Q006:我が家の愛犬が幹をかじって、皮をむいてしまいました。

投稿日:2001/10/10(Wed)
Q:以前、お隣への目隠しの相談をさせていただいたものです。
 其の後、ご近所で 良い苗屋さん(?)を見つけました。
  なにより店員さんが 若い方達みな熱心に一つ一つの苗や土についてニコニコきちんと説明してくれる事と、ずぼらな私が育てても見事に毎日 花を次々つけてくれる苗揃いなのです。
  先日のお話しにあったつる系のものを相談しましたが、今すぐ手ごろなものがなく、結局 エレガンテシマを10本植えました。
  粘土質の土だったので、土も入れ替えました。
・・・ところが いたずら盛りの我が家の愛犬10本のうちの決まった2本だけ 幹をかじって 皮をむいてしまいました。
  いぜんからあった木も一本だけお気に入りです。
 厳重注意をして どうにか齧らなくなりましたが、皮の向けてしまったものの手当てはどうしたら良いのでしょうか?
  お店でも聞いたのですが、これだけは“う~ん・・・”でした。

A:
木の皮は言うまでもなく、非常に重要な役目をしています。根からの水分を葉に運ぶ道(広葉樹の場合は道管、針葉樹では仮道管)は幹の真ん中ではなく、ほとんど外周に近い部分にあります。一皮むけばそこにあるわけです。年輪で言えば広葉樹の場合は一番外側の年輪部分、針葉樹でも外側の4~5年分のところに機能が集中しています。
かじられた程度がわかりませんが、ダメージを受けていることは間違いないでしょう。一度寸断された「水道(みずみち)」は修復不可能です。「水切り」しなかった花は、どう対処しても長持ちしないのと同じです。
コニファーのような針葉樹の仲間は広葉樹に比べれば、まだ「皮むきの刑」には耐える方ですが、程度によっては枯れ死します。結論を言えば、むけた皮の手当て(修復)はできません。せいぜい、腐朽菌の侵入をくい止めるための癒合剤の塗布くらいでしょうが、時間が経っていればそれも無意味です。
林業などでは、山の動物が幼木の皮をかじらぬように防護カバーを幹に巻いたりしています。