投稿日:2006/04/12(Wed)
Q:72 けやきを植えて二年になります。一年目から台風で何度も倒れてしまい、とうとう今年の冬に深く植えてしまいました。
今現在、一枝からしか葉がでてきていません。(あと5枝からは葉がでていません)幹の下のほうから葉がでてきたり・・・・変だなと思いあわてて調べていたら深植えが原因ではないかと思いました。土は粘土質です。植え替えの時に腐葉土は入れたりしました。
葉がでてきていない枝はどうすればよいでしょうか?またこれからどうすればけやきにとってよいことなのか教えてください。
A:支柱はしていないのでしょうか?木の大きさがわかりませんがケヤキなら鳥居支柱が普通でしょうね。歩道の街路樹などにやってある丸太の支柱です。支柱がちゃんとやってあれば倒れることは少ないと思いますが、、、。
支柱が掛けられていなかったり、不十分だったりすると、せっかく伸びてきた新しい根が揺らされることによってブチッと切れてしまい成長がいじけてしまいます。支柱は植えた直後はとても重要です。
また、「深植え」は確かに木を弱らせる大きな要因です。ましてや腐葉土の混入は水はけの悪い粘土質の土には逆効果となります。腐葉土は保水性を高める役割が主なので湿気やすい土壌を助長してしまいます。パーライトやホワイトロームなどの土壌改良材か砂を混ぜるのが適しています。
葉が出てきていない枝は表皮をちょっと削ってみて緑色ならそのままにし、茶色くカサカサなら青いところまで切り戻します。切る枝の方がずっと多くて残る枝が不格好になるなら思い切って地際から10センチくらいの所で伐採して、脇から吹く芽をうまく育てて「株立ち」にする手もあります。
投稿日:2006/05/22(Mon)
Q:73 大きくなりすぎたケヤキ2本を植木屋さんに強剪定してもらいましたが、こちらでいうブツ切り状態になってしまいました。
春になり、不定枝が茂り、幹からも枝がたくさん芽吹いてしまいました。取りあえず幹の部分の芽吹きは全部掃ったのですが、この後残りの部分(上の方)をどうすればいいのか途方に暮れています。
アドバイスをいただけましたら本当にありがたいのですが・・・。
A:ただ「小さく」とか「さっぱり」とか「ばっさり」とか言ってしまうとぶつ切りにされる場合もあるでしょう。「なるべく樹形を生かして切り戻して」と言えば解る人ならわかってくれるでしょう。
ウチでは「出来るだけ小さく」なんて言われると「ぶつ切りにすると本来の樹形が損なわれ、格好悪くなりますがいいんですか」と確認するようにしています。お客様が希望する輪郭部分に切り戻す小枝が無ければどうしてもぶつ切りにせざるを得ない場合もあります。
おっしゃる状況になったケヤキは、はっきり言って元の樹形には戻りません。ケヤキのプライドを捨てて(1)玉ちらしみたいなモノに形を変えていくか、(2)2,3年間手を付けずに放置するか、あるいは(3)地際で伐採して吹かし直して株立ちに仕上げていくか、方法はこの3つのいずれかでしょう。
ケヤキの自然樹形をどうしても取り戻したいなら一番良いのは(3)です。2月頃なら成功する確率は高いですがリスクはあります。
植木屋はお客様の言いなりに仕事するだけでなく、要望に添えば作業後の木がどうなるのかを一応説明すべきだと思います。
でも「なんでもいいから早いとこバッサリ切っちゃってくれ」なんて返されると泣きたくなりますがね。
投稿日:2006/06/07(Wed)
Q:74 枝垂れ梅の剪定の仕方を教えてください、何しろ素人ですので時期は何時どの位斬ればいいのか、その他諸々教えて下さい、
その他いろいろご指南があると思いますが宜しくお願いいたします。
A:文字で説明するのは難しいですが、木の中心に向かって伸びている枝(逆さ枝、懐枝)は根元で切り、外に向かって弧を描いている方向の良い枝を残します。切り戻すときは外芽のすぐ下で切り戻し、切り詰める時も外芽が先端に残るように切ります。
普通種の梅ですとあまり徒長枝は残しませんが、枝垂れの場合は良い方向のものなら残し、先端も軽く挟む程度の方が「らしく」なります。
時期は7月中までに済ませます。
枝垂れものはたいがい原種よりも樹勢が弱いので切りすぎると弱って枝枯れしたり幹焼けしたりしますので強剪定は避けます。ただでさえ場所を取る木ですから周囲には余裕をもってのびのび育ててやれれば美しい樹形になります。基本的にはあまり切り込まずに無駄枝だけを抜く程度の方がよいでしょう。
投稿日:2006/06/14(Wed)
Q:75 昨年中古の住宅を購入したのですが、庭先に以前住んでいた方が植えられたヤマザクラらしき木があります。
落ちていた枝をさしておいたのが根付いたものらしく、今では2階に届くほど大きく育っています。
春にはかわいい花を咲かせてくれるのですが、あっという間に去年よりひとまわりも大きくなってしまったのと、葉っぱに虫がたくさんつくのに困って伐採を考えているところです。
また、サクラは根が張るので家の庭には植えないほうがいいという話も聞きました。
そこで、1.もし伐採する(抜いてしまう)としたら費用はいくらくらいかかるのでしょうか 2.伐採(抜く)以外に対処法はないのでしょうか?
せっかく育っているものを切って(抜いて)しまうのもかわいそうだと思い迷っているうちにどんどん育ってしまいました・・・良いアドバイスお願いします。
A:費用はご近所の植木屋さんに相談すればよいと思いますが2~3万(伐採。ゴミ処分込み)ではないでしょうか?
根まで抜くとすればもっと掛かります。
サクラは一般の庭では育てにくいモノです。大きくならないように剪定すれば腐れが入りやすく長生きしませんし、伸び放題には出来ないし、、、。植えても結局20年後には撤去するはめになります。やはり広い公園や山に出かけて眺めるものではないでしょうか。シダレザクラは幾分成長が遅いので、場所は取りますが”使いよう”かもしれません。
投稿日:2006/06/22(Thu)
Q:76 去年の冬、アメリカンチェリーの苗を鉢に植えました。
だいぶ、新しい枝が伸びてきましたが、剪定をしたほうがいいのでしょうか?教えてください。
A:桜は切り口から腐れが入りやすいので、なるべく枝が細いうちに剪定しなければなりませんが、さりとて苗木のうちにあまり剪定すると葉数が減って樹勢を弱めます。明らかに忌み枝(懐枝、からみ枝、平行枝など)ならば早めに除去すべきですが、「木は葉で栄養を作っている」ということを考慮した上で適度に行ってください。
この時期、木々の葉が茂り出すと、人間の心理としてはばっさり切ってさっぱりさせたくなるものですが、木は意味があって(必要があって)葉を茂らせているわけですから、そこのところをうまく折り合いを付けて頂きたいと思います。
剪定が必要かどうかはおおむね人間の都合です。木は無駄な枝葉などひとつも付けてはいません。木は”切って欲しい”なんて言ったことがありません。「切ってもいいよ」とは言ってくれますが。
投稿日:2006/07/21(Fri)
Q:77 一月半前に樹高2.5m程度の白樫の苗木を風除けに20株ほど植えました。
先日、株元を掘って見ましたら新しい根が10センチ程度無数に伸びて来ていました。
客土に真砂土を入れ高植えしておりますので養分が非常に少ないのではないかと心配しておりますが、移植直後のため肥料も与えきらず見守っております。
このような時期の施肥は控えたほうが良いのでしょうか?
それとも少し位い肥料を与えたほうが良いのでしょうか迷っております。
もし、与えるとしたらどのような肥料をどの程度の量と根先からどれ位い離してやればよいのでしょうか?
最近、EMぼかしを作り菜園に与えたらよい結果が出ましたので、この白樫にも与えようと思っておりますが如何でしょうか?
A:液肥程度なら与えても良いと思いますが、堆肥などは冬場に与えた方が無難かと思います。有機質を分解するために分解菌が地中のチッソを取ってしまったり、分解時に大量の酸素を消費することで根が酸欠状態になることと、肥料焼けも心配だからです。2月頃なら木の活動も緩く施肥に向いているのではないかと思います。
与えるものは完熟した堆肥と油粕で良いと思います。枝先の真下あたりに施肥するのが最も効果的です。
投稿日:2006/07/22(Sat)
Q:78 昨年12月に植えた(新築と同時に植えてもらった)黄金まさき、今年3月頃アブラムシが大量発生。薬剤を散布して駆除しましたが、葉っぱの先のほうから灰色に(特に新芽)が枯れてきました。
その後市販の病害虫用の薬剤を何回か散布するも効き目がないようで、全体的に元気がなくなってきました。
何か良い方法はないものでしょうか?また、植木にはアフターサービスはないものなのでしょうか?
A:新芽が灰色に、、、?んーー何でしょうねえ、、、、。
薄い灰色というか白に近ければ「うどんこ病」かと思いますが。マサキはうどんこ病に罹りやすいですし時期的にも多く発生しますから。でもこの内容だけでは判断しかねます。いずれにしても病気か生理障害だとは思います。
植木には「枯れ補償」というものが付いている場合があります。内容は植木屋によって様々ですから植えた業者に直接聞いてください。
ちなみにウチでは枯れ補償は6ヶ月にしています。昔は1年間補償していましたが、近年の異常気象や、お客様の管理不行き届きによって枯れるケースが増えてきたからです。根巻きされた苗木や植木がその個体自身に原因があって枯れるとすれば3ヶ月あればまず症状は出ます。たいていは植えられたあとに外的な要因(雨に混じって病気が降ってきたり虫が飛んできたり、ネコにおしっこをかけられたり)によって弱ったり枯れたりするものだと思います。
植木とペットは同じようなもの とよく言うのですが、
ペットを買うと生命補償などが付いている場合がありますがそれに似たものだと思えば良いと思います。そういう補償が無い店もありますし、期間的にも大抵1年ですし、ノミやダニによる病気、事故による死傷などは飼育者の管理責任として補償外ですし。
投稿日:2007/05/22(Tue)
Q:88 今日北山台杉を剪定しましたが、葉を落としすぎた様で、なんだか不格好になりました。
一本の幹から三方向に葉が出ているだけで、後の葉は落としました。台木も8本程度あるのですが、同じように葉が三枚ずつ位です。
全体に弱々しい感じです。新しい芽(葉)はでるのでしょうか?またどのくらい我慢すれば茂るようになるのでしょうか?
A:極端に切り詰め過ぎると枯れ込んでしまうことがあります。
葉は光合成をして栄養を作るためにあるのですから、元来無駄な枝葉などありません。
どうしても縮めたり透かしたりしたい場合は木の身になって加減してあげて欲しいものです。
投稿日:2007/06/23(Sat)
Q:89 建物と庭木を植える位置についてご意見を聞かせていただけますでしょうか。
ジューンベリーの1mぐらいの苗木を家の外壁から50cmぐらいのところに植えようと思うのですが、樹が生長したときに根が家の基礎などに影響を与えることはあるのでしょうか。狭い庭なので、植えられる場所は限られています。
できればモミジなども植えたいと思っているのですが。
A:昔の木造住宅では布基礎もあまり強固ではなかったので木の根が基礎にヒビをもたらしたりすることはありましたが、近年では基礎も家も頑丈に造られていますから根っこが家をひっくり返すなんて事はあり得ません。
根も乾燥して雨も当たらない床下にはよほどのことがなければあえて根を伸ばしたりしないでしょう。むしろ心配するなら雨水や下水のマス周辺です。配水管がきちんとマスに接続されていなかったり、当初は接続されていても長年の間に地盤が沈下して接合部に隙間が出来たりするとその隙間から根っこが侵入して配水管を詰まらせたりすることがあります。
さて、ジューンベリーですが、これは成長が早くて大きくなる木ですから植え場所はよく考えなければなりません。家から50センチでは3年で壁にこするでしょう。その壁と木の間を通路にするのであれば植えるのはやめた方がよいでしょう。狭い庭ですといずれにせよ近い将来枝が邪魔になってきて強い剪定を余儀なくされるでしょうから結実も悪くなり何のために実物を植えたのかわからなくなってしまいます。
モミジなどなら下枝が無くても上の方の枝だけで結構サマにはなりますがブツブツに切り詰められたジューンベリーは格好が悪いでしょう。
家の基礎への心配もあるならばいっそのこと大きな鉢植え(円形プランターとか)にしたらどうでしょうか?成長も抑制できるし大きくなりすぎたときも移動や処分しやすいし、鉢植えで根が窮屈な状態になれば実成りがが良くなってたくさんの実を楽しむことが出来ます。水やりは地植えの物よりは少し大変だけれどメリットの方が多いと思います。
もう一つの方法は挿し木で子孫を増やしておき、元の木が大きくなりすぎたら抜いてその苗木を植え直す方法です。大きくなりすぎる前に更新すればそれほど大変ではありません。
1本の木に対して地中にどのくらいの根っこが付いているのか、素人の方は結構甘く見ています。根の先はその木の枝先の真下までは必ず伸びています。枝葉の巾が1メートルあれば根の範囲も1メートルあるのです。
乱暴な言い方をすれば木を地際でちょん切ってひっくりかえして地面にズブッと差し込んだくらい根っこは地中にあるものと思ってください。苗木を買ってきた時の根鉢の大きさのまま生きていくわけではありません。 そんなことも想像しながら位置決めをなさってください。
投稿日:2007/07/12(Thu)
Q:90 植えて10年以上のハナミズキが今年の春咲かずに枯れ始めてしまいました。虫かな?と思っていましたが、思い当たるふしが・・・
除草剤を撒いたのです。
2本のうち1本がひどくそこは芝生の所で除草剤を多く撒いたような・・・
ハナミズキは生き返るのでしょうか?
A:完全に枯れてしまったのでしょうか?幹や枝の表皮をちょっと削ってみてください。緑色で水気があるならまだそこから芽吹く可能性はあります。枯れてしまった部分を生きているところまで切り戻して様子を見てください。
もしどこを削っても茶色く乾いているようなら芽吹く見込みはありません。一度枯れてしまった枝や幹が再び緑色になって生き返るということは絶対にありません。生きている部分がほんの少しでもあればそこから芽吹き直していくことはあります。
枯れた部分を切り取っていくなかで、枝の切り口に穴が開いているようでしたらシンクイムシの影響も考えられます。
枯らそうと思って撒いたのならいざ知らず、誤って1、2度かかってしまったくらいで10年ものの木が一気に枯れてしまうことは考えにくいのですが、いずれにしても除草剤の散布には注意が必要ですね。