Q076:昨年の冬植えたアメリカンチェリー、剪定したほうがいいのでしょうか?

投稿日:2006/06/22(Thu)

Q:76    去年の冬、アメリカンチェリーの苗を鉢に植えました。
だいぶ、新しい枝が伸びてきましたが、剪定をしたほうがいいのでしょうか?教えてください。

A:桜は切り口から腐れが入りやすいので、なるべく枝が細いうちに剪定しなければなりませんが、さりとて苗木のうちにあまり剪定すると葉数が減って樹勢を弱めます。明らかに忌み枝(懐枝、からみ枝、平行枝など)ならば早めに除去すべきですが、「木は葉で栄養を作っている」ということを考慮した上で適度に行ってください。

この時期、木々の葉が茂り出すと、人間の心理としてはばっさり切ってさっぱりさせたくなるものですが、木は意味があって(必要があって)葉を茂らせているわけですから、そこのところをうまく折り合いを付けて頂きたいと思います。

剪定が必要かどうかはおおむね人間の都合です。木は無駄な枝葉などひとつも付けてはいません。木は”切って欲しい”なんて言ったことがありません。「切ってもいいよ」とは言ってくれますが。

Q075:ヤマザクラの伐採を考えているところです。

投稿日:2006/06/14(Wed)

Q:75    昨年中古の住宅を購入したのですが、庭先に以前住んでいた方が植えられたヤマザクラらしき木があります。
 落ちていた枝をさしておいたのが根付いたものらしく、今では2階に届くほど大きく育っています。
 春にはかわいい花を咲かせてくれるのですが、あっという間に去年よりひとまわりも大きくなってしまったのと、葉っぱに虫がたくさんつくのに困って伐採を考えているところです。

また、サクラは根が張るので家の庭には植えないほうがいいという話も聞きました。
そこで、1.もし伐採する(抜いてしまう)としたら費用はいくらくらいかかるのでしょうか 2.伐採(抜く)以外に対処法はないのでしょうか?

せっかく育っているものを切って(抜いて)しまうのもかわいそうだと思い迷っているうちにどんどん育ってしまいました・・・良いアドバイスお願いします。

A:
費用はご近所の植木屋さんに相談すればよいと思いますが2~3万(伐採。ゴミ処分込み)ではないでしょうか?
根まで抜くとすればもっと掛かります。

サクラは一般の庭では育てにくいモノです。大きくならないように剪定すれば腐れが入りやすく長生きしませんし、伸び放題には出来ないし、、、。植えても結局20年後には撤去するはめになります。やはり広い公園や山に出かけて眺めるものではないでしょうか。シダレザクラは幾分成長が遅いので、場所は取りますが”使いよう”かもしれません。

 

Q074:枝垂れ梅の剪定の仕方を教えてください。

投稿日:2006/06/07(Wed)

Q:74    枝垂れ梅の剪定の仕方を教えてください、何しろ素人ですので時期は何時どの位斬ればいいのか、その他諸々教えて下さい、
その他いろいろご指南があると思いますが宜しくお願いいたします。

A:文字で説明するのは難しいですが、木の中心に向かって伸びている枝(逆さ枝、懐枝)は根元で切り、外に向かって弧を描いている方向の良い枝を残します。切り戻すときは外芽のすぐ下で切り戻し、切り詰める時も外芽が先端に残るように切ります。
普通種の梅ですとあまり徒長枝は残しませんが、枝垂れの場合は良い方向のものなら残し、先端も軽く挟む程度の方が「らしく」なります。

時期は7月中までに済ませます。
枝垂れものはたいがい原種よりも樹勢が弱いので切りすぎると弱って枝枯れしたり幹焼けしたりしますので強剪定は避けます。ただでさえ場所を取る木ですから周囲には余裕をもってのびのび育ててやれれば美しい樹形になります。基本的にはあまり切り込まずに無駄枝だけを抜く程度の方がよいでしょう。

Q073:ケヤキ2本を植木屋さんに強剪定してもらったら、ブツ切り状態になった

投稿日:2006/05/22(Mon)

Q:73    大きくなりすぎたケヤキ2本を植木屋さんに強剪定してもらいましたが、こちらでいうブツ切り状態になってしまいました。
  春になり、不定枝が茂り、幹からも枝がたくさん芽吹いてしまいました。取りあえず幹の部分の芽吹きは全部掃ったのですが、この後残りの部分(上の方)をどうすればいいのか途方に暮れています。
  アドバイスをいただけましたら本当にありがたいのですが・・・。

 A:ただ「小さく」とか「さっぱり」とか「ばっさり」とか言ってしまうとぶつ切りにされる場合もあるでしょう。「なるべく樹形を生かして切り戻して」と言えば解る人ならわかってくれるでしょう。

ウチでは「出来るだけ小さく」なんて言われると「ぶつ切りにすると本来の樹形が損なわれ、格好悪くなりますがいいんですか」と確認するようにしています。お客様が希望する輪郭部分に切り戻す小枝が無ければどうしてもぶつ切りにせざるを得ない場合もあります。

おっしゃる状況になったケヤキは、はっきり言って元の樹形には戻りません。ケヤキのプライドを捨てて(1)玉ちらしみたいなモノに形を変えていくか、(2)2,3年間手を付けずに放置するか、あるいは(3)地際で伐採して吹かし直して株立ちに仕上げていくか、方法はこの3つのいずれかでしょう。
ケヤキの自然樹形をどうしても取り戻したいなら一番良いのは(3)です。2月頃なら成功する確率は高いですがリスクはあります。

植木屋はお客様の言いなりに仕事するだけでなく、要望に添えば作業後の木がどうなるのかを一応説明すべきだと思います。
でも「なんでもいいから早いとこバッサリ切っちゃってくれ」なんて返されると泣きたくなりますがね。

Q071:古木の散し玉仕立てのモチノキを一度丸坊主にして作り直したい

投稿日:2006/04/12(Wed)

Q:71    我が家にある古木の散し玉仕立てのモチノキを一度丸坊主にして玉を小さく作り直したいのですが、今の時期に坊主にして大丈夫でしょうか?

A:新芽が出る直前が理想的ですが、樹勢があれば今でもぎりぎり大丈夫でしょう。
「丸坊主」はあまりお薦めしませんが、、、。なるべく小枝や小さくても芽が当たっている所で切ってください。

Q072:けやきが台風で何度も倒れてしまい、深く植えてしまいました

投稿日:2006/04/12(Wed)

Q:72    けやきを植えて二年になります。一年目から台風で何度も倒れてしまい、とうとう今年の冬に深く植えてしまいました。
  今現在、一枝からしか葉がでてきていません。(あと5枝からは葉がでていません)幹の下のほうから葉がでてきたり・・・・変だなと思いあわてて調べていたら深植えが原因ではないかと思いました。土は粘土質です。植え替えの時に腐葉土は入れたりしました。
  葉がでてきていない枝はどうすればよいでしょうか?またこれからどうすればけやきにとってよいことなのか教えてください。

A:支柱はしていないのでしょうか?木の大きさがわかりませんがケヤキなら鳥居支柱が普通でしょうね。歩道の街路樹などにやってある丸太の支柱です。支柱がちゃんとやってあれば倒れることは少ないと思いますが、、、。
支柱が掛けられていなかったり、不十分だったりすると、せっかく伸びてきた新しい根が揺らされることによってブチッと切れてしまい成長がいじけてしまいます。支柱は植えた直後はとても重要です。

また、「深植え」は確かに木を弱らせる大きな要因です。ましてや腐葉土の混入は水はけの悪い粘土質の土には逆効果となります。腐葉土は保水性を高める役割が主なので湿気やすい土壌を助長してしまいます。パーライトやホワイトロームなどの土壌改良材か砂を混ぜるのが適しています。

葉が出てきていない枝は表皮をちょっと削ってみて緑色ならそのままにし、茶色くカサカサなら青いところまで切り戻します。切る枝の方がずっと多くて残る枝が不格好になるなら思い切って地際から10センチくらいの所で伐採して、脇から吹く芽をうまく育てて「株立ち」にする手もあります。

Q070:カツラの木を庭に植えようと思っています。

投稿日:2006/03/07(Tue)

Q:70   カツラの木を庭に植えようと思っています。
ただ、うちの庭は南向きで前は道路、日差しをさえぎるものが全くありません。このような環境でも大丈夫でしょうか?葉やけをするのでは?と心配しています。(ちなみにヤマボウシは葉のふちが茶色になってしまいます)
 水遣りはなるべくするようにしています。庭土は粘土質です。

カツラは水を好むと聞いたのですが、夏の水遣りも多めがいいのでしょうか?
ヤマボウシの葉が茶色にのは、葉やけなのでしょうか?それとも水不足?
ヤマボウシは日が当たりすぎる環境は適していないのでしょうか?

スペースはあり、緑陰のつくれる木を植えたいと思っています。洋風の庭なので「ニセアカシア」も候補ですが、根が浅く台風対策に不安があるのと、ひこばえが出てくると聞いたので思案中です。
 何かおすすめの木があれば教えてください。関西地方です。

A:カツラ!いいですねえ、私も大好きな木です。若葉の色といい、風になびく枝の柔らかさといい、秋も楽しめて幹も美しい、、、素敵な木です。

確かにカツラは水湿の林によく生えている木です。京都の桂川付近とか、、、。とはいえ土質によっては水のやりすぎはかえって毒ですから「水を好む」ことを意識しながら様子を見るという程度でしょう。

ヤマボウシの葉がいつ頃どんな風に茶色いのかによって判断は異なりますが、落葉期より少し前に病斑のようなものが出てばらばらと葉が落ちるなら「炭疽病」の疑いがあります。

風でこすれて葉先が茶色くなることもありますので、モノを見ないとわかりません。ご心配でしたら写真に撮って「画像掲示板」の方でご質問ください。

カツラにまつわる話は多く、検索してみるとおもしろいかもしれません。落葉期に甘い香りを放つのも不思議といえば不思議です  スペースがあるなら是非植えて頂きたいです。洋風の庭にも合いますし、ニセアカシアより私はカツラをお薦めします。

葉は確かにずっと無傷でいることは出来ませんが、成木になればそれほど気にならないはずです。強剪定を避け、出来るだけ自然樹形を保てば幹焼けや葉焼けはしないはずです。

ミモザアカシアなども相変わらず人気ですが、成長が早すぎてもてあましている方も多く、ゴールドクレストに似た厄介者にもなりかねません。ノビノビと大きく育って空を真っ黄色に染める姿は圧巻ですが。

カツラのファンとしては他の木は薦めたくないなあ、、、。

Q069:ねこ、いぬのおしっこは植物が枯れる原因になりますか?

投稿日:2006/03/04(Sat)

Q:69    植物が枯れる原因として、ねこ、いぬのおしっこはあげられるのでしょうか?
  道路際に植えられているタマリュウがたまに黄色く変色しているのは動物のおしっこではないかと思っておりますが、中低木も枯れてしまうのでしょうか?

A:中低木まで枯らすかどうかはわかりませんが、草花や芝などは十分枯らす力を持っています。特にネコのはキツい、、、。

ただ、彼らの肩を持つわけではありませんが、枯れる原因は糞尿のせいだけではありませんので他の原因も色々検討する必要はあります。あくまでも原因のひとつに過ぎません。

例えばタマリュウなどは強いようでも雪を載せっぱなしにしておいたりすると結構痛みますし、霜柱で持ち上げられて枯れたりもします。草花や芝でもそうです。

おしっこを現行犯でつきとめたなら、水をたっぷり撒いて薄めるしかありませんね。

Q068:5年前に植えた玉造りのキンキャラ、移植時期は何月頃が最適でしょうか?

Q:68    5年前に植えた玉造りのキンキャラです。直径60センチ、高さ50センチの大きさです。自宅敷地内で移動したいのですが、移動時期は何月頃が最適でしょうか。
  また、その時に注意することがありましたらば、合わせてお願い致します。よろしくお願い致します。

A:移植の適期は4月~7月と9~10月ですが、できれば2~3月に根回し(根切り)をしておいてください。今年根回しをして翌年に移植した方がより安全です。(枯らしたくないならば必ず根回しをして1年待ってください。)

注意点は根を切る時は良く切れるハサミできちんと切り直すことです。スコップで切っただけだとちぎられたような切り口になり腐れが入りやすく、細根の発根も遅れます。
もう一つ、根鉢の土はなるべく落とさないように、できれば根巻きをしてから移動してください。

移植そのものに言えることは「移植はできるだけしない」ことだと私は思っています。移植によって木はかなりダメージを受け必ず寿命を縮めます。場合によっては枯れてしまうリスクも背負うわけです。やむを得ない事情なら仕方ありませんが、木の健康を考えず人間の都合だけで安易に移植するのはなるべく避けたいものです。

移植の際は根を切った分、地上部も剪定・刈り込みをするのが普通です。ただし、切りすぎないようにお願いします。状況が許せば(すぐに萎れるなどの症状がなければ)切らないで済めばそれに超したことはありません。

以前私は、移植の際はできるだけ地上部を剪定した方がよいと思っていました。その方が木に負担が無く活着しやすいだろうと勝手に思っていました。間違いに気付いたのは植木屋を始めて10年も経ってからです。お恥ずかしい話ですが。

当たり前の話ですが木にとって枝葉は重要な要素です。発根に必要な植物ホルモンやビタミン類を生産するのにたくさんの葉が必要です。ましてや移植によって新しい根を出さねばならない状況にあって葉が少ないのは致命傷です。
根を切った分、上も減らしてやろうというのは人間の勝手な想像であって、切られた根に対応する葉がどれかなんてわかるはずがありません。切られた根に対応していた葉は木が自分で枯らすそうですからおせっかいもほどほどにしなければなりませんね。
移植してから萎れだした葉を刈り取る程度で良いのでしょう。そういう意味でも一発で移植するより事前の根回しが重要なんですね。

Q067:マンリョウを植え替える適期は何月頃?

投稿日:2006/01/15(Sun)

Q:67    もう少し暖かくなってきたらマンリョウを植え替えたいと思っているのですが、横浜あたりですと、何月頃が適期でしょうか。

あと手元にある船越亮二さんの著書には「植え替えは必ず地上部を切って行う」と書いてあるのですが、やはり切らないとダメでしょうか。実がなっているのを何本か鉢植えにもしてみたいと思っているのですが、欲張りは良くないですかね?

A:さて、ご質問の件ですが確かにマンリョウは移植を嫌うようです。ウチでも改造園の時など一時的に既存の下草などを移植したりしますが、マンリョウはダメになるものも半分くらいあります。
チンチョウゲと同じように若い株ならそれほど難しくありませんので、移植するなら年数を食わないうちにやった方がよいのでしょう。株を生かすことを優先するなら地上部を切るのも一つの手でしょうが、緊急性が無いのなら5月に「取り木」に挑戦してみるのも良いのでは?幹の部分を「環状剥皮」して水苔を巻いて発根させてから切り取るゴムノキなどにやるアレです。失敗してもダメモトですしうまくすれば上も下も活かせるってワケです。欲張りすぎですかね?

移植の時期は4月~6月くらいが良いと思いますが2、3月に軽く根切りだけしておくと活着率が高まります。挿し木や取り木は5月くらいでしょうか。最近の気象は変化が大きすぎて指針になりませんが。