Q033:どんぐりの大木の根元から幹にかけて赤黒い小さな蟻に占領されているのを発見

投稿日:2005/10/07(Fri)

Q:33   どんぐりの大木が根元から幹にかけて赤黒い小さな蟻に占拠されているのを発見しました。幹の直径は50㌢ほどもあり、高さも10mほどあります。

 丁度1.5m位の所までの樹皮の下に蟻が上り詰めているのも発見しました。樹皮を叩くとボコンボコンと音がしたためめくると無数の蟻が出てきました。

 木は元気そうに見えますが、一枝枯れております。ご相談ですが寺の消火栓の水圧で蟻の巣等を吹き飛ばして(蟻の巣食っている全てを吹き飛ばし)て蟻の侵食をとめて元の元気な姿にしてあげたいです。

 何か良い方法はないでしょうか?
(1)素人考えでは木の蟻を駆除してセメントを樹皮の代わりに塗る。
(2)木の周りに栄養となる肥料を与えてる。
(3)日照を確保してあげる

 その程度が正しいのか、ご指導を頂けるとありがたいです。

A:蟻が木に穴を空けたのではなく、他の虫(シンクイムシとかダンゴムシなど)が空けた穴を利用しているのだと思いますが、気にはなると思います。
ただ、除去した後”セメントを樹皮の代わりに塗る”のはいただけません。モルタルと幹との間には必ず隙間が出来ます。その隙間で害虫が越冬したり、水分が停滞して腐れを起こしたりします。
昔は「樹木医の治療」と称してこんな事をやっていましたが、現在ではそういう考え方はありません。ウレタン充填やら癒合材塗布やら、手を出したがる医者(?)はあまたおりますが、私が思うには何もしないのが一番良いと思います。
何かを塗ったからといって木の寿命が延びるものではありませんし、塗らないからといって早く枯れるわけでもありません。自然の摂理のままに木は生きていきます。樹勢があればカルスを発達させるでしょうし、運命が彼を見放せば枯れるかもしれません。

肥料は木が食欲旺盛な健康体に見えるならやってください。病人のように具合が悪そうならステーキを目の前にちらつかせるのは辞めて「活力剤」程度にしてやった方がよいでしょう。

日照確保は良いですが、そのために強剪定するのは良くありません。状態を見て適度に。