投稿日:2004/10/21(Thu)
Q:51-1 私は新潟市に住んでいます。雪は殆んど積もりません。黒松の剪定についてお伺いします。
10月下旬、黒松の剪定は遅すぎるので今年は出来ない、来年芽が吹かないと言われました。切り口から樹液を出さなくなったらもう剪定は出来ませんといわれました。でも、貴社の説明でも、色々な本を見ても、もみ上げがあり、その際、ごちゃごちゃした小枝や余計な芽を摘んでいます。剪定方法が違うのでしょうか??新潟市では芽摘み、もみ上げは見ません。
A:こちらでも松の手入れを年一回で済ませようとするときは夏の間に剪定することはあります。普通の常緑樹を剪定するのと同じように(乱暴な言い方ですが)伸びた枝を脇芽に切り戻す方法です。この際枯れ葉は取り除きますがもみあげは省略できます。
個人庭では、よほど予算が無ければこんなやり方もしますが、やはり芽摘みともみあげによってより美しい景観が保てると私は考えます。植木の生産者の圃場では、そんな手間暇は掛けていられないので前述のような剪定法を用いているようです。
金沢の兼六園に行ったときに思ったのですが、寒い地方では古葉が枝に残ることが少ないのでしょうか?こちらでは2年前の葉っぱだって枝に残ってしまうので、人間がもいでやらなければすっきりしないのです。この辺の違いが剪定法の違いに関係しているのでしょうか?
この話題に関しては私自身も知りたいところです。
Q:51-2 新潟ではやはり年一回の剪定手入れをしているようです。実は、この春本を見て、またインターネットで知識を入れて、初めて松の芽摘みをしてみました。すると7月頃になるとその芽がどんどん伸びてどうも隣の家の松とは形、格好、姿が違うのです!!ボサボサに伸びて耐えがたい姿です。そこで、もみあげ(秋でもないのに!)をしてみました。すると、散髪したように刈り上げたようになり、葉の付け根が赤白くなりとても品がよくなりました。何処の松も皆このように伸びるのでしょうか?またそのまま秋までかまわないで置くのでしょうか?見た目はあまり良くありません。夏、猛暑でしたので毎日夕方葉水をどんどんくれました。葉水をくれると葉が伸びるとも聞きましたが、本当のところはどうなのでしょうか?凝り性なので徹底的にこの際、納得したいのです。
この前、業者の人が松の剪定をしていたのですが・・良く見たら、バツバツと切ってありました・・・
A:確かに芽詰みをすると芽数が増えてボサボサになるので「ウチはミドリ詰みはしないよ」という植木屋さんがこちらでも結構います。それはそれで考え方や好みの違いですからどれが正解と言うことはないと思います。自分の信念に基づいて自分なりの手法を用いて皆さんやっているのだと思います。
「こっちの方が楽だから」とか「このやり方の方が儲かるから」みたいなことが判断の基準になることは職人として避けたいですが。自分では木のためにこうしたくても、お客さんの方から「格好なんかどうだっていいから早いとこ安くやっちゃって」なんて言われればバツバツであろうと「知ったことか」って切り方になることもあるんだと思いますよ。
葉水をすると葉が伸びるというのは私は存じ上げません。葉は根から吸い上げた水分を蒸散させる働きがある訳ですから、水分が過多になればそれを蒸散させるために葉が増えたり大きくなったりということはあるのかもしれません。