投稿日:2008/08/28(Thu)
Q:49 実家のビルの屋上に、今年80になる父の祖父の時代から育ててきた松の植木が何鉢かあります。
先々週のお盆の前後、父が体調を崩してしまい、1週間以上水遣りができなかったためか、葉がすっかり赤茶けてしまい、枯れてしまったかに見えます。
これまで病気をおして育ててきた父も、もうこれは無理だろうといって、処分せざるをえないと言っています。
私は植木はまったくの素人です。ただ、葉っぱは赤茶けているものの触ってもぱらぱら落ちないし、幹もぱきぱきと折れてしまう状況ではないので、なんとか持ち直してもらえるのではないかと希望を持っているのですが。
葉は落ちなくても、やはり父の言うように枯れてしまっているのでしょうか。もしくは、水浸しにするなどで助ける手はあるのでしょうか。何十年も生きてきた松に申し訳なく思います。
A:植物というのは「沈黙の臓器=肝臓」のようにぎりぎりまで耐え抜いて限界が来てから症状を現すような所があって、目に見えて衰弱がわかるような段階ではもう手遅れという場合が多いのです。
たぶんその赤茶けたマツの復活は難しいと思います。今はまだ水気があるように思えるでしょうが、それはマツの樹液がヤニで満たされているため症状の見え方がワンテンポ遅れているだけなのです。他の木に比べてヤニ質の針葉樹は切り取られてから枯れるまでの時間が長いのです。根のないクリスマスツリーしかり正月の松飾りしかり、、、。
一万分の1の望みがあるとしたら地に下ろしてやるのが一番早いかもしれません。鉢ごと水につけたあとの話ですが、鉢から外して地面に直接植え替える。地面が無いなら大きめの箱などに清潔な用土を入れて(なるべく鉢植えの土に近いもの)植え替えてください。
もはや水や養分を吸収する力も弱っていると思いますので肥料は入れません。で、近くに松林はありますか?何年も松の枯葉が堆積しているような場所からその古い松葉に付いている白い菌糸状のものを持ってきて欲しいのです。そこには松の「菌根菌」がいるはずです。他の木の枯葉では駄目です。
「ヒトにはヒトの乳酸菌」なんていうコマーシャルがありますが「松には松の菌根菌」でなければ駄目らしいです。細かいことは興味がおありならまた説明しますが、とにかくこの「菌根菌」が枯れそうな松を救う最後の手段かもしれません。
地に下ろした根鉢の上に菌根菌付きの松の古葉を敷いてたっぷりの水を遣ってください。半日くらい浸けておくくらいでも構いません。「松は水を嫌う」などと言う人もいますが弱っている松にはたっぷりの水が効果的です。(庭木の場合もそうです。)
たぶんあなたのその松は手遅れですが、ワラにもすがる思いならお試しを。