投稿日:2003/06/10(Tue)
Q:36 マツの剪定は,まず、頭を作り,上の枝から順に下へ降りるのは分かりますが、一つの枝では、枝の付け根から枝先に向かって 進めるのか、先ず、先を決めて幹に向かって進めるのか基本は、どっちなのでしょう?
A:おもしろい質問ですね。基本がどっちと言われても決まりがあるわけではないと思うのですが、私なら枝元(幹に近い方)から手を入れていきます。根拠は2つあります。
松に限らず通常剪定は太い枝から細い枝そして枝先へとやっていきます。枝の流れをつかむには幹から追いかけてこなければならないので当然枝元に目をやります。そして不要な枝があればまずそれを抜いてから先の方へ進みます。枝先を整えてから不要枝を抜いたりするのは時間の無駄になるばかりでなくポッカリ穴をあけてしまったりするのです。まず「枝筋」そのあと「形」だと思うのです。
もう一つの理由は、枝先から手を入れたとするとその部分は完成されているわけで小さな脇枝や脇芽に切り戻されている場合が多く、その部分は非常に弱くデリケートです。ちょっと肘を引っかけたりすればせっかく残した大事な芽を欠いてしまうことになります。完成されたところにはなるべく触れないようにしなければなりません。切り戻す前なら多少肘が当たっても大丈夫ですから思い切り奥まで腕を伸ばして枝元の方を処理してから徐々に手前に逃げてくるのがいいと私は思います。
余談ですが
初心者のうちはどうしても「形」が先行して形を整えることに神経が集中してしまい、内部の無駄枝や枯れ枝に目が行きません。ウチの従業員にも「外側をなでてるだけじゃ”手入れ”じゃない。木の中の方に手を突っ込むから”手入れ”なんだ。」とよく言います。枝の流れが掴めるようにならないと良い植木屋にはなれません。難しいんですけどね。