Q:ヤマボウシの葉先が黒くなり、しおれて、最後にはパサパサになってしまいます。
いろいろ薬を散布しましたが、適切な処置を教えていただけませんか?
A:原因もわからないでやたらと薬剤を散布するのはいけません。かえって薬害を引き起こします。
新芽はか弱いので風で葉がこすれたり、強い風にさらされただけでも葉先が黒くなることはあります。病気なのか生理現象なのかの見極めが必要です。
湿度が高くなるとカビ性の病気にもかかりやすくなります。たとえば「葉枯病」や「炭そ病」がそうです。病斑部分は切り取って捨てた方が病気の広がりを抑えられるでしょう。どのみち薬剤を散布しても死んだ細胞が生き返るわけではないので取ってしまった方がいいです。
カビ性の病気だと判別できるのならベンレート水和剤を散布するのが無難でしょう。既に病気になった部分が治るわけではありませんが、病気の拡散は防げますし比較的広範囲の病気に有効ですから無駄にはならないでしょう。
リンク集の「タケダ園芸」さんのページは簡潔で素人の方にもわかりやすいと思います。参考にしてみてはいかがでしょうか?
Q:庭にマダニが多くて困っています。
犬を飼っているので強い薬は避けたいところなのですが、 冬を除いて、長い期間、人までマダニの被害に合います。
バラの周囲が特に多いように思いますが、それ以外のところでも発生しています。
また、庭でハーブを育てようと思っているのですが、このような状態でも大丈夫でしょうか?
A: マダニは確かに庭に生息していますが、えさはあくまでも哺乳動物の「血」ですから、植物に付いているわけではありません。
ですからバラやハーブと関連性があるとは思えないのです。ただ、芝や雑草の中に潜んでいて動物を待ち受けてるわけですから、
根本的にそういう隠れ場所を排除することは必要でしょう。雑草や芝を伸ばしっぱなしにしないということが、まず基本だと思うのです。
ウチのページ内で紹介している「マサド舗装」はある意味有効な手段となるかもしれません。
土の透水性を妨げずに雑草の発生を抑えることができるからです。
Q:カイドウの枝がふやけたようになり、手で触ると皮がボロボロになっています。
何か病気でしょうか、対策があればご教授お願いします。
A:赤星病でしょう。
葉の裏に気持ち悪いオレンジ色のトゲ状のものがありませんか?
マンネブダイセンやサプロールでの殺菌の他、冬期の石灰硫黄合剤散布が効果的です。
Q:ヒメシャラの葉の裏に1cm弱くらいの白い長細い塊がありました。
ところどころの葉の裏に見つけることができるのですが、これは害虫でしょうか?
ヒメシャラは虫がつきにくいと聞きましたが、もし害虫ならどう駆除すれば良いのでしょうか?
A:おっしゃっているものとは違うと思いますが、ヒメシャラにも虫は付きます。
カイガラムシなんかも付きますが、やっかいなのは「チャドクガ」です。ツバキなどに付くのと同じケムシ(ヒメシャラもツバキ科ですから)で、かぶれます。
チャドクガの駆除は「捕殺」が一番です。かぶれないように注意して被害部分を切り取り、焼くかビニール袋に入れてポイです。
殺虫剤を掛けても殺せますが、チャドクガの毒毛は死骸からも飛散するので、木に虫が付いている限りかぶれることに変わりはありませんので取り除くのがベスト。
Q:ハマキムシの予防法を教えてください。 去年モッコクがやられて、ヒドイことになりました。
虫がついている葉は毎日摘みました。
春から初夏は新葉が出ましたが 秋にまた虫がついていまだにモッコクの葉が少ない....ような気がします。
A:残念ながら「予防」は難しいです。害虫のタイプによっては今時期の石灰硫黄合剤で押さえられるものもありますが、
ほとんどの場合、虫が出たらその時に対処する方法しかありません。
長期にわたって残留する薬剤も認可されていませんので、早期発見早期対処しかありませんね。
Q:庭木にしている山茶花の病気について教えてください。 最近、赤味がかった葉が目立つようになりました。
また、変色した葉には数ミリ大の赤い斑点があり、その中心部には白くなったものや小さな穴があいたものも見られます。 病気なのでしょうか?
A:葉が赤みがかるのは病気ではありません。寒い時期にはサツキもコニファーも皆似たような状態になります。「しもやけ」などともいいますが一種の紅葉です。
斑点は黒点病とか斑点病とかの類ではないかと思いますが、木を枯らすほどの状態ではないと想像します。念のため石灰硫黄合剤を40倍くらいで1月~2月末までに2回散布し、下の落ち葉をきれいに除去してください。(落ち葉の病源から春にまた病気が発生するから)
消毒しても葉の斑点が消える訳ではありませんが、新芽が固まれば(4月頃)古葉は落ちます。その新芽が同じ病気にならないよう気を付ければ良いわけです。施肥も今の時期にしっかりして丈夫な新芽を出させましょう。
Q:ケヤキの葉に5ミリくらいのコブが付きます。昨年は少なかったのですが、一昨年は沢山付いてました。
このコブは何でしょうか?病気それとも種、もし病気でしたら対策方法を教えてください。
A:ケヤキハフクロフシ(ケヤキフシアブラムシ)と言い黄色の小さなアブラムシで、6月頃コブ(虫えい)から脱出して、夏季はタケやササの根に寄生し繁殖して、秋にはケヤキに戻り越冬します。
防除法は冬季にマシン油乳剤10~16倍液又は石灰硫黄合剤10倍液を散布。
新葉の展開期にスミチオン乳剤、オルトラン乳剤又はスプラサイド乳剤1000倍液を散布。 スミチオンよりもオルトランの方が効果的です。なぜなら「浸透移行性」の薬剤だから袋の中の虫にも効くのです。スミチオンは直接虫に掛からないと効きません。(能書き内消毒についてを参照のこと)
Q:松を職人に剪定してもらったところ、切り過ぎたために枯れてしまいました。植木屋は、虫がいたから枯れてあたりまえ。切りすぎは関係ないといいました。松は切りすぎてもかれないのでしょうか?それまでは、モコモコに青々としていたのに、剪定後に残った葉は、今にも枯れそうな黄緑色のものばかりでした。これは、本当に虫のせいなのでしょうか?
A:マツは切りすぎて枯れることは確かにあります。特にゴヨウマツやアカマツは。
ただ、本物の植木屋が切りすぎで木を枯らすことはめったにありません。枯れない限度をわきまえて仕事するからです。 それでも例えば初めての現場で樹勢を見誤って失敗することも無いとは言えません。
もこもこに茂っている木で、切り戻されて残った枝というのは今まで日の入らない所でいじけていた枝なわけですから元気な枝とは言えません。逆にいえばだからこそ、それによって樹勢を押さえることができるのですが、一歩間違えば木を弱らせすぎてしまう危険性もあるわけです。
樹勢は押さえたい、でも木を弱らせたくはない、そのちょうどいいところを見極めるのがプロということなのです。ましてやその木が虫の被害を受けて弱っているのを承知で強剪定をする植木屋は居ないはずです。
あなたの所に来た職人が本物なのか否か私にはわかりません。ただ、どんなに優秀な植木屋でも失敗はあります。要はその失敗にどう対処するのかだと思います。言い逃れしてその場を取り繕ってしまうのか、心底反省して勉強に励むのかだと思います。
Q:インドアハイビスカスに 白い2ミリぐらいの虫が大群で発生しました。葉っぱがベタベタになりしおれてきます。水をかけてよく洗うと2日程いませんがまたすぐに大群で発生します。インドアハイビスカスを置いているまわりまでベトベトになります。何と言う虫ですか?どのように対処すればいいか 教えて下さい 。
A:その虫が何であるか明確な答えは出来ませんが、たぶんクロサンドラなどに付く虫と同じかなと想像します。で、対処法ですが手近な殺虫剤で構わないので(例えばキンチョール)用意してください。葉に直接スプレーすると冷却硬化により植物を痛める可能性がありますので鉢ごとビニール袋に包んでから、その中に噴霧し密封します。虫自体は弱いので1時間も放置すれば全滅するでしょう。
鉢土中に卵や幼虫がいる可能性がありますので、鉢を水にすっぽり浸けて窒息死させた方が良いかもしれません。ディプテレックスかスミチオンなどの薬剤があればその薬液に浸ければなお良いです。
ちなみにそのべたべたは虫の排泄物です。放置すると今度はアリを呼んだりすす病などの病気の元になります。 予防法としては水やりの際に、鉢ごとバケツに浸け新鮮な空気と水を供給すること。また、ハダニやカイガラムシなど吸汁性の虫は大抵乾燥を好むので霧吹きなどで時々葉水をかけてやると虫が付きにくくなります。
Q:植えて4年になる3メートル位の樹高の姫しゃらです。 大好きな樹でいつも見上げていますがどうした訳か樹の途中2メートル程から上が全く芽吹きが見られません。 何かしてやれることがあるのでしょうか。
A:考えられる原因は二つ。
一つは夏場の水切れです。4年も経てば細かい根がびっしり詰まっているでしょうから、多少の水やりでは充分に水が行き渡りません。特に根鉢の底の部分に水を供給するのはかなり大変です。腐葉土などがたっぷりあっていつも湿潤状態を保っている山の中ならいざ知らず、ささっとホースで水まきする程度では表面が濡れるだけで中まで浸透しません。水の出を細ーくしてホースを投げ出しておいて20~30分放置するくらいやらないとダメです。頭から枯れ出した木の根っこを掘ると大抵はそこの部分が根ぐされしてぐちゅぐちゅになってるか、パサパサに乾いているかのどちらかです。ヒメシャラやシャラの場合は後者の方が多いです。
二つ目に考えられるのは「シンクイムシ」の被害です。幹の特に根本をよーく観察してみてください。おがくずがこぼれたような跡とか幹の傷とか穴とか見られませんか?或いは幹の途中かも。
完全に枯れた幹からの萌芽は期待できませんので、枯れた部分を鋸で落として断面を見て穴が空いていればそれはシンクイの仕業です。穴からディプテレックスなどを流し込んでパテで穴を塞ぎます。通じている穴はすべて塞いでガスを充満させます。越冬しているヤツがいたらそれで退治出来ますが、それは被害を食い止めるだけのことで治る訳ではありません。
残念ですが多分その枯れ込みはだんだん下へと下ってくるでしょう。根元まで進行しないウチなら打つ手は無くもありません。地際から10㎝くらい上の位置ですっぱりと切ってしまうことです。
乱暴のように思えるかもしれませんが、運が良ければ(樹勢があれば)株立ちとして復活するでしょう。時期的には地域にもよりますが2月から3月頃です。根元まで枯れ込んでしまったらこの手は無効です。思い切るならお早めに。