投稿日:2001/01/19(Fri)
Q:九州の街路樹で見かけるワシントンヤシ(ペチコートヤシ、オキナヤシとも云う)とワシントニアパームは同じものでしょうか?
A:ワシントニア云々というのには2種類あって、Washingtonia filifera ワシントンヤシ(オキナヤシ)というのが本家だとすれば、ワシントニアパームは通常 Washingtonia robusta ワシントンヤシモドキと呼ばれています。(モドキと言うくらいだから偽物か?)通常、街路樹などの緑化に使われているのはモドキつまりワシントニアパームの方だと思います。九州で見かける街路樹のワシントンヤシも、たぶんモドキの方で、本家ワシントンヤシではないのでは?
つまり、答えとしては別物ということですが、どう違うかといわれてもモドキの方が本家より幹が細めかなということと、本家ワシントンヤシの方が幾分寒さに強いかなということ位で、並べてみなければそうはわかりません。私は並べて見比べたことはありません。
ヤシってなんとなくトロピカルというか南国情緒を醸し出してくれるんですが意外と寒さに強いんですよね。ヤタイヤシやカナリーヤシ、このワシントンヤシにしても移植も比較的容易だし(重いけど)、値段がもう少し安ければどんどん使いたい木ですよね。
投稿日:2000/11/14(Tue)
Q:2年前に植え付けたハナミズキ(樹高3メートル)。
去年は見事に紅葉したのですが、今年は夏から葉が部分的に茶色になり落葉しはじめ、一番紅葉が美しい今、一枚の葉もありません。
9月にミノムシの大量発生を見つけ1匹ずつ手でとりましたが、これが原因でしょうか。
1日中根元まで日の当たる場所に植えています。つぼみはたくさんついています。
対策をお願いします。
A:モノを見てみないとなんとも言えませんが、葉の落ちた小枝は枯れていませんか?もしポキッと折れるようならシンクイムシ(固有名称は調べる時間をください)かもしれません。シンクイムシというと幹に穴を空けてオガクズを穿り出しながら進行するあのイメージがありますが、ごく小さいシンクイムシもいるんです。
特にハナミズキには細い小枝に0.5ミリ位のちーーさい穴をあけて入る奴がいます。(ついでに言えばサツキの蕾の元にも小さいシンクイムシが入ります)。よーく見ないと発見できません。
普通のシンクイムシなら穴から殺虫剤を注射器で入れて蓋をすればいいのですが、この小さいシンクイムシはどうしたらいいんでしょう。目下研究中ですが浸透移行性の薬剤なら効くかも知れません。
ハナミズキやサルスベリは「うどんこ病」に掛かりやすいので落葉の原因の一つにもなり得ます。その場合はベンレートなどでの殺菌剤散布が必要です。
「炭疽病」という病気にかかると落葉時期が早まったり、常緑樹でも激しく落葉したりします。
原因は他にもあるのかもしれませんが今思いつくことは以上です。
春の芽吹きの様子で、もう一度検討すればよいと思います。
投稿日:2000/11/06(Mon)
Q:庭に植えた紅かなめ(レッドロビン)が4年経って大きくなり過ぎたので(1.8mくらい)植え替えたいと思います。
今の時期でいいでしょうか。枯らしたくないので、最適な時期と、アドバイスを、どなたかいただけませんか。
A:枯らしたくないならば先に「根回し」をしておいて、3ヶ月~1年後に移植するのが一番安全です。「根回し」の時期は9月上旬から下旬が最適で、11月の声を聞いてしまうとちょっと遅いかなとは思いますが、レッドロビンに関していえば大丈夫でしょう(お住まいの地域にもよりますが)。
根回しは細根の発生を促すために行う作業で、なぜ必要かというと、通常木々は根の先端で水や栄養を吸っていて、その根の先端というのは枝張りの先端の下あたりと言われています。つまり幹の太さが円周20センチでも枝張りが2メートルあれば根は2メートル先から水を吸っているということになります。幹の下部の根は栄養を取るためというより、木を支える為にあるようなものです。根を損傷しないためには枝張り分の根鉢が必要なわけですがそれだけの大きさで掘るのは現実的に不可能ですし、大きすぎる根鉢を付けると吊り上げるときに根がその重さの土を支えねばならず、逆に痛めてしまったり土が落ちてしまったりしてしまうのです。根鉢の大きさは幹の直径の3倍程度が標準です。
根も枝と同じように、切ればそこから再生して細根を出します。根回しや根切りによって幹に近い部分(今は栄養を吸っていない部分)から養分が取れるようにそこに細根を発生させるわけです。
「根回し」は根鉢のほとんどぐるりを掘って根を切り、根巻きをして埋め戻しますが、ご質問の木程度でしたらスコップで幹から30センチ程度の周囲をザクッと突く「根切り」で充分でしょう。
根回しした木は来年の4月くらいに移植したらどうでしょうか。レッドロビンは根が荒い木なので今の時期(11月)に根回し無しでいきなり移植するのは素人さんでは難しいと思います。
言うまでもありませんが、根回しや移植をした時には葉っぱと根っこのバランスを保つために枝葉を剪定することをお忘れなく。
ついでに申し上げておきますと常緑樹落葉樹を問わず移植の時期はいつが最適かと問われればやはり9月頃でしょう。これから寒さに向かう今時期は木々の活動も鈍り、切られた根も再生しにくく、乾燥により痛みやすいので適期とは言えません。落葉樹は葉のない時期が移植も剪定もしやすいですが11月と2月では意味が違います。同じ寒い時期でも暖かさに向かう時が適しています。
家の建て替えや引越しで移植を頼まれることがありますが時期が悪いときはもう少し時期がずらせないものかと思う時もあります。移植の計画が発生したらなるべく早めに植木屋に相談してほしいものです。悪い時期に「来週中に引っ越すので」なんて言われても困ってしまいますから。もちろんプロはどういう時期であれ状況をわきまえてそれなりに移植も剪定もなんとかしてしまわなければならないんですがね。
投稿日:2000/10/01(Sun)
Q:さくらんぼの剪定時期はいつ頃がいいでしょうか?
A:さくらんぼの剪定時期ですが、生産農家がどのようにやっているかはよく知りませんので、一般的なお話をします。
一般家庭では落葉樹、特に実物(みもの)は実を採った直後に剪定します。実を採るついでということもありますが、実が落ちた数ヵ月後には来年の花芽が分化してしまうからです。
花芽分化後に剪定すると、当然来年の花も実も減ってしまいます。ただし、この時期の剪定は上手にやらないと、切り口から伸びた新枝を徒長させることになったり、せっかくの花芽が流れて(花芽になろうとしていた芽が葉数を確保するために葉芽に変化してしまうこと)しまったりします。
失敗が少なく、作業性の都合や、良い花、良い実をということになれば新芽が動く前(関東では2~3月)に剪定した方がいいです。梅林などでもこの時期にやりますよね。花数は確かに減りますが咲かない訳ではないし、淘汰された分よい花や実が約束されます。
結論としては2月頃ということにしておきましょうか。特に12月にやるつもりなら2月まで待ってください。切り口が乾燥して痛みますので寒さに向かう時期よりは暖かくなっていく前に剪定した方が木のダメージは少なくて済みます。