投稿日:2001/04/20(Fri)
Q:ツゲ、生垣の数本が枯れたように茶色くなってしまいました。
近所のおじさんのお話ではこの冬の寒さが影響したもので、また芽吹いてくるからそのままにしておきなさいとのことでした。
素人目からするとそうはいわれても半信半疑です。
昨年の夏以降、くもの巣の目をもっと密にしたものがところどころにあり、それをとり除いたのですが消毒はしませんでした。それがついてた木なのかは忘れてしまいましたが、害虫のせいかな、とふと思いました。
園芸店で問い合わせたところ、見ないことには何ともいえないけど、春先そのような問い合わせが多いので、寒さのせいかもしれないとのことでした。
これからの季節は害虫にも気をつけないといけないと、オルトラン粒剤をすすめられたのですが、こちらのHPで拝見させていただくと、鉢物に適当とあったので物足りなくも思います。かりに使用したとして、肥料(油かすや化成肥料)などと時期を同じくすることはよくないことでしょうか。教えてください。
A:木が枯れる要因は色々あるので状況を見ないと一概には言えません。
オルトラン粒剤はおっしゃるように鉢植え用と思ってください。根から薬を吸わせるのですから地植えの木で同じようにやろうと思ったら相当な量が要ります。オルトランの液剤か水和剤を噴霧器で散布した方が効率的だと思いますが、現在も市販されているかどうかは確認していません。
以前にも述べたことがありますが、元気の無い木に肥料を与えるのは逆効果です。「病人にステーキを食えと押しつけているようなもの」と、私はよく説明しています。どうしても手を貸したいのなら「活力剤」を与えることです。「メネデール」や「HB101」が代表的です。園芸屋さんでご相談ください。
消毒と肥料を同時に行うのが良いか悪いかは使う物によって相性が違うので一概に申せません。ただ、前述の理由で今肥料は与えない方がよいということと、油かすを与えるにはちょっと時期(4/20現在)が遅いということと、化成肥料は土を悪くするし病人(病木)には刺激が強すぎるのでダメ、ということは申し上げておきます。
投稿日:2001/04/09(Mon)
Q:グミの木なんですけど今、薄黄色の鈴みたいな花が咲いています。今年で2年目です。
昨年これに沢山の緑色の小さいあぶら虫が付いたので消毒液のマラソン液をうすめて噴霧しました。
そのせいか、秋に楽しみにしていた実がなりません。
今年もあぶら虫が付いています。
今の処置と今後、良い実がなる方法を教えて下さい。
A:消毒液のせいで実がならないということはないと思います。木が若いうちは成長することに栄養のほとんどを使いますので実を付けることに木が専念していないのではないでしょうか?実をたくさん付けて欲しいという人間側の要求も解りますが、若木の立場としてはとりあえず木を大きくすることが先決で、人間様のために実を付けようとは思ってはいないと思います。
年数のたった熟年の台木に接ぎ木した苗なら植えてすぐでも実を付けることはありますが、人間だって結婚したからといってすぐに子供が出来るとは限らないように、木にも色々事情があるのではないでしょうか?「おまえも木なら花を咲かせろ、実を付けろ!」と人間の理想を押しつけず、木の人生の成り行きをもう少し長い目で見守ってあげてはいかがでしょうか。
木も人と同じで、若いうちは子孫を残す事なんて考えてません、だから実を付け種を落とすことより成長することに一生懸命なのです。
投稿日:2001/03/29(Thu)
Q:キンメツゲの管理を教えて
一戸建てを購入し、家の周りにフェンスを張る代わりに市の団体から助成金を貰って生垣を施しました。植樹の段階で粘土質の土を若干量、山砂と入れ替える計画でしたが、業者側のミスで植樹をし終わってから、その上に山砂を地表からやや高く盛った程度になってしまいました。
つまり、粘土質の土壌に木を埋めて、その上に山砂をのせた状態です。それはそれとして、その後の管理です。勢いあまって植えたものの、管理の仕方が不安です。これからの季節、水遣りはいつ頃から始め、どのくらいの間隔で又は毎日か、それから、肥料はどんな物をどれくらいどのような方法で、いつ施すのが良いのかわかりません。この冬は雪も多かったせいか、葉のついていない細枝だが目立つ感じです。
ド素人の私にも理解できるだけのアドバイスをお願いします。
A:土壌の問題は放っておけない重要な問題です。(※深植えは絶対にダメです。関連記事参照2017/06/25追記) 木を長生きさせたいのなら、早急に植え直すべきと私は思います。時が経てば経つほどこの問題は解決が難しくなります。予算が無ければ木は苗木のような小さい木にランク下げしてでも土にはお金を掛けるべきです。
粘土質の土壌でも程度がそれほど悪くなければ、土壌改良材を混ぜればなんとかなります。ウチでよく使うのはパーライトやAGロックです。透水性を改善する事が第一で、肥沃である必要はそれほど重要ではありませんし、粘土質の土壌に堆肥などを多用するとかえって逆効果の場合もあります。まずは物理的に改善することです。
水やりは現状ならなおさらのこと、毎日なんて絶対あげてはいけません!ただでさえ水はけが悪いのに、水を与えれば根ぐされしてしまいます。水やりで気を遣うのは植えた直後の1ヶ月と夏場だけです。基本的には雨に任せればよく、1週間以上雨が降らなかったら様子をみてやるという程度に考えてください。もともと木は水の補給に関して人間など当てにしてはいないのです。
肥料は12月~2月位に有機質の肥料をすき込んでやります。配合肥料かツゲなら油かすだけでも大丈夫です。「今時期の作業」のページを参照してください。
葉の着いていない細枝は多分枯れ枝でしょうから指で欠いてください。パキッと折れる枝から芽は吹きません。下枝への日照の妨げとなるだけですから。
投稿日:2002/00/00()
Q: 昨年夏に購入した家にはハナミズキとエレガンテシマが植えられています。あと、芝生も少しあります。
手入れの方法がわからず、夏場に朝夕の水遣りをしただけでほったらかしになってます。どうしてあげるのが良いでしょうか?
全くの素人ですが、何かできることあるでしょうか?
A:ハナミズキもエレガンテシマもそれほどかっちりと手入れするような木ではありません。場所が許せば放っておいても自然樹形を保ちます。ただ、特にエレガンテシマは成長がとても早く、その割に根がしっかりしていないので、風などで倒れやすいので要注意です。強固な支柱が必要ですが、木が太るのも早いので結束部分が幹に食い込まないよう気を付けて時々結び直してください。
水やりはよっぽどの日照り続きでない限り、毎日は必要ありません。かえって根腐れしやすいので、週に1~2回で十分です。やるときはたっぷり時間をかけてゆっくり下まで浸みるようにし、やらないときはしっかり日を空けるのが良いのです。ただし芝は水はけの良い土壌ならこまめに水やりが必要です。
投稿日:2000/12/05(Tue)
Q:松の手入れのさぼりかたって…
我が家の庭にある三本の松の手入れについて教えて下さい。
前の持ち主が手入れしきれなくて暴れまくっていたのを、なんとか3年がかりでそれなりの姿にまとめてみたのですが、こんどは私自身が、来春から2年ほど海外赴任になりそうなんです。
少々暴れるのは仕方ないとしても、2年後にリカバリーしやすくなるような手入れ方法ってありますでしょうか。
とりあえずは暴れるにまかせて、また、三年がかりでまとめるしかないのかなぁ、と思っていますが。
A: 難しいですね。なにせマツは最低年1回(正規には2回)の手入れがどうしたって必要な木ですからね。でも事情がおありのようなのでコツをお教えします。
数年マツを放っておくとどうして無様になるのか、それは一口に言えば枝が間延びするからです。マツは1年目の古葉を自分で落葉できないので枝の中に積もらせてしまい、陽が入らなくなった部分の新芽が枯れ、陽のあたる先端部分のみが伸長して間延びしていくわけです。芽の詰んだマツに仕立てるために古葉を人工的に取り除き、間延びを防ぐために新梢を詰むというのが手入れの理屈です。2、3年手入れが出来ないのなら古葉を積もらせない工夫が必要です。何月に海外赴任されるのかわかりませんが、今の時期にしっかり古葉をむしって陽を入れておき、春(できれば5月初旬)に普通のミドリ摘みではなく、小さな脇芽に全ての枝先を詰め込んでください。言うまでもありませんが古葉をむしる時、来春切り戻すべき小さな芽当たりをもいでしまわぬよう慎重にお願いします。この小さな芽を欠いてしまうと春に切り戻しができません。木によってはこの脇芽が非常にモロイ場合があります。脇芽を残すのが難しいようでしたらむしろ古葉むしりはやめておいて、来春の切り戻しに懸けた方が無難です。そのくらいこの脇芽は大事です。
枝の途中に吹いている小さな芽だけで仕立てるわけですから見栄えは良くありませんが「暴れにくい」剪定ではあります。新葉の数も少ないはずですから来年の暮れに積もる古葉も少なくなり2年目でもまだ中に陽は入るでしょう。
なかなか言葉では説明しにくいのですがおわかりになったでしょうか?
経験があればご承知でしょうが、脇芽が無い枝は切り詰められません。かならず芽を残して切り戻してください。通常の「ミドリ摘み」の概念からは離れて思い切ってやってみてください。
※YouTubeに2,3年越しのマツの手入れについての動画をアップしていますので
参考になさってください。(2017/06/25追記)
投稿日:2002/00/00()
Q:大名竹だと思いますが、5年前に玄関先に植えました。最近、根がアッチコッチはい回って困っています。
何かいい方法ありますか?
A: 困りましたね。どうしましょう。
あなた自身がやるか植木屋に依頼するかによっても違いますが、体力に自信があるなら掘り起こして根を整理するのが第一。必ず親株に子供が数人付いてる状態で堀り上げ、根詰まりしている部分を取り除いて植え直します。多分根の行き場が無くて四方に根を伸ばし始めたのでしょう。時期はタケノコが出る1~2ヶ月前か出始めの1~2ヶ月後が良いでしょう。
本当は植え付ける段階で波板のようなもので境界を仕切っておくといいのですけどね。根は柔らかい土、肥料っけのある土を求めて伸びていきます。ですから株元に施肥をして外へ向かわぬようにするのも手かもしれません。肥料は窒素・リン酸・カリにケイ酸を混ぜるのが竹の施肥の特徴です。ケイ酸は普通「ケイカル」というのを使用します。園芸店か植木屋に相談してみてください。注意点としては速効性の化成肥料と混ぜないことです。化合して窒素分が逃げてしまいますので。土をほぐしながら混ぜてください。
竹は植え場所と根の処置を考えて植えないとえらいことになります。風情は良いんですけどね。一度全部堀上げてせき板を入れてから植え直した方がいいのかもしれませんが、現物を見てみないと的確なアドバイスはできません。
投稿日:2000/11/19(Sun)
Q:小さな庭ですが木を植えたいとおもっています。
日当りが悪いためなかなか植物が育ちません。
家と庭との距離も狭く家に陽がはいり植物も育ってほしいのですがどんな木がよいのでしょう。
予算もないのでガーデニングまではお願いできないのですが木を植栽していただくとどのくらい費用はかかりますか
A:かなり漠然としたご質問なので返答に困りますが、とりあえずご返事申し上げます。
日当たりが悪くて植物が育たないとありますが、以前は何が植わっていたのでしょうか?いわゆる陰樹を植えれば土壌と植え方に問題がない限り大丈夫だと思います。陰樹の例としてはサザンカ、ツバキ、カクレミノ、ホンサカキ、ヒサカキ、アオキなどで、落葉樹は基本的に難しいでしょう。 サザンカなどはチャドクガの問題さえクリアできればとても素敵な木です。この時期どんよりした寒空にも艶やかな花を見せてくれます。
家と庭の距離が狭いということならば発想を変えて、ツル植物を植えるのも一考です。ツル用のネットフェンスや四つ目垣などの”手”は必要ですが、苗自体は植木に比べると非常に安いものです。日陰でもムベやビナンカズラなど花や実が楽しめるものが何種類もあります。幅を取らないので狭い通路脇などにも対応できます。
予算はやはり見積もらないことにはなんとも言えませんが、基本的には植える木の値段+支柱・客土代+手間ということになります。たとえば1本8千円位のサザンカを1時間で植えるとすれば1万5千円前後ということになるでしょう。状況によって移植や土壌改良が伴えばもう少し掛かる事になります。いずれにせよ1万円以下では何もできないと思ってください。
投稿日:2000/11/26(Sun)
Q:庭木剪定の時期:まさき、きんもくせい、とが、かし等の剪定時期をお教えください
A:おおむね今の時期(11/26現在)でよいでしょう。あまり寒くならないうちに。
強く切り詰めて作り直したりしたければ4月頃の方が良いでしょうが整姿程度なら年内剪定できます。
”とが”というのはツガのことでしょうか?どちらにせよ花芽が影響するキンモクセイだけを考慮して、剪定してから次の芽が出るまでの時間が一番長いのは11月初旬(キンモクセイが終わった直後)ということになるでしょう。
当サイトの「今時期の作業-剪定時期について」をご参照ください。
投稿日:2001/10/10(Wed)
Q:以前、お隣への目隠しの相談をさせていただいたものです。
其の後、ご近所で 良い苗屋さん(?)を見つけました。
なにより店員さんが 若い方達みな熱心に一つ一つの苗や土についてニコニコきちんと説明してくれる事と、ずぼらな私が育てても見事に毎日 花を次々つけてくれる苗揃いなのです。
先日のお話しにあったつる系のものを相談しましたが、今すぐ手ごろなものがなく、結局 エレガンテシマを10本植えました。
粘土質の土だったので、土も入れ替えました。
・・・ところが いたずら盛りの我が家の愛犬10本のうちの決まった2本だけ 幹をかじって 皮をむいてしまいました。
いぜんからあった木も一本だけお気に入りです。
厳重注意をして どうにか齧らなくなりましたが、皮の向けてしまったものの手当てはどうしたら良いのでしょうか?
お店でも聞いたのですが、これだけは“う~ん・・・”でした。
A:木の皮は言うまでもなく、非常に重要な役目をしています。根からの水分を葉に運ぶ道(広葉樹の場合は道管、針葉樹では仮道管)は幹の真ん中ではなく、ほとんど外周に近い部分にあります。一皮むけばそこにあるわけです。年輪で言えば広葉樹の場合は一番外側の年輪部分、針葉樹でも外側の4~5年分のところに機能が集中しています。
かじられた程度がわかりませんが、ダメージを受けていることは間違いないでしょう。一度寸断された「水道(みずみち)」は修復不可能です。「水切り」しなかった花は、どう対処しても長持ちしないのと同じです。
コニファーのような針葉樹の仲間は広葉樹に比べれば、まだ「皮むきの刑」には耐える方ですが、程度によっては枯れ死します。結論を言えば、むけた皮の手当て(修復)はできません。せいぜい、腐朽菌の侵入をくい止めるための癒合剤の塗布くらいでしょうが、時間が経っていればそれも無意味です。
林業などでは、山の動物が幼木の皮をかじらぬように防護カバーを幹に巻いたりしています。
投稿日:2001/02/04(Sun)
Q:家の近所の公園に大きなコブシの木があります。幹の周囲だけでも2Mあります。昔からこの場所にあったと聞きました。樹齢がどれくらいなのか興味があるのですが、どのように推定されたりするのか、もしよければ教えていただけませんか。
A:木の太さと樹齢は単純に比例するものではなく、樹種や育つ環境によって全く違いますから、一言ではとても語れません。森林研究所のデータベースでもご覧になったらいかがでしょうか?//www.ffpri.affre.go.jpです。この中に樹木年齢データベースがありますが、データ数としては不満足です。ちなみにコブシのデータは1件しかありません。
あとはご自分でそこら辺にある切り株の年輪を数えて推察してはいかがでしょうか。50年だの100年だのといった樹齢はざらにあるはずです。私の憶測ですが、直径60センチのコブシなら200年は下らないと思います。年輪が詰まっていれば300年と言っても言い過ぎではないと思います。