投稿日::2005/05/30(Mon)
Q:59 庭木の山茶花(高さ90cm、植えて8年位)の葉が丸くなり(数字の6みたい)、葉が黒っぽい緑になっているのが3本ほど(全体で40本あります)あるのですが、何か病気なのでしょうか?。水は同じようにやっているのですが?。
A:確信は無いのですが、見たところ病気でも虫でもなく生理現象のように思えます。経験上問題が見あたらないのにサザンカの元気がない場合、一番多かった原因は「根詰まり」でした。
サザンカの根は多くの細根で出来ているタイプです。サツキやツツジなどに似ています。こういう細根性の木は自分の根鉢とその外側の土質が違うと新しい根が外に伸びていかず、自分の根鉢の中で絡み合って根詰まりしてしまうことがあります。ちょうど鉢植えにした木が何年かすると根詰まりして、鉢から抜くとカチカチになっているように、地植えでもサザンカはそうなるのです。
掘り上げてみると、根鉢が固くなっていて新しい根はいくらも外に出ていないのです。そういう状態になるといくら水や養分を与えても吸い取ることが出来ず衰弱していきます。写真だけで判断するのは危険ですが私にはそんな状態に思えてなりません。
試しに少し根の周りを掘ってみて頂けませんか?ぐるりではなく一部でも結構です。もし白根があまり出ていなくて古根が固まっているようでしたら良く切れるハサミで古根を少し切り詰めてから周辺の土を鹿沼土か赤玉土で埋め戻して様子を見てください。時間はかかりますが樹勢が有る木なら元気になっていくと思います。
掘ってみて細い白根が柔らかく八方に張り出しているようなら私の見込み違いです。
投稿日::2005/02/04(Fri)
Q:58 あおはだ、あおだもなどの株立ちの落葉樹を植えるのですが、ねじめに何か低木か、地被植物(コケも考えていますが)の植栽をあえてやろうとすれば、和風庭園の場合、どのようなものが使えるでしょうか?玉リュウ、リュウの髭は除外します。
日当たりのあまり良くない陰地です。
A:うんと小振りのササなどは似合うと思いますが、他に挙げればクラマシダ、セキショウ、フッキソウ、ヤブラン、ヤブコウジ、ホトトギスなどでしょうか。ちょっと洋風ですがアジュガは日陰に強いです。
投稿日::2005/01/21(Fri)
Q:57 今の時期の剪定ですが(東京です)、「能書き」のコーナーで剪定の時期を拝見いたしましたが、きんもくせいなどは、あまり良くないように(木にとっては寒さがこたえる、、)かかれて降りました。しかし、、しいて剪定をしようとすると、どのような点に気をつけて剪定をしたら良いでしょうか?
A:要は庭木の身になって考えてあげれば良いだけです。寒空に裸は寒かろうなぁと思えばあまり強くは剪定できないはずです。理屈を言えば寒さだけでなく乾燥も強敵なので切り口の面積が大きいと乾燥によって春の萌芽が危うくなるわけです。だから太いところでブツブツと切る強剪定は可哀想なわけです。
ばってん北の国の木(主に針葉樹類)は2月頃の剪定が一番よいと言われています。寒さにも強いし樹液も濃いから乾燥にも負けないんでしょうね。
投稿日::2005/01/05(Wed)
Q:56 アジサイの移植を考えています。
挿木の容易な樹種は移植が困難と聞きますが。
移植の適期と掘り取り時の注意点など教えて頂ければと思います。
A:葉が落ちている今の時期なら多少手荒なことをやっても大丈夫ですが、寒さのピークを過ぎて日に日に暖かくなる頃(2月中旬頃でしょうか)が適期かと思います。よく切れるエンピやスコップを使い、掘った根の先をよく切れるハサミできちんと切り直しておけば切り口の処理もそれほど気にすることはありません。ちぎったような切り方さえしなければ。
掘り取り時に多少土が落ちてしまっても大丈夫ですが、植え穴は大きめに掘り良質土を客土して、根と土がよく密着するように十分に水ぎめをしてください。水が凍らない日時を選んでください。どんな小さな株でも確実な支柱をしてください。このことは今後の発根に大きく影響します。肥料は根付いてから与えればよいでしょう。元肥を入れる手もありますが場合によっては根焼けの原因になるのでお薦めしません。
投稿日:2004/11/05(Fri)
Q:55 ツバキ高さ3m、葉張り1.6m程の樹形に蕾がびっしりとついている現況で、高さを半分にして欲しいと頼まれました。
2~3月の剪定作業(根切りもする予定)の前に、体力温存として今ある蕾を半分ほど落とそうと思うのですが(施主は今年は花が見れなくても良いとおっしゃっています)、これで剪定後の回復に差は出ますでしょうか?
A:文章の意味がよくわからないのですが、高さを半分にするのは来年の3月なんですよね。で、その前に今ある蕾を減らした方が良いかということですかね?
花がたくさん咲くと木が疲れるかという質問だとすると、花が咲くこと自体に問題があるのではなく、花が終わって種が出来ることに問題があるのだと理解してください。つまり花が咲き終わる前に花柄を付け根から取り去ってやれば木は実を付けませんから、それほど疲れないと言うことです。その作業が手遅れになりそうなら先手を打って蕾をもぎ取るしかありますまい。
花をいっぱい咲かせようとするということはそれこそ木が疲れている証拠ですから、むしろ問題は蕾をびっしり付けているという今の状況なのです。現在疲れている木の蕾を取ったくらいで強剪定後の回復力が高まるとは思えません。まあ取らないよりはマシでしょうが。
強剪定の際は「幹焼け」にご注意ください。椿やサザンカは急に枝数を減らされると枯れ込むことがあります。西日が当たるような場所では特に注意を。
投稿日:2004/11/15(Mon)
Q:54 ゴールドクレストが大きくなりすぎ(樹高5メートルほど)先月の台風で倒れてしまいました。そこで樹高を低くしたいのですが、芯を切る強剪定はいつ頃行ったら宜しいのでしょうか。
A:最適なのは2~3月だと思いますが、それほど寒さが厳しくない地方なら今でも大丈夫かもしれません。
それにしてもゴールドクレストは町のいたるところで倒れていますね。幹や枝葉の成長に比べて根が発達しないのでやっかいな木です。私が造園する際に、お客様が植えたいとおっしゃっても「やめときなさい」と言ってしまう木のひとつです。
投稿日:2004/12/09(Thu)
Q:53 移植についてお聞きしたいのですが、庭にキンモクセイやマキ、カシ、ツゲ、ウメなどが植わっており、家を新築するにあたり移植をしたいと思います。植えてから30年くらい経ち、割と大きい木かと思います。移植によい時期を教えてください。また、根回しはする必要がありますか。教えてください。なるべく手間はかけたくないのですが・・・。
A:初めに申し上げますが、移植に手間暇を掛けたくないなら移植などを考えずに新規に植木を買って植えるべきです。移植ほど手間とお金がかかり、しかもリスクの大きい作業はありません。
30年も経っている木なら根回しは絶対に必要です。2~3月に根回しをしたとして移植できるのは常緑樹で1年以上後の5月、落葉樹なら1年後の2月頃が良いでしょう。樹種によっては落葉樹でも梅雨明け過ぎの方がよい物などもあります。いずれにせよ最低1年は置かないと根回しの意味がありませんので長期的な計画が必要です。
通常、新規に購入して植えてもらった木なら枯れ補償が数ヶ月~1年は付くのが普通ですが、移植した木には枯れ補償が付かないのが一般的です。移植して万一枯れても責任は問えないという事です。それでも移植を望む方はその木に対してお金に代えられない「思い入れ」を持っている人でしょう。
30年も生きてきた木々を簡単には見捨てることは出来ないのが普通です。でも移植しても枯れてしまうかもしれないという事にお金を掛けるなら、いっそ新規に植え直そうというのも一つの考え方です。木の命を絶つようで忍びないかもしれませんが、あなたの庭にやってくる新たな木々達も、またそこに生まれる新しい命です。
投稿日:2004/10/22(Fri)
Q:52 キンモクセイについての質問です。
樹齢は不明ですが、20年前にすでに8mくらい、直径も20cmくらいありました。
現在もっと成長しまして、10mはあるかと思います。
花も咲き終わり、今回の台風で葉が散り、ご近所にも迷惑なので、高さを半分くらいにしたいと考えていますが、大丈夫でしょうか?
切っても大丈夫でしたら、切った後の切口の処理も教えていただきたいです。
A:樹勢の状況が解りませんがたぶん切っても大丈夫でしょう。枝はむやみにズンドウに切らず、必ず脇枝を残して脇枝のすぐ上で切るようにしてください。脇枝の先も切り詰める事になると思いますが出来るだけ先端に葉を残せる位置で切ってください。
切り口には殺菌剤が入った癒合材を塗ることをお薦めします。ただの接蝋(つぎろう)でも良いという人もいますが、私はどうしても腐朽菌が怖いので殺菌剤入りのものを選びます。私が使っているのは「デンドローサン」というものです。トップジンMでも良いと思いますが色が派手なので好みません。
CODIT論※を唱えたシャイゴ氏は「自分の唇に塗れないものは木の傷口に塗るな」とおっしゃっています。樹勢があれば腐朽菌の侵入を食い止め治癒する力を木は持っています。切断法さえ正しければ切り口に何かを塗る必要はないというのも一理あるとは思います。間違ってもクレオソートなんかは塗らないでくださいね。
投稿日:2004/10/21(Thu)
Q:51-1 私は新潟市に住んでいます。雪は殆んど積もりません。黒松の剪定についてお伺いします。
10月下旬、黒松の剪定は遅すぎるので今年は出来ない、来年芽が吹かないと言われました。切り口から樹液を出さなくなったらもう剪定は出来ませんといわれました。でも、貴社の説明でも、色々な本を見ても、もみ上げがあり、その際、ごちゃごちゃした小枝や余計な芽を摘んでいます。剪定方法が違うのでしょうか??新潟市では芽摘み、もみ上げは見ません。
A:こちらでも松の手入れを年一回で済ませようとするときは夏の間に剪定することはあります。普通の常緑樹を剪定するのと同じように(乱暴な言い方ですが)伸びた枝を脇芽に切り戻す方法です。この際枯れ葉は取り除きますがもみあげは省略できます。
個人庭では、よほど予算が無ければこんなやり方もしますが、やはり芽摘みともみあげによってより美しい景観が保てると私は考えます。植木の生産者の圃場では、そんな手間暇は掛けていられないので前述のような剪定法を用いているようです。
金沢の兼六園に行ったときに思ったのですが、寒い地方では古葉が枝に残ることが少ないのでしょうか?こちらでは2年前の葉っぱだって枝に残ってしまうので、人間がもいでやらなければすっきりしないのです。この辺の違いが剪定法の違いに関係しているのでしょうか?
この話題に関しては私自身も知りたいところです。
Q:51-2 新潟ではやはり年一回の剪定手入れをしているようです。実は、この春本を見て、またインターネットで知識を入れて、初めて松の芽摘みをしてみました。すると7月頃になるとその芽がどんどん伸びてどうも隣の家の松とは形、格好、姿が違うのです!!ボサボサに伸びて耐えがたい姿です。そこで、もみあげ(秋でもないのに!)をしてみました。すると、散髪したように刈り上げたようになり、葉の付け根が赤白くなりとても品がよくなりました。何処の松も皆このように伸びるのでしょうか?またそのまま秋までかまわないで置くのでしょうか?見た目はあまり良くありません。夏、猛暑でしたので毎日夕方葉水をどんどんくれました。葉水をくれると葉が伸びるとも聞きましたが、本当のところはどうなのでしょうか?凝り性なので徹底的にこの際、納得したいのです。
この前、業者の人が松の剪定をしていたのですが・・良く見たら、バツバツと切ってありました・・・
A:確かに芽詰みをすると芽数が増えてボサボサになるので「ウチはミドリ詰みはしないよ」という植木屋さんがこちらでも結構います。それはそれで考え方や好みの違いですからどれが正解と言うことはないと思います。自分の信念に基づいて自分なりの手法を用いて皆さんやっているのだと思います。
「こっちの方が楽だから」とか「このやり方の方が儲かるから」みたいなことが判断の基準になることは職人として避けたいですが。自分では木のためにこうしたくても、お客さんの方から「格好なんかどうだっていいから早いとこ安くやっちゃって」なんて言われればバツバツであろうと「知ったことか」って切り方になることもあるんだと思いますよ。
葉水をすると葉が伸びるというのは私は存じ上げません。葉は根から吸い上げた水分を蒸散させる働きがある訳ですから、水分が過多になればそれを蒸散させるために葉が増えたり大きくなったりということはあるのかもしれません。
投稿日:2004/09/29(Wed)
Q:50 北風よけに植えてある貝塚いぶき周辺1メートルくらいのところにバラを植えたいのですが、母が貝塚いぶきは勢いのある気だから近くには植えない方がいいというのですが本当でしょうか。根元に小菊が植えてあるのですが、花も小さいような気がします。バラの庭にしたいのですが植える場所がそこしかないので何とかならないでしょうか。
A:バラの種類にもよるでしょうが管理面からしてもスペースは広めに取った方がよいでしょう。日当たりや風通しが悪いと病害虫も付きやすくなります。
思い切ったことが出来るならば、カイヅカイブキの樹高の半分から2/3くらいから下の枝すべて幹元まで切ってしまってスタンダード仕立て(棒の先に玉が付いてるような形)にしてしまうことです。ただし、こうしたらカイヅカは元の形には戻せません。北風よけの効果も薄れるでしょう。
限られたスペースで多くの植物を共存させていくのはとても難しいことです。優先順位をはっきり決めて、犠牲にするものは思い切って切り捨てていかないと結局どちらも良くなっていかないことになります。