投稿日:2003/06/12
Q:35 実家の赤松を剪定しようと考えています。今の状況はみどりが伸びて葉が少し開きかけた位です。みどりが元気よくたくさんぼうぼうと立ち上がっております。庭木の仕立て方(石田宵三著)という本を参考に剪定の勉強をしているのですがよくわからない事があります。その本によりますと赤松については「葉の間の生長点が枝になる可能性は、棒状に伸びたみどりから葉がいくらか見えはじめたところまでしかない。この時期を過ぎて、夏から翌春までの間に芯を止めると、枝先はほとんど止まってしまう」と書かれています。でも、そんな事が本当に生じるのか疑問に思っております。
そこで、質問なのですが
1.私は伸びたみどりの先を刈り込みバサミを用いて整枝するのが効率的な方法と思っていたのですが、黒松の場合はそうしてもみどりの先に芽がついても、赤松の場合はみどりの葉が開いてしまってから刈り込みバサミのようなものでみどりの先を切ってしまうなら、そこには芽がもう付かなくなり、結果として枝が枯れてしまうという事なのでしょうか。実際にそんな恐ろしい事が生じるのでしょうか。
2.また、松は年に2度の手入れが理想だそうですが、もし年に1度赤松の手入れする場合どんな方法がよろしいでしょうか。
3.赤松の剪定に関して木下様が特に気をつけていらっしゃる事があるでしょうか。
A: 松のミドリ摘みに刈り込み鋏を使うなんて言語道断です!
なぜ言語道断なのかと申しますと「みどり摘み」だからです。刈り込み鋏を使うなら「みどりの刈り込み」って言うはずでしょ?それだけのことです。(本当はそれだけじゃなくて、そうやって素人がいい加減に手入れしたあとにその木を修正させられる植木屋の身になってくれよっていうこととか色々あるんですが、、、)
まだまだ玉を大きくしたいのか現状で大きさを維持したいのかにもよりますが、
私の認識では、「ミドリ摘み」という作業は樹勢を調整するための暫定的な作業であって仕上げの作業ではないと思うのです。
一番大きくて長いミドリに樹勢が集中しないよう脇のミドリに勢いを分散させたり、現存する小さな枝が栄養分配から漏れて淘汰されるのを防ぐのが主たる目的だと思います。適当な大きさになった庭木の手入れは、そこからさらに枝を伸ばそうとする植物の本能と、だましだましそれを抑える植木屋との知恵比べのようなものです。
赤松をいじる心構え、、、う~ん、かっちりやらないってことでしょうか?黒松はかちっとしてる方が見栄えが良いですが、赤松を黒松のようにやっちまうとまるで味がありません。上手く言えませんが切りたいと思った枝を切らず、むしりたいと思った古葉を少し残し、だらしないと思えるペロンと垂れた葉を取ってしまわないというか、そんな感じです。
質問2の答えとしてはどうしても年1回の手入れで済ませたいなら、ミドリが開ききった7月半ば頃にミドリが出ている部分(去年先端だった部分)の1段下の脇枝に切り戻すのが簡単な方法です。ミドリは一切無視です。ただし樹勢が弱いと失敗します。
(※弊社のYouTubeでマツの剪定についていくつか公開しておりますのでご参照ください。2017/06/28追記)
投稿日:2003/06/03(Tue)
Q:34 私は今居住している団地の理事をしており、素人ながら緑化担当をしております。質問なのですが、団地の緑地部分の芝地に雑草が生茂ってしまい、とても住民総出で草取りをしても取りきれず困っています。休日に草取は大変ということで、一度シマジン粒剤という除草剤をまいたのですがあまり効果が無く、調べた所、イネ科の雑草(主にチガヤ・スギナなど多年草の物?)が生えてしまっているようです。このような雑草に効果がある除草剤(芝生地用)をご存知であれば教えて頂きたいのですが。本来であれば植木屋さんにお願いするところですが、予算が無い為、住民で自主管理をしております。
A:私は除草剤は非農耕地以外では使用すべきでないという考えなので、芝地で使える除草剤をお薦めすることは出来ません。
当ホームページのリンク集にタケダ園芸さんのホームページがありますのでその中の「雑草ナビ」をご利用ください。
Q:32-1 樹木の幹に着生したノキシノブはその樹木の生育に少なからず悪影響を与えると一般に言われていますが、なぜ、そしてどのような悪影響を及ぼすのか、本やホームページで捜してみても見つかりませんでした。
もし分かりましたら教えて下さい。よろしくお願いします。
A:私も調べてみましたが、実害についてはわかりませんでした。
ヤドリギなどの寄生植物は露骨に宿主に根を食い込ませていくのでちょっとえげつない感じがしますが、それらに比べれば大した害ではないので、まあ勘弁してやってください。
自然界の全てが生きることに向かっているものですから、悪も善もないと私は思うのです。(仕事上は害虫とか言ってますけど。)人間が「生きるためでもないのに自然をいじくること」以外はね。例えば枝を切ったり、幹や根を傷つけたりして腐朽菌を呼び込んだりしてしまうのはノキシノブとは比べものにならないくらい「悪」ですよね。
お答えできませんですみません。
Q:32-2 わざわざ調べてまで返信していただきありがとうございます。
石灰硫黄合剤を10倍にして数本のバラの消毒しました、園芸店でもらった簡単な12ヶ月手入れを読み、下準備が必要なのを知らず、噴霧器でかけたのが間違いでした。フェンスを汚してしまい大仕事を作ってしまい、こつこつふき取っています。パンジー、マーガレット、ハーブ類にも白くなるほどかかってしまいました、消毒についてのQ&Aを読んでいて、雨の代わりに水をかけて落とさないとだめになってしまうのかと不安になりました。大丈夫でしょうか。
筆で塗ればよかったのにと思いました。
A:「石灰硫黄合剤」は木々の活動が鈍っている時期だけに限定して使える薬剤です。新芽や若木にはかなりの刺激があると思います。パンジーなどの草花も眠っている大きな木に比べれば貧弱ですから、10倍というのはちょっと濃いかと思います。
バラやサルスベリの枝に筆で塗るなら10倍でも構いませんが、常緑樹に噴霧する場合は40倍くらいで使った方がよいでしょう。フェンスの汚れもさることながら、噴霧器自体の金属部も痛めますので、良く洗っておいてください。
春から秋にかけて使う薬剤(ディプテレックス、カルホスなど)のほとんどは”酸性”ですので、”アルカリ性”の石灰硫黄合剤との混用はもちろん出来ません(中和してしまうから)が、噴霧器にどちらかの薬剤が残っていたら混ぜたのと同じ事になります。ご注意を。
草花に10倍で散布したことがないので大丈夫ともダメともお返事できませんが、気休めでも暖かい日に水をかけたらどうでしょうか。
(※石灰硫黄合剤は現在は小売りされなくなった薬剤です。2017/06/28追記)
投稿日:2003/04/26(Sat)
Q:31 私は3年前に定年退職をして、現在、シルバー人材センターで先輩の手元で、剪定の仕事を習っています。
剪定の書物には、外す枝として、逆枝が書かれていますが私は、逆枝であっても、枝棚にポッカリ穴が開いたり
盆踊りの「うちわ」のような形の枝になるよりは良いと思い残しておくと、先輩がいずれ外さなくてはならない枝だからと 手直しでパチパチ、パチーンと外してしまうのですが納得できません。
他の芽吹きの良い樹木は別として松は、懐に、芽が出来るまで残しておくべきだと思いますが,いかがでしょうか。
A:おっしゃる通り逆さ枝であっても残すことはあります。教科書通りにやっていたら風情も何もあったもんじゃありません。あなたの疑問はもっともだと思いますしその信念は大事だと思います。
しかし、親方にも親方の信念があり実績に裏付けされたモノでしょうからそちらも正しいのです。その現場に居合わせてお二人の問答に立ち会えれば私の意見を述べることはできますが、お話しだけでどちらが正しいとは申せません。その木のその場合がどうであるかですから。
出来うるならば、あなた専用の木を毎年手入れしてみればいいんですが。毎年あなただけがその木を手入れし、どう鋏を入れたかをきちんと記録し翌年もその次もそのデータを取っていくのです。想像だけで切り方を判断してはいけません。こう切ったらこうなるハズだなんていう何の根拠もない漠然とした判断をするくらいなら実績ある人の意見を受け容れるべきだと思うのです。最低3年間その木と向き合ってあなたなりの答えが出れば、それはあなたの切り方の信念として胸を張って良いことだと思います。
私はそうやって自分の剪定法を確立してきたつもりです。毎年同じ木と向き合うことで3年前、5年前の切り方が正しかったのかどうか木と語りながら自分なりの「正解」を見つけてきたのです。「正解」は教科書でも親方の胸の内でもなく自分自身の中にあるのです。
切り方にいつも迷いがあれば「正解」は見いだせず行き当たりばったりのその場しのぎの剪定になります。その場しのぎの手入れからは良い木は生まれません。剪定とは「正解」に向かって木を造り上げていくことだからです。
初期(修行)段階で自分担当の木を持てるかどうかが重要なのですが、多くの場合新人にそういうチャンスはなかなか与えられません。それにチャンスが与えられていたとしても時間に追われケツを叩かれての毎日の作業の中では「デジカメとノート片手に」なんて余裕も、またそうしなければという必要性も感じられないでしょう。
でも気持ち一つじゃないでしょうか?先輩が手直しされる前にちょっと写真を撮らせて貰い、一部は自分のやり方を残しておいて貰うように頼めれば、それらの経年変化を実際に比べる事が出来るのです。実績を積むとは具体的にはそういうことです。そういう行為を嫌がる親方も多いでしょうから難しいかもしれませんがね。
私よりずっと年上のあなたに向かってこんな講釈は失礼だとは思いますが、人生については勿論あなたの方が先輩に決まっていますが、人のエキスパートな部分に上下は無いと思いますので偉そうに語らせて頂きました。
結論として、逆さ枝だから全て切るとは限らない という考えは正解ですが、その木に関してそれが正解であったかどうかはわかりません。あなたが親方でない以上は、親方の「正解」が答えとして優先されるのはいたしかたありません。それが納得できないなら私のように独立して自分が親方になるしかないんです。
最終的にはお客様がどの「正解」を選ぶかによって親方達はそこで淘汰されていくわけです。
投稿日:2003/04/01(Tue)
Q:30 庭の芝生の張替えを考えていて、ここのHPにたどりつきました。
結構広めの庭(真四角の20㎡位の庭です)であることと、夫婦ともに仕事が忙しいという理由で、業者さんにたのもうかと話しています。
ここのHPに書いてあった、1㎡1万円というのは、「芝生張り」の価格でしょうか?それとも「張替え」の価格でしょうか?
A:張り替えの単価です。既存芝の剥がし、処分、土壌改良、客土、芝貼り、目土までを含みますが、透水管埋設などの工事は別途です。また、資材の搬入搬出が困難な場合や不要残土が多い場合は別途見積を要します。
投稿日:2003/01/16
Q:29 昨年春に買った2mほど直径3cmぐらいの3本の株立ち風のヒメシャラがあります。手入れを教えて下さい、すっかり落葉して新芽がぴょこぴょこ空に向かって顔を出しています、実は手が届くところは摘みました。
枝もすいた方がいいのか、自然にこのまま春を迎えていいのか、教えて下さい。
A:ヒメシャラ、、、春の芽吹きがきれいですよね。
さて手入れですが、一番良いのは切らないことです。広さが許すならばどこまでも伸ばしてやるのが一番美しい樹形になります。
事情が許さない場合でも枝先をチョンとつまむ(切る)のだけは絶対にやめていただきたい。落葉樹の多くは枝分かれの角度が「鋭角」だから美しいのです。枝先や枝の途中を切るとどういう訳だか次の枝は「鈍角」に出ます。そうすると落葉樹本来の柔らかい枝の流れがいっぺんで台無しになってしまい、修復不可能になります。梢を切るなどもってのほかです。乱暴な言い方をするなら、梢を切るくらいならいっそ地際からバツンと切り倒してやってください。(そこから出た芽を放置すれば柔らかい流れになります)
枝を透いた方が良いかという質問は一言では返答しかねますが、からみ枝などは途中で切らず枝の付け根できちっと切ってください。また、下枝を失いたくない場合は樹冠部を透かすことによって栄養が下枝にも行き渡り、陽も入るので下枝の枯れ込みを遅らせる手段としては有効です。ただ、やみくもに切ることには賛成しません。
なんにせよ落葉樹の柔らかさを知り尽くした良い植木屋さんに任せて頂くのが一番かと思います。ツゲやサツキの刈り込みとは違い、「素人でも簡単に切れる」というたぐいのものでないことは確かです。「疑わしくば切らず」、これが落葉樹剪定の鉄則です。
実を摘み取ったのは感心、感心!その気持ちが木を喜ばせるのです。ただ、どうせなら花が終わったらすぐに、実が膨らむ前に取ってやるといいんですけど、、、。
投稿日:2002/12/26(Thu)
Q:28 突然ですが藁にもすがる思いで・・・こんなご相談でも受けていただけますでしょうか?10月から今月にかけて猫の額のようなスペースなのですが、センリョウや南天、ツワブキ等を植え付けました。基本的な植え方は間違ってないと思うのですが、センリョウは現在葉に黒ずみが入り、パラパラと一部落葉し始めています。また南天も葉が多く落ちてしまい、葉のついていない枝が見受けられます。おまけにツワブキの葉も変色し、数枚が枯れかけています。いいとこなしで恥ずかしいのですが、原因がわかりません。可能性として考えられるのは、山砂を入れていただきましたので、土質の問題かな?(水はけや酸性土の問題?)とも思います。素人でさっぱり解決の方法もわからず木々にも申し訳なく思っています。今は、ただ様子見しているしかないのでしょうか?宜しければご専門の立場からアドバイスをお願い致します。
A:この手のご質問はモノを実際に見ないと正確な答えは出来ないのですが、とりあえず関東地方という設定でお話しさせて頂きます。
センリョウは霜に弱いので木の下や軒が少しかかる所に植えた方が傷みません。霜に当たると黒ずむことがあります。病気で黒くなることもありますが、10月以降の現象としては考えにくいです。
ナンテンも落葉すること(や部分)はありますのでそれほど異常なことではないと思いますが、程度によります。カイガラムシの被害などで枝が坊主になることもありますが、これは見てみないとわかりません。
ツワブキも古葉は黄色くなったり黒い斑点になったりして傷むものですのでそれほど心配する必要はないと思います。見苦しい葉は付け根で切り取って構いません。歯が生え替わるのと同じですよ。落葉樹のようにカラカラになって散らないだけのことです。
いずれの場合もそれほど心配することはないので来年の春を待ちましょう。またきれいな葉が出てくるはずです。ただしセンリョウだけは霜に当てない工夫をしてください。
常緑樹といえども何年も同じ葉っぱが青々としているわけではありません。大抵の葉っぱは1年で生え替わって更新しますので、その時に「落葉」するのは当然のことです。落葉樹のように秋に丸坊主になるわけではないので葉が生え替わるのを実感することは少ないかもしれませんが、葉の落ちない木はあり得ないのです。
お隣との境界に「落葉樹を植えると葉っぱが落ちるから常緑樹を植えて欲しい」なんて言われることがありますが、首をひねってしまいます。落葉樹と同じだけ常緑樹だって毎年葉っぱを落とすのにね。
投稿日:2002/10/08(Tue)
Q:今年は猛暑の上、当地方は渇水で大事なもみじの葉先が大分傷んでおります。特にどうだんつつじはひどいものです。
さて、今時の作業と言うか剪定とか施肥、消毒などどんなことをすれば良いのでしょうか、特に猛暑明けの初秋に気を付けることがありましたらお願いいたします。
A:暑い夏でしたね。ウチの方でもモミジやヤマボウシが日焼けを起こしています。夏場はツツジなどの灌木も刈り込むと、今まで上の葉に守られていた葉っぱ達が陽にさらされることになり、すぐに葉焼けを起こしてしまうので困りました。
ドウダンツツジなどは乾燥だけでなく潮(塩)にも弱いので、台風が持ってきた塩分混じりの雨に当たると傷んでしまうこともあります。九州は台風も多いですからね。
さてこの時期の注意点ですか、、、。一口に言えば木々達の冬支度の邪魔をしないということでしょうか。休眠期に入ろうとしている状態を刺激しないことです。
剪定は春の剪定に比べて軽めにし整姿を主眼とする程度に留めます。余り強く詰めると、木は根とのバランスを保つため葉っぱを出そうとしてしまいます。この時期に芽吹かせるのは寝ようとしている子を揺さぶり起こすようなもので、もうそれほど栄養も吸い上げていない時期なので貧弱な芽を出し、それが充実しないまま冬へと突入してしまうのです。木は疲れるし吹いた芽は寒さで傷む。これではかわいそうですし、景観的にも強剪定された寒々しい姿を春まで人目にさらすのは酷というものでしょう。
同じような理由で今時期の施肥は必要ないと私は思います。寝ようとしている人がご飯を食べたいでしょうか?春の芽吹きに備える施肥なら12~2月にやってください。その頃に有機質の肥料を与えれば、芽吹きの時にちょうど効いてくるのです。芝なども10月過ぎの施肥はかえって病気の発生原因になったりするのです。
猛暑で木も疲れているだろうから肥料を、という考えは正しいようで間違っているかもしれません。人間でも本当に疲れているときはあまり食欲は無いし胃も疲れてるから消化不良を起こしますよね。せいぜいポカリスエットとかおいしいお茶とかくらいの方がありがたくありませんか?だから木も肥料を欲しがっているとは私は思えないのです。HB101とかメネデールなどの活力剤なら木に負担が無く、元気回復には良いと思います。肥料ではなく活力剤を。
消毒はまだ必要のようです。横浜でもアブラムシだのハマキムシだのケムシ君だのみんな元気にしています。彼らのほとんどは冬までに成虫になり卵を残してその卵が冬越しします。(マツの毛虫は例外的に幼虫で冬越ししますが)卵になってしまうと通常の殺虫剤では退治が難しくなります。そうなると年明けを待って石灰硫黄合剤を捲くしかなくなるわけです。
成虫のほとんどは羽を持って飛んでいるわけですから、幼虫のうちに駆除しなければなりません。ですからなるべく早めに手を打ちましょう。
投稿日:2001/09/20(Thu)
Q26:実家の庭に駐車場を作ることになったのですが、ちょうど藤の木がその場所にかかってしまいます。
以前、移植したときは小さかったので、無事根付いてくれたのですが、もう10年以上の木です。
今の場所に来てから6年ほどになります。
幹の直径は15㎝くらいなのですが、いつ頃移植するのがいいでしょうか?
素人には無理ですか?
それとも、移動自体をあきらめた方がいいでしょうか?
父が買ってきたものなので、枯らしたくありません。
A:藤は「追い掘り」とか「たぐり掘り」とかいう方法で掘りますので、普通の木の堀り方とは少し違います。
根を切らないように慎重に根に沿ってどこまでも遠くまで掘っていくのです。
素人でも根気と体力さえあれば出来なくはありませんが結構しんどいです。
11月頃なら時期は良いと思います。
※掘り方は「フジの追い掘り」というのを見てみてください。
投稿日:2001/09/18(Tue)
Q:我家の庭に40年になる柿の木があるのですが、新築工事の影響で木の周りの地面が80センチ程上がってしまう事になりました。
現在はブロックで幹の周り1メートル平方を囲んでありますが、埋めてしまうと駄目になってしまうのでしょうか?
A:絶対にダメになってしまうと断言いたします。10センチでも盛り土をすれば根は酸欠状態になり10年のうちに必ず枯れます。
救う方法は2つ。
1.移植。一度掘り上げて正規の高さに直して植え替える。
2.酸素管を設置して酸素を供給する。例:東邦レオの「DOパイプ」や「Reパイプ」など。詳細は東邦レオのホームページ参照。
付け加えておきますが、土をかぶせても急に枯れることはまずありません。でも、確実に枯れます。だから、この枯らし方こそ一番残酷な枯らし方だと私は思います、、、、。
Q:お返事に少なからずショックを受けております。しかしながら両親の結婚記念樹なので何とか助けたいと思いアドバイスを頂きたく再投稿した次第です。
A:柿は細根が少ないので移植(堀取り)しやすい木とは言えないと思います。何度か移植に失敗したことがあります。古い木ではなおさらです。
まず、現状の根の様子を調査することが先決でしょう。ユンボを使用しても構いませんが、ぐるり全部を掘らず3分の1くらいにしておいて様子を見てください。根鉢の大きさは幹の地際直径の3.5倍くらいの円が適当です。大きければいいと言うものでもありません。
掘りながら根と土を観察します。チェックのポイントは根腐れがないか、土が臭くないかです。ユンボで傷ついたりちぎれたりした根はよく切れる刃物できちんと切り直します。なるべく深い部分まで様子を見たら埋め戻しますが、この時パーライトや酸素管を入れて埋め戻せば完璧です。肥料は入れてはいけません。根の状態が良い様なら根鉢径の半分を根切りしておきましょう。時期は葉が落ち始める頃からでいいです。
来年の2~3月頃、もう半分を掘ってみます。そして同じように処理します。そして葉が落ちる季節になったら全周を掘って根の状態を見て、新たな細根が出ているようなら彫り上げも可能ですが、いまいちなら次の春まで待ちます。
酸素管を入れれば土を被して良いかという件は、保証はできません。木の状態さえ移植に耐えられるならば堀り上げた方が木は長生きします。でも移植に耐えられなければオダブツですから判断は難しいところです。
病人の体力と相談して手術を決行するか、完全に直ることは見込めなくても薬で散らして延命処置をするか選択するようなものです。
あとは、万一に備えて子孫を作っておくことも大事です。台木となる別の柿の木があるのなら接ぎ木や接ぎ芽をします。或いは挿し木をして子孫を残しておきます。