽当たりがよく、風通しの良いところです。
上の条件を満たせば病気にはなりにくくなりますが、虫を防ぐことは無理なので、
こまめに観察し、駆除するしか方法はありません。
なんの植物でもそうですが、愛情を注いだだけ答えてくれるのも確かです。
バラは特に手のかかる植物ですが、蕾から散ってゆく姿までやはり女王様の様な気がします。
投稿日:2001/05/21(Mon)
Q:レッドロビンに赤い小さな虫がたくさんついています。
ベランダにも上がってきて白い洗濯物が赤くなってしまいます。
この虫はなんですか?どうすれば予防、駆除できますか?
A:その虫の足の数は数えられますか?8本足ならダニ(本名は調べないと今はわかりません)かもしれません。
あるいは蜘蛛の子かも。たぶん状況からしてダニでしょう。
つぶすと赤い汁が出ますが人の血を吸ったりはしません。
薬剤を使うなら、ケルセン、ダコニールなどのダニ専用の殺ダニ剤を使うか、
キルバールのようにダニにも効くしアブラムシにも効くタイプを使用するのも手です。
毛虫用の薬はあまり効果を発揮しないかもしれません。
薬剤を使用したくなければ、水に展着剤だけを混ぜて散布してもいくらかは動きを封じる効果があります。
※薬剤名は掲載当時のもので、現在は販売されていないものもあります。
投稿日:2001/05/04(Fri)
Q:今年、母からもらった庭木で唯一元気だったキンモクセイが新芽はどんどん伸びているのですが、
所々の葉に虫食いの跡が見られるようになり、穴があいた葉が毎日少しずつ増えていっていてとっても心配です。
虫類は全く見つからず退治しようがありません。
葉に黒いてんてんと白い粉が2、3箇所についていたのは見つかりました。
これは、病害なのでしょうか? それとも害虫なのでしょうか?
対処の仕方も教えていただけませんでしょうか。
A:キンモクセイに知らないうちに穴があく…虫の姿が発見できないとすれば、
多分「ハムシ」の仲間による被害ではないでしょうか?
樹種によって付く種類が違うのですが、テントウムシをうんと小さくしたような虫で、
食害しては飛んでいってしまうので退治が難しいのですが、
カルホス乳剤のように残効が長い薬剤を使うか、浸透移行性の薬剤を使えば少しは軽減すると思います。
異常発生でない限り木を枯らすまでには至らないと思いますが、
大切な木なら対処してみてください。
投稿日:2001/05/07(Mon)
Q:保育園の木に「オオワラジカイガラムシ」と思われるカイガラムシが大発生してしまいました。
見た目にも気持ち悪いし子供たちに何か悪い影響が在るのではないかと(かぶれる等)心配しています。
A:まずかぶれることはありません。見ただけでちょっとかゆくなるなんて事はありますけど。
薬剤は孵化初期ならカルホス乳剤が有効ですが、成虫にはあまり効果が上がりません。
冬期なら「マシン油乳剤」が有効なのですが、今時期は使用できません。
あとは「テデトール」しかありませんね。
え?だからつまり「手で取る」しか、、、、。
(農林水産最新情報館/www.afftis.or.jp/からのパクリです)
筆やブラシでこそぎ取れば二度と上がってくることはできません。
ただし重労働ですし、高所は危険です。
カイガラムシとは要するに樹液を吸って生きている虫で、アブラムシの親戚みたいなものです。
人に害を及ぼすわけではありません。不快感無く共存出来るかどうかの問題ですね。
「どっか行って」と頼んだところでビクともしないヤツですけど。
そうそう、ついでに申し上げておきますが、カイガラムシやアブラムシを放置していると葉や枝が黒くすすけてきます。
これらの虫の排泄物が原因で「すす病」が発生するためです。
来年、枝葉が更新すれば消えますし、人にうつる病気じゃありませんけど。
「もともと害虫などこの世に存在しない。それを作り上げているのは人間なのだ。」と
誰だか偉い先生がおっしゃっていたのを思い出しました。
悪い病気を媒介するゴキブリや、かぶれさせる毒蛾のような明らかに人間の敵と思われる虫は仕方ないとして、
また、食料を得る為に栽培されている野菜などに付く虫は別として、
そこらの樹木に付く虫たちに一体どんな害を受けているというのだろう、、、
なんてことに思いを巡らすと複雑な気持ちになります。
「大好きな樹木達がモノも言えずにかじられている姿を見るのはいたたまれない!」なんて
正統化すればいいんだろうか、、、。
偽善者にもなれない僕はきっと明日になれば
「お客さん、虫が出てますねぇ、消毒しましょう!」なんて軽く言ってのけるのです。
投稿日:2001/05/04(Fri)
Q:緑色の大きな毛虫が発見され、キンモクセイの幹に綿状のものがついていました。
棒で落としたらふわふわと飛んでいったのですが、これは毛虫と関係ありますでしょうか。
A:状況を想像してお答えするのは大変難しいのですが、緑色の大きな毛虫は「クスサン」かなと思います。
以前お客さんの庭のキンモクセイで見たことがあります。
毛虫と言っても毛むくじゃらではなく、白くて細い毛がうっすらと生えているヤツじゃありませんか?
青白い大きな蛾になるヤツだと思います。
彼だとすれば、すごい食欲であっという間に広範囲を食べ尽くしてしまいますが、
1本の木に何匹も付いているのは見たことがありませんので、
早めに見つけて彼を取り除けば被害は無くなるはずです。薬剤を散布するまでもありません。
綿状の白いふわふわ、、、、。「アオバハゴロモ」の幼虫が身にまとっている綿のことでしょうか?
成虫になるとうす緑色の三角形の羽になるのですが、7~8ミリのヤツで水をまいたり触れたりするとぴょーんと飛ぶヤツです。
成虫は羽でも飛ぶのですが幼虫は羽の代わりに綿みたいなのをまとっていて、脚力で飛んでいるように思えます。
この虫が孵化したあとなどに綿が残っているのが今回ポチさんが見つけたものではないでしょうか。
コレは毛虫ではなく、カメムシたちのように樹液を吸うタイプの虫ですので、
木を枯らすほどの威力はありませんが新芽を弱らせる位の力はありますので、
心配なら浸透移行性の薬剤を散布してください。カルホス乳剤だけでも問題はないと思いますが。
投稿日:2001/02/01(Thu)
Q: 庭に植えているヒメシャラの木について、お尋ねしたい事があります。
軒下にうえているのですが、幹が割れ、綿のような白い3mmくらいのものが無数に付着しています。
枯れてしまうのではないかと心配しています。
何が原因で、どのような対策をとればよいか教えてくださいおねがいします。
A: この時期ヒメシャラの幹がひび割れたように皮が浮いて見苦しいのは仕方ないとして
(軍手でしごけばきれいになります)、白い3mmくらいのものとは何でしょう。
写真か実際を見ないと正確にはわかりませんが、類推するにカイガラムシではないでしょうか?
※後日、写真貼付のメールをいただき、カイガラムシであることが判明いたしました。
カイガラムシは種類が多く半球型にふっくら丸いものから粉のように小さいものまで様々です。
カイガラムシだとすれば基本的にはかき落としてしまえば再度木に登ることは出来ないのですが、
今の時期なら「石灰硫黄合剤」の10~40倍液を散布するか、筆で塗りつけるかすれば多分退治できます。
今やって、2月の終わり頃にもう一度やれば完璧です。芽吹いてきたらこの薬は使えません。今のうちです。
カイガラムシ用のスプレータイプの殺虫剤も市販されていますが、目にしみるので私は好きではありません。
石灰硫黄合剤は硫黄の臭いが鼻につくかもしれませんが、他の木々の病気や害虫予防にも有効に使えます。
投稿日:2000/11/14(Tue)
Q: オルトランやダンゴムシ・ナメクジ用の殺虫剤は、ミミズも殺してしまうのでしょうか。
土をよくしてくれる彼らを殺したくはないのですが…。教えてください。
A: オルトランは植物の根から吸わせて樹液を吸うタイプの害虫を殺傷する薬剤ですので、
アブラムシのような小さい虫が対象です。
ケムシのような大きな虫を殺すことはできません。
ミミズとアブラムシの体重差からいってミミズに影響は少ないでしょう。
人間にキンチョールをかける程度のものだと思います。
ダンゴムシやナメクジ用の殺虫剤についてはあまり使用したことが無いので憶測でしか申せませんがたぶん大丈夫でしょう。
ミミズは比較的地面の深い所にいますので薬効が届くまでに分解してしまうのではないでしょうか。
心配ならナメクジ退治にはビールを使えばいいでしょう(近所のナメクジまで呼んでしまうかもしれませんが)。
経験上、殺虫剤の散布によってミミズが死滅することは無いと思います。
通常の薬剤は土壌分解するように出来ているのでしょうし、直接ミミズにかけるわけではないので。
ただ、除草剤の多用や化成肥料の撒きすぎによってミミズが死んでしまうことはよくあります。
(ウチではよほどのことが無い限りどちらも使いませんが)