Q089:ジューンベリーの樹が成長した時に根が家の基礎に影響を与えることはあるのか

投稿日:2007/06/23(Sat)

Q:89    建物と庭木を植える位置についてご意見を聞かせていただけますでしょうか。
ジューンベリーの1mぐらいの苗木を家の外壁から50cmぐらいのところに植えようと思うのですが、樹が生長したときに根が家の基礎などに影響を与えることはあるのでしょうか。狭い庭なので、植えられる場所は限られています。
できればモミジなども植えたいと思っているのですが。

A:昔の木造住宅では布基礎もあまり強固ではなかったので木の根が基礎にヒビをもたらしたりすることはありましたが、近年では基礎も家も頑丈に造られていますから根っこが家をひっくり返すなんて事はあり得ません。
根も乾燥して雨も当たらない床下にはよほどのことがなければあえて根を伸ばしたりしないでしょう。むしろ心配するなら雨水や下水のマス周辺です。配水管がきちんとマスに接続されていなかったり、当初は接続されていても長年の間に地盤が沈下して接合部に隙間が出来たりするとその隙間から根っこが侵入して配水管を詰まらせたりすることがあります。

さて、ジューンベリーですが、これは成長が早くて大きくなる木ですから植え場所はよく考えなければなりません。家から50センチでは3年で壁にこするでしょう。その壁と木の間を通路にするのであれば植えるのはやめた方がよいでしょう。狭い庭ですといずれにせよ近い将来枝が邪魔になってきて強い剪定を余儀なくされるでしょうから結実も悪くなり何のために実物を植えたのかわからなくなってしまいます。

モミジなどなら下枝が無くても上の方の枝だけで結構サマにはなりますがブツブツに切り詰められたジューンベリーは格好が悪いでしょう。

家の基礎への心配もあるならばいっそのこと大きな鉢植え(円形プランターとか)にしたらどうでしょうか?成長も抑制できるし大きくなりすぎたときも移動や処分しやすいし、鉢植えで根が窮屈な状態になれば実成りがが良くなってたくさんの実を楽しむことが出来ます。水やりは地植えの物よりは少し大変だけれどメリットの方が多いと思います。

もう一つの方法は挿し木で子孫を増やしておき、元の木が大きくなりすぎたら抜いてその苗木を植え直す方法です。大きくなりすぎる前に更新すればそれほど大変ではありません。

1本の木に対して地中にどのくらいの根っこが付いているのか、素人の方は結構甘く見ています。根の先はその木の枝先の真下までは必ず伸びています。枝葉の巾が1メートルあれば根の範囲も1メートルあるのです。
乱暴な言い方をすれば木を地際でちょん切ってひっくりかえして地面にズブッと差し込んだくらい根っこは地中にあるものと思ってください。苗木を買ってきた時の根鉢の大きさのまま生きていくわけではありません。 そんなことも想像しながら位置決めをなさってください。